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99話青き盾と参考

レンは、前回1人に来た時の続きである21階層にやってきていた。


「あちこちから魔物を気配があるよな…」


植物系の魔物が襲ってくるのを魔法で焼き払いながら進む。大森林と言っても良い場所で、油断すれば魔物の餌食となるだろう。


まず、普通の冒険者であればソロで来るようなことはない。それぞれの役割を持った者で来るからこそ対応出来るのだが、レンは1人であらゆる役割をこなせる。ナビゲーターの存在がさらにレンの心強さの現れだろう。



「あれは……俺以外にもソロで攻略する人がいるんだな…」


水色の髪をポニーテールにした少女が先を進んでいる。装備品も青色のため、森林でとても目立っている。




「盾を装備してるな……なおさらソロでいるのが良くわからない」


少女の背には盾が背負われている。盾職は、パーティの防御の要だ。1人でいるというのは、攻撃手段もきちんと持ち合わせているのだろう。


「進む方向は、同じだからついて行ってみるか…」


レンは、少女の後ろからついて行く。レンの動きに気配がないため少女は気づかない。


『ストーカーですね、マスター』


そうかもしれないと内心思ってしまう。そしてナビゲーターさんは、発言が厳しい。





少女は、突然現れた魔物の群れに囲まれて戦っていた。盾を使い守りながら短剣で魔物を倒しているようだ。


「綺麗な動きだ!なんかのスキルなんだろうな…」


彼女は、大きな盾を重さをもろともせずに魔物の攻撃を跳ね返している。場慣れしている様子も窺える。



「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


植物系の魔物の強力なツルの攻撃も盾でしっかりと受け止めて、短剣で反撃する。


しかし


パキッ……


と音がなり少女の短剣が砕ける。連戦で消耗していたようだ。


「しまった!」


武器がなくなった状態の彼女に追い討ちをかけるようにさらに魔物の群れがやってきていた。長時間の戦闘は、他の魔物を呼んでしまうこともある。



「これは、少し手伝おうかな…ファイヤボール!」


少し彼女を手助けするために魔法を放つ。


「これは!助かります!」


と少女は、言いながら魔物を押し倒して無理やりとどめを刺す。





「ふぅ……助かりました!短剣が折れて少し焦ってしまいました。まだまだ未熟です」


かなり真面目な子のようだ。


「1人でここまで来るのは凄いと思うよ?そういえば、折れた短剣は大切なものだった?」


「いえ、どこにでも売ってるものなんで後悔はないんですが、やはり壊れてしまうと残念に感じるものです……」


武器がないのは大変そうだと思いながらレンは、アイテムボックスから改造した短剣を取り出す。


「良かったらこれを使ってくれ!武器が無いんじゃ戦えないだろうからね」


と言い彼女に渡す。


「そんな!初対面の人に武器を渡すなんて…人が良すぎですよ」


と遠慮している。


「まあ持っといてよ!迷宮から無事に帰れないかもしれないぞ?それにこれは、街で普通に売ってる安いやつだから」


と言い短剣を握らせる。


「それじゃあ….…遠慮なく使わせてもらいます。さっき壊れたのと見た目が同じで使いやすそう!」


と受け取ってくれたようだ。


短剣自体は、街で売ってるが付与されているとんでもない効果を彼女はまだ知らない。




少女は、帰るのかと思ってたがレンについて行きたいと言った。


「あなたも1人でここまで来るということは、実力者だと思って…ぜひ戦いを見て勉強させてもらいたいです!」


と頭を下げてお願いしてくる。


「わかった、わかった!頭を上げて。俺は、レン。レン・オリガミだ。一応Bランク冒険者で、今は事情があって1人で行動してる」


簡単に自己紹介する。


「おお!Bランクなんですか。私は、Cランク冒険者のアイリ・ガーラム14歳です!よろしくお願いします」


やはり真面目な子だなと思いレンは、ほっこりする。


「そんなに俺から学べることなんてないと思うけど、一緒に行こうか!」


と言いながら歩き始める。





歩き始めてすぐに、木の合間からゴブリンが飛び出してくるがレンは手刀で倒す。


あまりにあっさりと倒したため、アイリは驚く。


「強すぎませんか?」


「うーん?そうかなぁ……」


とレンは、呟くのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 短剣自体は、街で売ってるが付与されているとんでもない効果を彼女はまだ知らない。 優しさの塊、レンは優しい(ノ)*´꒳`*(ヾ)
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