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54話ハルカと疫病

黒目、黒髪の女性はレンに対して


「フィレンが言ってた冒険者ね?」


と言ってきた。しかも日本語でだ。


異世界言語スキルを使うことで日本語を話しているかのように異世界の言葉を話しているが、日本語ではないことを感じている。


そして日本語を話す方法も簡単だ。スキルをOFFにしている感覚で話せば良いのだ。


「はい、そうです。あなたが救国の英雄の?」


フィレンのことを出してくるということはそういうことだろう。レンは、日本語で返事をした。


「ええ、ハルカ・ミナヅキよ。よろしく」


と言い手を出してきた。


エリアスには、以前に日本語のことについても話していたためレンが急に日本語を使ったことにも驚かず、理解してくれている。


「初めまして、レン・オリガミです。よろしくお願いします!こっちは、エリアスです」


と自己紹介をする。


「エリアス・ミリーです。よろしくお願いします」


と言い2人はハルカと握手を交わす。




レンとエリアスは、ハルカとともに近くのカフェのような所に入って話をすることになった。


「フィレンが信頼している人なら話しても大丈夫だと思うから話します。実は、現在王都では魔物の大量発生と謎の疫病が起きているんです」


と説明された。


「疫病…環境が悪かったりとかじゃないんですよね?」


とレンは尋ねた。


テレビで見たことがあるが、環境の変化によって病気が発生したりすることがあると聞いたことがあったからだ。


「この世界は地球のように環境が悪かったりはしないはずです。そして、私が予想するに今回の原因は、スティグマであろうと思っています」


と言った。


レンは、隣のエリアスがスティグマという単語に反応するのを感じた。


「落ち着いてくれ、エリアス…」


と言いレンは、エリアスの頭を撫でる。


「んん…」


とエリアスは顔を赤くして目を細めた。落ち着いたようだ。


「エリアス殿は、スティグマに因縁があるのかな?私達救国の英雄も少しばかり因縁があってね…」


と語る。


「俺も一度は戦ったことがありますが…不気味な連中でしたね」


とフェレンスでの戦いを思い出す。


「それに今回は大量発生や疫病が原因で武闘大会も延期ということになってしまった。レンは出ようと考えてたんじゃないのですか?」


と言われる。


「予想してはいたけど、やっぱり武闘大会は延期か…」


本当に王都に来た意味がなくなったような気がしてがっかりする。




疫病や武闘大会の延期という話を聞き、レンはこんな展開が起きてるのではないかと予想をした。


「あの〜、もしかして王族の方が疫病に感染したりなんてしてないですよね?」


とこれまでの経験ラノベから予想を立てハルカに聞いてみる。


「まさか、それすらも予想してしまうなんて思わなかった。鋭い勘を持ってるようですね」


とハルカは感心したように言う。


レンは内心、適当に言ったことが当たってしまい、面倒なことになりそうだと思うのだった。



「これは、ほとんど知られていないことだけど…王妃様が病に苦しんでるのです。今は魔法で抑えているけど時間の問題になるかもしれないとのことです」


と苦い顔で言う。


「うーん」


とレンは頭の中で考える。


レンのハッキングとアンインストールを用いることで病を消し去ることが出来るかもしれないと考えたからだ。


だが権力者相手に力を見せるというのもあまり行いたくないのも事実だった。


だが見捨てるというのも嫌だという思いもある。エリアスの様な思いをする人を増やしたくはない。


「ハルカさん、王妃様に面会をすることは出来ないでしょうか?もしかすると、俺の持っているスキルで病を治すことが出来るかもしれないのですが…」


と相談してみる。


「本当にそんなスキルを?いえ、私は貴方を信じましょう。どうにかして面会を取り付けて見せるわ…」


と最初は、悩んだ表情をしていたが、レンのことを信用しようという反応をしてくれる。同じ転移者ということも信用出来る材料になった。



「また夜になったらギルドに来てくれるかしら?そこで面会出来るかを伝えるようにします」


とハルカを言い立ち上がる。


「わかりました」


とレンとエリアスも立ち上がる。


「こんな時に、スマホがあれば連絡が楽なんですがね…」


とハルカは呟く。


「便利ですもんね、スマホ…」


とレンは言った。


異世界にスマホがあるはずもない。ましてや携帯会社もあるはずがない。便利な物に慣れてるとこのような時はとても不便だと感じる。




ハルカと別れて再び2人となったレンとエリアスは、夜までどうするか考えることにした。


「最初は観光しようと思ってたけど、あんな話を聞けばねぇ?」


とエリアスが言う。


「ああ!観光は事件解決後にでもしようか?大量発生している魔物の方も気になる」


とレンもエリアスの考えに賛同する。


「なら大量発生の鎮圧に行ってみるか…」


とレンとエリアスは、向かう準備を始める。


大量発生、モンスターパレードほど大規模ではないにしろ普段よりも多くの魔物が出現していることを指している。


通常より強い個体が出やすい反面、稼げるから嬉しいと言う冒険者もいる。



「確かに、そこそこ魔物がいるな…」


とレンは呟く。


「ええ!多いとまでは言えないかもだけど…」


レンとエリアスは、モンスターパレードを経験しているため感覚が麻痺している。



「まぁぼちぼち倒していくか…」


とレンとエリアスは武器を構えるのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 日本語! 日本語! ラノベ(〇´°ω°)bいいね! [気になる点] 《意思疎通》とか《念話》があれば便利ですよね。 自分の魔力の波長と相手の魔力の波長を合わせるとかで、出来そうですけど(…
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