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【完結】弱男だけどなぜかお天気お姉さんと付き合うことになった件  作者: 一終一(にのまえしゅういち)
最終章 本物の恋

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第55話 密着お天気お姉さん二十四時2・逆質問

 俺は密着お天気お姉さん二十四時という番組をまだまだ見ていた。もう既に疲れたんだが。


 番組内では昼になっていた。風華は天気予報の本番が終わってスタジオの外へ出ていた。


 スマホを傾けて写真を撮っている。


——何してるんですか?


 スタッフの問いかけが画面右端に表示された。


「SNS用の写真を撮影しています。こういう広報活動も重要なお仕事ですからね」


 うわー、めんどくさそう。SNSってダルいよな。俺は学生時代に知り合いに誘われてやってたけど、弁当箱の画像二枚あげて終わったわ。なんというかやる必要性を見いだせなかったんだよな。承認欲求も満たせなかったし。他の人の(きらび)びやかな人生を見て(むな)しくなるだけだった。


 勝手に過去回想して勝手に傷つく俺。実に俺らしいな。クソデカい、ため息を吐く。


 風華を見ると、何やらスマホをブンブン振っていた。


「やったー! モンスターゲットォー!」


 ゲームしてんじゃねぇよ!


 そして、会社の雑務をこなして、午後五時になった。


——これからどこへ?


「これから雑誌のインタビュー撮影があります」


 へぇ、そんなのもやってたのか。すっかり人気ものだな。


——大変ですね。


「そうですね。でも、一時期はクビ寸前まで行っていて、仕事があるって幸せなことなんだな、って思ったら今の忙しさも耐えられます」


 これだけは説得力あるよな。


 そして雑誌のインタビューの裏側が映し出された。


 ヘアメイクをしながら、スタッフと和気藹々(わきあいあい)と喋っている。風華って客観的に見たら美人でムードメーカーな人間なんだよな。


 若干感心していると、風華がカメラ目線になる。


「あ、スタッフさん、トイレ大丈夫ですか?」


——大丈夫です。


 逆質問してんじゃねぇよ。


「お腹空いてませんか?」


——大丈夫です!


「クッキーありますけど?」


——大丈夫です!!


「じゃあ飲み物どうですか? 豚の煮汁ならありますけど」


——()らない!


 キレてるじゃねぇか! つーか豚汁を飲み物に換算するな!


「給料いくら貰っているんですか?」


——教えません!


 どんだけ聞くんだよ。スタッフを困らせてんじゃねぇぞ!


「風華ちゃんカワイイですよね?」


——……はい。


 ほぼ強制じゃねぇか! もう辞めてやれ!


「具体的にはどういう点ですか?」


 だる(がら)みうぜぇ。


——目鼻立ちが整っていて、笑顔が素敵なところです。


「ま、及第点、といったところですか」


 うぜぇぇぇ! 誰かこの意識高い系面接官を蹴っ飛ばして宇宙の果てまで送ってくれ!


「1+1は?」


——3。


 反抗期に突入しちゃったよ!


 つーか、この会話いらねぇだろ! カットしろよ!


 ナレーションの風華が発言する。


『スタッフへ逆に質問。この独特な感性も彼女の魅力だ』


 自分で言うな!

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