15 ご挨拶
帰路は、さくさくと。
何せ長旅は初めての僕、往路では物珍しさで寄り道しまくり。
こんなおのぼりさんに、荷物の心配がいらない大容量『収納』バッグなんて持たせると、途中立ち寄った場所全てでおみやげ買いまくりだったわけで。
そんなわけで、帰りの旅は脇目も振らずにまっしぐら。
つまりは、とにかく早く我が家に帰りたかったのです。
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到着したヴェルクリで、フラットさんたちにご挨拶、
すぐに『ゲートルーム』に飛び込んで、
向かうはもちろん、ロイさんのお宅。
「おかえり、良い旅だったかな」
ただいまです、ロイさん。
おかげさまで、楽しい家族水入らず、でした。
マクレルガさんも、とってもお元気で……
あちらでの出来事を、諸々赤裸々に報告。
「壮健で何より、羨ましいくらいだね」
全くです。
まさか僕と同い歳の娘さんをお母さんと呼ぶことになるとは……
「フォリス君は普段通り、自分のペースで頑張れば良いと思うよ」
「ほら、俺たちって、世間一般とちょっとズレてるところ、あるよね」
「だから無理にみんなに合わせようとしないでさ、今まで通りの生き方で人生楽しんだり、ちょっとだけ新しい事にチャレンジしてみたり」
「家族のために頑張るっていうのももちろん大事だけど、家族と一緒に人生楽しむっていう方が、フォリス君らしいかなって」
……ありがとうございます、ロイさん。
「しかし、フォリス君と同い歳、か……」
「確か俺より歳上だったよね、マクレルガさん」
「本当、凄く羨ま……」
この後すぐリノアさんとセシエリアさんに連行されてしまったロイさんとは、それっきり……
以前カミスさんに、家族間における危機管理の大切さを教わりましたが、現場を目の当たりにすると、その重要性に改めて身が引き締まる思いなのです。
まあ、うちのシュレディーケさんからだったら、どんなおしおきでもどんとこいなんですけどね。
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里帰り完遂のご報告兼おみやげ配りの挨拶回り、全力で頑張りました。
要は『ゲートルーム』で『転送』しまくっただけなのですが……
ジオーネ『平和の館』のカミスさんとアランさんと、それぞれのご家族、
ヒメ湖にお住まいのシナギさんご家族、
ペンネッタの町のアランさんの奥さま方、
エルサニア大森林のサイリさんご家族、
挨拶をしておみやげを手渡すのみの駆け足の行程、
いよいよ、エルサニア王都へ。
ルロリーサよろず相談所のお姉さま方、
モノカさんのお宅に集う最強乙女軍団、
ミスキさんご家族、
旧カミス邸、今はアシュトさん宅、に在住のライクァさんたち、
そして最後はもちろん、エルサニア城。