表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/414

76話圧倒と暴走

『マスター!目を覚まして下さい。マスター…』


真っ白な空間の中、金髪の美しい女性が叫んでいる。


そう彼女は、ナビゲーター。レンをサポートするスキルだ。


いつもであればこの場所からレンの目を通して、外の世界を見ることが出来ていたがそれが今はかなわない。


『マスター…』


「確かにこの状況はあまり良いとは言えないね…」


どうしようもない状況のナビゲーターに声がかかる。


『まさか…あなたは』


「実際に会うのはこれが初めてかな?僕の名前はレイ。はじめまして、ナビゲーターさん。それにしても驚いたよ、君も人型になれるんだね」


白髪の青年が答える。

彼は黒龍戦でのレンの姿に酷似しているのだ。



『ええ、私にも人型はあります。それは置いておいてあなたは何者なのですか?マスターの中に存在するということは、あなたはマスターの一部…』


「いや、僕はレンではないよ。簡単に言えばナビゲーターさんと同じさ。僕もレンのスキルだ」


とレイは語る。


『私はマスターのスキルを全て知っています。ですが、意思を持つスキルなど私以外には存在していません』


「ああ、それはね……もう時間か。ごめんねナビゲーターさん、長くここにいられないみたいだ。説明をしている余裕がないから大事なことだけ話す。レンにこの力を制御できるようにさせてくれないかな?ここままじゃレンは、破壊の化身になってしまう」


『わかりました。マスターをそんな者にはさせません』


とナビゲーターが答えた時には、レイの姿はもうなかったのだった。



『しかし、まずはマスターが正常に戻らないとどうしようもないですね』


とナビゲーターは考えるのだった。どうやってレンを助けるかを…


『こうなったらマスターを探すしかありませんね』


と言い駆け出す。






「消してやるよ」


レンの呟きにシャンはもう驚きを隠せないでいた。


「いったいお前は何者なんだよ…」


「俺は……僕は…誰なんだろうか?そんなもの今は関係ない。ただ、お前を消すだけだ」


「理性すら怪しいな…」


シャンは、会話することも出来ないかと諦める。




「レン…どうしたの?あなたはそんなことを言う人じゃない…」


エリアスが呟く。


「絶対に消す…」


3人のシャンが武器を構え、レンに攻撃を仕掛ける。


「全て消し去るのもつまらないか…デリート」


1番近くにいたシャンは、ナイフを振り下ろしていたがいつのまにか腕ごと消え去っていた。


「腕がないだと…」


何の痛みもなく、シャンの腕は消え去っていた。もとからそこに腕がなかったかのように。


「コントロール出来てきたな…」


レンは、他の2人の方を向きながら腕が無いことに驚くシャンにデリートを唱える。


「後は、2人…」


レンが一歩また一歩と歩いてくるのを、シャンは動けないでいた。


「まとめて消えろ、デリート」


裁きを下すかのようにレンは言う。


「クソっ…」


シャンが諦めたように呟き、目を瞑る。




しかし、シャンは消滅しなかった。


シャンの目の前には、障壁が展開されてデリートを受け止めていた。とはいえ、障壁はデリートを受けすぐに崩壊したが…


「随分と楽しそうですわね?シャン」


にこやかに笑う女性がシャンの隣に立っていた。


「テメェ、何でここにいやがる?」


「あなたを迎えに来たのよ。光明の魔女が迫ってるわ」


光明の魔女という言葉にエリアスが反応するが話は続く。


「それはマズイなぁ…さっさと逃げようぜ?」


「そうね。目の前の子もなかなか危なそうだし」


レンが攻撃を放とうとしているが、女性は魔法を唱える。


「シャドウ」


黒い煙が放たれ、レンは2人の姿を見失う。


視界が見えない中、声だけが聞こえる。


「私は、スティグマ魔法部隊筆頭、マグノリアよ。また会いましょうね、破黒の英雄くん」


「次あったら殺してやるからな…」


黒い煙が晴れるとそこには誰もいなかった。




エリアス達は、強力な敵が去ったことに安堵するが、すぐに現実に引き戻される。


「レン、しっかりして!元に戻って!」


エリアスの呼びかけにレンは反応しない。


全てを消し去ろうとしているかのような表情があるだけだった。



「ルティア、動ける?レンを止めるよ!」


と言いエリアスは漆黒の細剣を取り出す。


「レンに挑むっていうの?」


「ええ!私が弱かったからレンは、ああなった。だから私が元に戻す。力を貸して」


「わかったわよ」


ルティアも杖を構える。


「ライトニング!」


エリアスは叫び、レンに突っ込むのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] レンに挑む(*´꒳`*)ヨキヨキ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ