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 無事卒業式が終わると王族から順番に退室していく保護者達。


 この後は卒業記念のパーティーだ。


 残念ながら、一昨日の4人は卒業に待ったが掛かり留年となったらしい。まあ、仕方がないね。


 余計なことしなけりゃ、殿下の婚約者候補達のままだったのにさ。



「パーティーには出席か?」


「ええ、一応。兄がエスコートしてくれるんで。卒業祝いに王都に来てるんですよ」


「へ? エスコート?」


「私は婚約者居ないですからね。兄に頼んだんですが。何か不都合でも?」


「え?」


「面倒くさいですけど。着替えるかー。まあ今後ドレスなんか着る機会ないですからねえ。兄が張り切っちゃって・・・」


「待て待てまて! ちょっと待て!」


「何ですか殿下?」



 コテン、と首を傾げる幼馴染に胡乱な眼差しを送る殿下。



「卒業証書を見せてくれるか?」


「へ? いいですよ」



 ――何で卒業証書ひったくってんだよ?



「おま、お前、この名前・・・」


「え、間違ってます?!」



 慌てて覗き込むと



「間違ってないですよ」


()()()()・フォーンシュタインって・・・エルドガルドは?」


 「え? 1歳上の兄ですが? 辺境領からここへ直接来るはずですよ。あ、来た」



 入り口を振り返るエリィの視線の先にエリィと同じ髪色の背の高い男が立っていた。



「兄です。普段から領地を任されて居ますので王都に来ることはないんですよ」



 ツカツカと濃い紫色の貴族服を来た男がこちらに向かって歩いてくる。



「殿下、お久しぶりです。エルドガルド・フォーンシュタインです。()がいつもお世話になっております」


 

 エリィを一回り大きくしたような美丈夫が殿下に向かって恭しく臣下の礼を取ったのだった。



 

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