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93話賢者の卵と長いセリフ

「これで装備が揃った。冒険に行けるぞぉぉ!」


握り拳を作りミラが気合を入れている。彼女の性格にも慣れてきた気がする。


魔法使い風の格好をしたミラは、クルクルと回りながら自分が着てる服を見ながら喜んでいる。


エリアスもここで服を変えた。黒を基調とした服でレンと並ぶとまさにペアという感じである。エリアスは、レンとお揃いみたいな形にしたいと思って選んだのだが、レンは気づいてないだろう。


「エリアスの白い髪に服が合ってるなぁ」


「本当?嬉しいなぁ、買ってくれてありがとね!レン」


とレンが見惚れているため、エリアスは顔を赤くして喜んでいる。


「なんだか、私達蚊帳の外ね」


とミラが呟き、


「あそこに入り込むのは大変よ?」


とルティアが答える。目の前でレンとエリアスは、とても楽しそうに微笑みながら話している。


「レンが、私達の世界から転移して1日しか経ってないのにこっちでは結構時間が過ぎてるんだね。きっと色々なことがあったんだ…」


と思いながらミラが語る。





そして4人で迷宮に向かうことになった。


「いきなり迷宮の攻略とは、興奮しますなぁ。さて、今日で頂上にたどり着いても構わないのだろうか?」


とミラが大きなことを言っている。多分、いや絶対に無理だろう。


「あんたねぇ…そんな簡単に迷宮をクリア出来るわけないでしょ?今の所、49階層が最高到達点だし」


とルティアが無理無理と首を振っている。


「そうだな、まずミラのレベルじゃ20階層までいけるかどうかな……今は、努力するのも大事だぞ?」


とレンは、ルティアの意見を肯定する。一度1人で登った感じで難しいと感じていた。エリアスやルティアなら大丈夫だろうが…




迷宮の1階層に入る。ミラが加わったためもう一度最初から登ることにする。


「まずは、ミラのスキルとかを見せてくれるか?」


「良いよ!ステーーータス!」


「声大きいな!」


そこまで気合入れなくても…と思いながらミラのステータスに目を向ける。



ミラ・タカミヤ(人間)Lv10

HP398/398

魔力800/800

攻撃力65

防御力50

〈スキル〉

異世界言語 初級全魔法 経験値増加

〈称号〉

転移者 賢者の卵



「賢者の卵、レアじゃないか?」


とレンはミラの称号に反応する。


「やっぱりそう思う?ふふー!これは、私の勝ち組は確定だね」


とミラはドヤ顔をする。


「まあレンには敵わないわよ!」


ルティアがドヤ顔で答える。


「うんうん!」


ルティアの発言にエリアスもうなずいている。なぜルティアは、ドヤ顔をしているのだろうか?


「レベルアップすれば、超えるかもしれないでしょ?時間の問題だよ!」


とミラが言うがルティアが否定する。


「まぁ、レンのステータスを見たらわかるわよ?」


と言う。



結局、レンはミラにステータスを見せることにした。


「じゃあ出すぞ?ステータス!」


と言って表示されたステータスを見てミラは驚愕する。



「強……しゅぎる。こんなの勝てないでしゅ…」


なぜ噛んでるのかはわからないが、驚いてくれたようだ。地面に座り込みながら呆然としている。


「そうでしょ、そうでしょう!」


やはりルティアは、ドヤ顔だ。




「ずっと喋っていても仕方ない。進むぞー!」


とレンが言うと、


「「「おー!」」」


と3人の返事が返ってくる。ミラは復活したようだ。



1階層では魔物に遭遇せず、2階層に上がる。そこでスライムに遭遇した。


「よし!ミラのレベルアップのためだし1人で戦ってくれ」


とレンが言う。ミラはまだ魔物を倒してないようなので積極的に戦わせることにする。


「ええ、任せて!スライムよ、いずれ賢者となる私の魔法を食らうが良い。初級全魔法が一つ、火魔法ファイヤーーー!」


と攻撃する。


魔法を受けたスライムは、あっさりと焼かれ魔石を残して焼失する。


「討伐完了!」


とミラが喜ぶ。エリアスとルティアも良かったね!という表情だ。





しかし……


魔法撃つまでのセリフ長っ!


と心でレンは思うのだった。

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[良い点] 「ええ、任せて!スライムよ、いずれ賢者となる私の魔法を食らうが良い。初級全魔法が一つ、火魔法ファイヤーーー!」 ワロタ
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