14 挑戦
祝、完治。
僕なりにですが、絶好調。
療養生活中に起きたアレコレについてはさておき、今では家族仲もとても良い感じ。
それじゃ、諸々落ち着いたことだし、そろそろ帰ろうかな、我が家に。
「婿殿、リグラートで暮らしてみては」
いえ、マクレルガさん。
僕は根っからの魔灸の森の狩人。
あの森で生きて、あの森に骨を埋める、それが僕なんです。
「そんな夫に生涯寄り添う、それが私、シュレディーケ」
「フリエミスさんなら、分かってくれますね」
見つめ合う、シュレディーケさんとフリエミスさん、まさに心から通じ合う姉妹。
「この家のことは気にせず、存分に森で励むが良い、婿殿」
はい、マクレルガさんも、存分に励んでください。
剣術や狩り以外にも、競い合うことはできますよね、男なら。
「男としての挑戦状、しかと受け取った」
がっしと、握手。
では、出立。
おふたりとも、お元気で。
行きましょうか、シュレディーケさん。
去るは王都のリグラート、目指すは故郷魔灸の森
帰路も長いが足取り軽く、妻の手を取り向かうは我が家
荒事無理だが狩りなら達者、誰が呼んだか"若狩人"
不肖フォリス、隙あらばらぶらぶ射かける愛の狩人
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えーと、浮かれ気分で調子に乗って、ポエムなんてしちゃいましたけど、
駄目駄目でしょ、コレ。
そもそも語呂が悪すぎますよ"若狩人"
大体何ですか、愛の狩人って。
どっちかって言うと狩られる側ですよ、僕。
昼も夜も、近接戦ではシュレディーケさんに全然かなわんっての。
全くもう。