第5話 俺だけ弱くね?
次の日は2層攻略をすることになった。
「1層はスライムだったから次はゴブリンとかか?」
武の言う通り次はゴブリンが来るのが流れだとみんな思っているようだ。
「グルルルゥル」
噂をしていればヤツが来た。
「みんな!ゴブリンよ!まず私が行くわ!」
雫がいつも通り先陣を切ってくれた。
「頼んだ!誠はいつでもヒールができるようにしとけ!」
「おう!いつでも大丈夫だ!」
バシュッ
雫は昨日のガチャで出た鉄剣を使いゴブリンを斬り倒した。
「やったわ!……いてて。少し膝をやっちゃったみたい。誠、頼めるかしら。」
「任せとけ! "ヒール"!」
ほわわーんと光が患部を覆い、傷を完璧に治した。
「ありがとう!」
「お、おう」
顔を赤くし、少し照れてしまった。不覚……
「おいっ。ゴブリンが来たぞ!ここは俺に任せろっ!」
「頼んだ武!」
「た、武くんっ。防御結界は使わないの……?」
翔子がそう口にした。
「あ、忘れてた!サンキューな翔子!
"身体強化"!"防御結界"!」
そうするとうっすらと何かが武を囲んだ。
「なんだ?これ?」
「武!危ない!」
武が振り向くとゴブリンが迫ってきていた。
「ぎゃぎゃー」
バンッ
ゴブリンが棍棒で武を叩いた。
「たけるぅぅぅぅう?」
ドンッ
ゴブリンが何かにあたって吹き飛んで行った。
「もしかしたら、防御結界がはね返してくれたんじゃない?」
「雫の言う通りじゃないかな?なんか吹っ飛んでるし」
「「「いや、めちゃ強いじゃん!!」」」
「ん?そうか?ケケケッおいゴブリンお前が俺の肉体に触れるにはまだ100年早い!ケッケッ
べしっ
「ふざけるな笑」
いつ見ても可憐なツッコミであった。
その後も武は余裕な感じでゴブリンを倒して言った。
「次は私が頑張る!」
翔子はいつも通り気合が入っているが、少し震えている。
彼女なりに役に立とうとしているのか。
大丈夫かな、翔子。
向かいのゴブリンに向けて、
「"ファイヤーボール"!」
ひゅーーーぼすっ
瞬殺だった。俺の心配は無駄だったか……。
やっぱり魔法はチートだなァ
「"ファイヤーボール"!"ファイヤーボール"!"ファイヤーボール"!・・・・」
ボスっボスっボスっボスボス
いやえげつないな翔子さん
恐るべし。恐るべし翔子さん。
「な、ないす〜」
武も少しビビったようだ。
「やったよ〜!雫ちゃん!」
でも翔子は嬉しそうなので良かった。
んーーーん?
俺だけ弱くね?ヒールとくるりって……
「おいっ」
一人でツッコんでしまった。
まあとりあえず俺に出来ることをしよう。しよう。しよう……
俺とゴブリンの戦いはなかなかギリギリだった。
でも何とか倒すことが出来た。
-その日の夜-
「みんなお待ちかねのレベル付与の時間だよ〜」
「「「おぉ!」」」
俺たちは順番にゴブリンを倒していたので、経験値は均等に与えられていた。
「私はたレベル360!みんなは120ってとこかな??」
「そうだよー。じゃあ頼みます」
「OK!じゃあ"レベル付与"!」
そうしてみんなのレベルが180になった。
「おっ、レベル付与がレベル2になった!」