表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/414

94話レン対ミラとハンデ

レンは、ミラがスライムを倒した後も他の魔物と戦うのを見ていた。


「さあ、いずれ全ての魔法を極め最強の存在となる私の礎になりなさい!初級全魔法が一つ火魔法、ファイヤーーー!」


魔物が火魔法をくらい、消滅する。



「またレベルが上がった。これで一歩最強に近づいたね」


と眼鏡を押さえながら、ミラが呟く。その表情は、とても清々しいものだ。



痛い、痛すぎる……その様子を見ながらレンは、心の中で必死にどうするべきかを考えていた。


ミラは、なぜか毎回魔法を使う時に長々と喋ってから魔法を使っているのだ。1回だけだろうと安心していたレンの思いはあっさりと裏切られてしまった。



『マスター、あれが彼女の本当の姿なのです……受け入れるしかありません』


とナビゲーターさんの声が頭に響く。


「俺は、もっとクールな人なんだと思ってたんだけどな……まさか、あんな性格だったなんて」


と呟くレンの前でミラは、またしても長く話した後で魔法を放っていた。


「なんか、魔物が困ってるように見えるわ」


とルティアが呟く。ミラの前でスライムが攻撃すべきか迷ってるように動いていた。


エリアスやルティアも最初は、普通に見ていたのだが、だんだんミラの攻撃前に喋ることに苦笑いを浮かべていた。



「はぁ…ファイヤ」


とレンが呟くと火がスライムに向かって飛んでいきスライムを燃やす。


「あああああぁぁぁぁぁ!ちょっと!レン、なんで邪魔するの。せっかく決まってた所だったのに」


とミラが文句を言う。


「いやいや、魔法撃つまでの時間が長すぎだろ!そんなんじゃ魔物に殺されるぞ。スライムが相手だから良かったもののゴブリンなんかは待ってくれないからな!」


とレンは厳しめに言い返す。


「むぐぐ……それはそうだけど、やっぱり格好良く決めたいでしょ」


格好良さを追求しているとは、重症な気がするが今後を考えるとやはり厳しく行くべきだと思った。


「こんなこと言いたくないけど、まだレベルが10ちょっとなんだぞ!格好良さを追求したい気持ちもわかるけど、まずは実力をつけろ」


ビシッと指を刺しレンは言う。


レンの後ろでは、エリアスとルティアがウンウンと頷いている。


「くうぅぅぅ!こうなったら、私と決闘しなさいレン!私の力を見せつけて、格好良さを教えてあげる」


「はぁ…?」


レンは、意味がわからなかった。なぜ彼女は自分に戦いを挑んでくるのか……


「馬鹿ね……レンに勝てるわけないじゃない。3人でかかっても無理よ」


とルティアが冷静に言う。


「そうだね。レンはともかく私やルティアにも勝てないよ」


とエリアスも言う。


だが、


「それでも、戦わなければならない時があるんだ!まだ勝負は、終わってないし始まってない。やってみなければわからない。レベル差なんて跳ね返す!多くの主人公がやってきたことだ!」


とミラが言い、セリフだけは良いことを言っているなとレン達は思った。


強敵と戦わなければならない時に是非とも言って欲しいセリフだ。




「はぁぁ…なら戦うよ。ハンデもつけて、俺は、魔法と武器は使わない素手で行くよ」


とレンは、ため息をつきながら宣言する。


「へぇ、私には素手で十分と…後悔させてあげる。……良かった…本気じゃない」


後半に小さい声で本音が漏れている。ミラは内心冷や汗をかいているのだ。悪い癖で勝負を挑んでしまった。



「さて、始めるぞ!」


「いくよ!」


2人の戦いが幕を開ける。







レンの前では、ミラが気絶していた。


「素手すら使わなかったじゃない……」


ルティアが絶句している。


「まさか、ノーダメージで勝つなんて…」


エリアスも驚いている。


「まぁこんなもんだ」


とレンは余裕の表情だ。




戦いが始まった瞬間、ミラは魔法を撃てる限りレンに発射したが、レンのステータスにミラの攻撃は通らずレンはただ立っていただけだった。


「そりゃ、ミラも焦るわよね。自分の攻撃が全くレンに効かないんだから」


とMP切れで気絶しているミラにルティアが哀れみの視線を向ける。


地面に大の字で気絶しているミラは、まだ目覚めそうもない。


「一旦休憩する?」


とエリアスが聞いてくる。


「そうだな!そのうち、ミラも目を覚ますだろうから休んで待っておこう」


とレンは答える。


「お茶にしましょう。レン、準備してちょうだい!」


とルティアが言ったので


「へいへい、お姫様」


と言いつつ、レンは準備を始めるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 突っ立てるだけで、勝てる勝負はヌルイ〜
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ