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57話王女の申し出と病院

目の前の少女、第3王女ルティア・ファン・アルセンティアは、レンとエリアスにお願いがあると言ってきた。


「初めまして、王女殿下。しかし我々も時間がないため、出来るだけ急いでもらえないでしょうか?」


とレン達は頭を下げながら言う。


「ええ、そうね。お願いしたいことは、私もあなたたちと一緒に連れて行って欲しいということ」


と言うのだった。



なかなか悩ましいことを言ってくるなとレンは思った。


「さすがに我々が良いですよ。と言うわけにはいきませんよ。先に陛下に相談した方がいいのではないでしょうか?」


とレンは言った。


「それなら、もう許可は貰っていますわ」


とルティアは自信満々に言う。


国王、甘過ぎだろとレンは思った。この王女は爆弾な気がする。


「それに、城の兵士とかより、よっぽどあなた達の方が強いでしょうし」


とルティアは付け加える。兵士がレンの気迫にビビっている姿を見ていたのだ。


これは、連れて行くしかないのか…とレンは、エリアスの方を見る。


エリアスは、良いんじゃない?と言うような反応をしていた。


「わかりました。一緒に行きましょうか…」


とレンは答えるのだった。


城を出て最初に病院に向かいながらルティアと話をする。


「王女様は、何が目的で俺たちについてくるのですか?」


とレンは質問した。


「お母様の病気が呪いだと聞いてしまって、呪った奴を見つけたいというのもあります。それ以外にも、その呪いを一瞬で消し去ったという貴方にも興味が湧いたのです」


とルティアは言う。


「さすがにどんな方法かは教えませんよ」


とレンは言っておく。


「別に良いですよ。自分でこれから見極めますし、これでも私は、聖女見習いなんですから」


と気になる発言が出た。


「今、聖女と言いました?」


とレンは聞き返す。


「ええ!でもまだ見習いよ。将来は、きっと聖女になって多くの人を救いたいと思っていますわ」


と目標をルティアは語る。


聖女とは…見習いとはいえ厄介なのに目を付けられたとレンは思うのだった。やっぱり面倒なことに巻き込まれそうとレンはため息をつく。



レン達は、城から1番近い病院に来ていた。元の世界の病院を知っているレンからしたらこの世界の病院はとても簡素なものだ。


「本日はどうされましたか?」


と看護師さんが聞いてくる。


「今、王都で流行している病気に感染している人がいたら会わせて欲しいのですが…」


とレンは、目的を切り出す。


「それは…身内でもない人を会わせるわけには…」


と看護師さんは困っている。


そりゃそうだよね。とレンが思っている時、ルティアが前に出る。


「患者に会わせなさい。これは命令です」


と言ってネックレスを見せている。王家の証かなんかだろうか…


「王女様!失礼しました。すぐに準備をしますのでお待ちください」


と看護師さんは奥に向かっていった。


レンとエリアスは、うわぁ権力で押し切ったよ。と心の中で思いながら、ルティアを見つめる。


「どうしたの2人とも?私が変な人みたいな表情しちゃって」


と言ってきたのだった。レンとエリアスは、揃って苦笑いをするだけだった。



少し経って、男の医者が出てきた。


「私がここの院長をしてます。スディ・ラーンと申します」


と挨拶してきた。


「レン・オリガミです。早速で申し訳ないのですが、患者の所に案内してもらいたいのですが…」


と言う。


「承知しております。ついてきてください」


と言って歩く。



病室の中には4つのベッドがありそれぞれに寝ている人がいた。もちろん気持ちよく寝ているわけではない。呼吸が荒いように見える。


「この病室の患者達がこの病院では1番症状が重い状態にあります。」


1番手前のベッドに寝て、苦しんでいるのは紛れもなく子供だった。


母親らしき人が子供の手を握りながら声をかけて励ましている。


「ママ…僕…死んじゃうの?…まだ死に…たくないよ」


とか細い声で母親に聞いていた。


「そんなことないわ…きっとお医者様が治してくれるから…」


と母親が子供に答える。


母親はすでに泣きそうになっており、他の患者の身内の顔もかなり重たい。


認めることは出来ないが諦めているような状況だ。希望はない、そんな表情だ。


レンは、このようなことをしでかした者に対して怒りを抱きながらもそれを抑え、子供の方に行く。


「君は死なない。これからも沢山お母さんに甘えることもできるし、成長していくこともできるさ」


と静かにしかしはっきりと言いレンは子供の手を取る。


「あなたは何を…」


とレンの行動に母親が驚き声をかける。しかし、院長が大丈夫だと言ったので黙ってみることにした。


レンは母親の声を聞かずにスキルを使用した。


「ハッキング…アンインストール!」


その瞬間、王妃と同じように黒いモヤが子供から吹き出し消えた。



「うそ…苦しくない…」


と子供は、突然のことに驚いていた。


「良し、次だ!」


と言ってすぐさまレンは、呪印をアンインストールしていった。


部屋にいた4人の患者全員の呪印を消すことが出来た。


「あなたは一体…」


と医者はレンの行ったことに驚くのだった。


「ただのCランク冒険者ですよ」


と言ってレンはただ微笑むのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ただのCランク冒険者 主人公より雑魚は、ゴミなのかな?
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