表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/17

10 勝負


 ただ今、客室のベッドの上で、身動きひとつ取れず。


 うへぇ、身体中がイテェ!



 マクレルガさんとの木刀での真剣勝負。


 予想通り、手も足も出ず。


 気持ち良いくらいの大惨敗でしたよ。



 いや、ごめん、嘘ついた。


 脳みそくらくら、打ち身じんじん、内臓じくじく、正直気持ち悪くて吐きそう。



 で、地面にのびて息も絶え絶えの僕を、シュレディーケさんがお姫さま抱っこで運んできてくれたわけで。


 なぜかマクレルガさんが地面に倒れ伏しているのがチラリ見えた気がしたけど、たぶん気のせい。


 いかにシュレディーケさんでも、本気の全力全開でお父さんを叩きのめしたりはしない、はず……




「済まない、フォリスさん」

「我が父とはいえ、まさかここまでやるとは……」


 いえ、シュレディーケさん。


 お父さんの僕への思い、痛いほど伝わってきましたよ。


 そりゃあもう、痛いほど……



「大人げないというか、いい歳をしてというか」

「とにかく、仇は取った、つもりだが……」


 あー、痛みによるまぼろしでも幻覚でもなかったんですね、アレ。


 お父さん、大丈夫でした?



「知らんっ、優しく看病してくれる人がいるのだから放置で良かろうっ」


 ……駄目ですよ、仲直りしなきゃ。


 せっかく久しぶりに会えた親娘が、ガチンコ木刀バトルだなんて。


 僕がこんなになったのは僕が弱いせいなんだから、


 お父さんにちゃんと謝って仲直りしてくださいね。



「なぜこんな目に遭わされてまで優しいのだ……」


 いえいえ、これが木刀での試合だからこそ、ですよ。


 剣の道を貫いてきた人に、僕なんかが剣で勝とうなんておこがましいにも程がありますって。



 でもね、狩人としての僕は違いますよ。


 こう見えて僕なりの矜持もありますし。


 これが弓での勝負なら、僕にだって絶対に譲れないものがあるのです。



「済まん、フォリス殿」

「いや、婿殿」



 ……マクレルガさん?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ