表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世がモブなら転生しようとモブにしかなりませんよね?  作者: 蔵前
後日談 ハッピーエンドの先を目指せ!(人物設定を含めた後日譚)
208/208

その ええと、先に進んでもいいんだよね?

 汚れた犬は海水で大雑把に洗い、ミュゼが用意した弁当に添えてあったミネラルウォーターで今度は海水を流すようにして洗い、その後は動物病院へゴーだ。

 ミュゼに犬を抱かせ、そんなミュゼを俺が抱きしめ、そして来た時と同じようにしてサーフボードで最初の浜辺に戻り、それからミュゼの知っている動物病院に駆け込んだのである。


 もちろん、犬の診察代は俺が払おうとした。

 ところがミュゼが自分が払うと言い張った。


「だって、飼い主がいなかったら私が飼うから。」


 医者はどっちでもいいよと言い、俺達に空腹なだけで元気いっぱいな仔犬を仔犬用ミルクと哺乳瓶と一緒に返し、結局俺が全部払った。

 ミュゼの財布は俺の隠れ家に置いてきぼりのお弁当箱の中だったのだ。

 彼女はすまなそうに謝ったが、俺はこれは好機だと信じて疑わなかった。

 だってさ、ミュゼに財布を持たせていたら、ミュゼは病院に自分で支払った上に犬を抱いたまま家に帰っていたはずなんだよ。


「お金返さなきゃ。」


「それよりもさ、水を買い足して元の場所に戻ろう?馬鹿な俺は君に温かなコーヒーを飲ませたいって、湯沸し器もあそこにあるよ?このちびに少しでも早くミルクを飲ませてやろうよ。」


 ミュゼは嬉しそうに笑い、俺の秘密基地に戻り、そして、彼女が母親になったらこんな風に赤ん坊を慈しむんだなと思う仕草で彼女は自分の愛犬にミルクを飲ませた。

 小さな犬は直ぐに眠り、俺は犬の為に着ていたシャツを脱いで丸めた。


「ハルト、寒くない?」


 俺はお道化ながらミュゼに両腕を差し出した。


「凍死しないように君の肌で温めてくれ。」


 ミュゼは着ていたタオル地のパーカーを脱ぎ去り、あの裸同然にも思える白い水着姿で俺の腕に納まった!のである。

 たった数時間で俺の計画したデエトがそれ以上のものになった?


 犬はラッキーアイテムだったらしい!!


 その後は?

 その後は!


 無我夢中といった方が良いだろう。


 だって、俺達は当たり前のように互いを求めあって、キスをし合って、そして、今や仲良く寝袋の中に転がっているんだよ?

 俺の腕にミュゼの頭が乗っているんだよ?


 俺は幸せのまま柔らかな彼女の頭にキスをした。

 俺の腕の中で、幸せそうな規則正しい吐息を出して、彼女は眠っているのだ。


「愛している。ずっとずっと愛しているよ。」


「……うん。ごめん、最後までできなくて。ハルトにどこまでもついていくって思ったのに、ごめんなさい。」


「いいよ。俺達はこの先もずっと一緒だものね。それからあんまり謝らないで。俺が下手くそって言われている気になるから。」


 ミュゼはくすくすと俺の腕の中で楽しそうに笑い声をあげた。

 俺は彼女の肩にキスをした。

 うなじにも背中にも。

 唇が当たるところはどこにでも、だ。

 手は、ええと、後から彼女を抱き締めているから、ええと、前の方を探索し始めちゃったみたいだね。


「きゃあ、あ、ハルト!」


「ごめん。君の肌は滑らかで触り心地が凄く良い。後ろからエッチな事をされたくなければこっちを向いて。君の唇にキスがしたい。」


 ミュゼは笑いながら俺の腕の上で、俺の方へとごろんと半回転してくれた。

 俺達は幸福に包まれながら、互いの恋で潤んだ瞳を覗き合いながら、数えきれないぐらいの何度目かのキスを交わした。

本編最終バトルについて

①エルヴァイラが叩きつけられたりしたのは、ハルトでは無くアストルフォによるもの。アストルフォはとっても根に持つ男です。


②ダレンは紺色の魔法を押さえるために歌い続けますが、途中から単なるマイク放さなーず。ダレンが歌いまくったことで、バンドの幽霊は成仏しちゃっています。いつの間にか消えていたのはそういう事でした!


③本当はミュゼの姿を戻すのは、ニッケが歌いダレンがチェロを弾き、ミュゼがモブを舐めるなあああと叫んで、でしたが、それだとハルトが蚊帳の外なので止めました。


④とある大学の学生証に般若心経の記載があったり体育の授業に空手が選択できるのはガチで、ミュゼが面白かったという漫画はゆうきまさみ先生のR君です。


⑤読んでくださり、本当にありがとうございました!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ