炎の魔女と憤怒R2
その魔女は怒りに身を任せて行動はしない。
怒りに支配された行動。
それは愚かなことだから。
感情に支配されたりはしないのだ。
だからその魔女は、ただ淡々と炎で地上を焼き払うだけだ。
炎で大地を嘗め尽くし、愚かな人間たちを燃やし尽くしていくだけ。
逃げていくものも逃がさない。
逃げていかないものも、逃がさない。
焼き尽くすべきものは、すべて逃がさない。
炎の魔法で、みんな一掃していく。
その行為に怒りは邪魔だ。
なぜなら、感情のままに行動すると、必ず余計なものが生き残ってしまうから。
だから、しっかりと、計画的に、理性的に、焼き尽くす。
愚かな人々を焼き尽くす。
隅々まで、焼き尽くす。
救いようのない者達を焼き尽くす。
救いたい他のもののために、焼き尽くす。
あれはきっと、生きていても何もならない。
誰かが意見をすればただそれを鵜呑みにするだけで。
自分の頭できちんと考えはしないいのだから。
ただ、物を知っていると言い張るだけの、自分を賢いと言い張るだけの。
ただの、ただの、愚か者なのだから。