7話 下級魔法と実験
本を読んだ後レンは、スキルをインストールしては気絶し、回復してはスキルをインストールしてを繰り返していた。
インストールを繰り返したことでレンのMPは大幅に増えていた。
レン・オリガミ(人間)Lv1
HP75/75
MP750/750
ATK10
DEF25
〈スキル〉
異世界言語
マップ
下級鑑定
下級火魔法
下級水魔法
下級生命魔法
下級光魔法
下級闇魔法
下級雷魔法
下級錬金魔法
下級時空魔法
下級重力魔法
〈ユニークスキル〉
インストール
〈称号〉
転移者
「これで下級の魔法は全て取れたか?MPの上がりが凄いし、もう少しでナビゲーターもインストール出来る」
これで簡単な魔法は全て使えるようになった。MPが伸びたのも嬉しい成果だ。
「せっかくだし魔法を試してみるか!」
魔法なんて存在しない世界に生まれたのだから魔法という存在に憧れたりはした。それがとうとう叶うのかと思うと、ドキドキする。
小屋の外に出たレンは
「いきなり火魔法は危ないな。水魔法を試してみようかな?」
いきなり火で山火事とかになっては最悪のスタートになると考え、安全そうな水魔法を選択する。もう心臓が破裂せんばかりの興奮だ。
何も出ないというのはやめてくれよ!と思いながら手をかざし、呪文を唱える。
「アクア!」
その瞬間、手から水があふれてきた。口に含んで確認してみると間違いなく水だった。
「おお!成功だー!」
レンは、今までで1番じゃないかと思うほど喜んだ。多分受験で受かってもこんなに喜ばないだろう。それだけ魔法が使えたことがレンにとっては喜ばしいことなのだ。
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
大声を出しながらジャンプする。元の世界ならば迷惑な大きさだ。レンは、一時の間喜びに打ち震えるのだった。
「よし!他にも魔法を使ってみよう。特に時空魔法が気になるな!」
時空魔法が使えれば転移も出来るし、アイテムボックスとして使うこともできる。とても便利なものだ。もうこの魔法1つで十分に異世界では凄い存在になれるかもしれない。
「さて実験開始としますか!」
時空魔法でどこまで転移できるか試してみることにした。
「少しずつ距離を伸ばしてどこまで転移できるか試してみよう!」
まずは10メートル位から試してみる。
「転移!」
レンは最初にいた場所から10メートル程先に移動することができた。転移した感想としては、特に思い浮かばず気づいたら出来ていたという感じだった。
「よし!まず10メートルは成功」
その後も実験を繰り返し50メートル程までは成功した。学校の50メートル走なら1位だなとレベルの低いことを考えてしまう。
「時空魔法はMP消費が激しいな……今後、魔法を何度も使えばさらに距離が伸びるかもな!頑張ろう」
戦闘やあらゆることにおいて、この魔法は極めて強力なものになるだろうと考えられる。まだまだ修行が必要だと思いつつ、それを伸ばさない手はないと思うのだった。
魔法を発動することができ、レンは満足して小屋に戻って休むのだった。