11 ご理解
全身包帯だらけのマクレルガさんが、メイドさんに支えられながら、部屋に入ってきました。
シュレディーケさん、マジ容赦無し……
「確かに、狩人として生計を立てている男に、剣を向けて道を問うたのは我が不徳」
「ツァイシェルの剣でも動じぬ私が、婿殿のひと言で、目が覚めた」
「無礼の程、伏してお詫びを……」
いえいえ、そんな身体で無茶しないでください。
それと、さっきも言いましたけど、僕が弱いのは事実ですし。
そんなことより親娘仲直りの方が大事ですって。
「良き殿方に巡り会えたのだな、ツァイシェル」
「自慢の夫、です」
えーと、積もる話しもあるでしょうけど、お互いこんな状態ですし、
続きは完治してから改めてってことで、どうでしょう。
「では、後程」
マクレルガさんとメイドさん、退出。
「イーシャさんの思惑通りとなってしまったな」
クロ先生に、良く効く傷薬をおねだりするべきでしたね。
これ、完治にどのくらいかかるのかな。
「看病あるのみ、だな」
「もちろん、動けるようになるまでは、下の世話の方も任せてもらおう」
うわっ、鬼の首でも取ったような表情、
まさに鬼嫁、もとい、鬼殺し嫁。
ごつり
こぶしは痛いですって。
いや、もう全身痛いから、あんまり痛くないかも……