391話聖剣と対ディザスター
「フェンリル……いくぞ!」
レンが、神獣の力を発動して飛ぶ。目の前に広がるのは果てしない数の闇、ディザスター。ベルゼへの到達を阻むかの様に、降ってくる。
「あらゆる力を使って災厄を突破する。ナビゲーターさん、もう少し待っててくれ!」
ナビゲーター、彼女も全力でベルゼの妨害を試みている。
歪な形のディザスターを魔法で吹き飛ばしつつ、ベルゼの元に向かう。ベルゼが食べたディザスターほどのものは出てくるのに時間がかかるため急ぎたい。
迫るディザスターをいなしつつ上空を目指す。
地上にもディザスターは大量に降りて来ていた。王都という、大量の人という餌がある場所を目指しているのだ。
「神獣の鎖、雷速!」
エリアスが一気にディザスターを始末していく。神獣の力の効果は、ディザスターに対しても有利に働いていた。
「剣神の舞!二刀流剣術」
「盾神の加護、カウンター!」
手分けして片っ端からディザスターを片付けていく。
「キリがないわよ!こうなったら一気に吹き飛ばすしかないわね。エリアス、私の剣を出して!」
「わかった、はい!」
エリアスがルティアに向かって、直剣を投げる。ルティアは、それを地面を蹴ってキャッチし空中で一回転しながら抜き放つ。
レンとエリアスの共有アイテムボックスに入れられていた武器、ルティア用に作ってもらったものだ。
「出番が来たわね、レンに作ってもらった私だけの武器。聖剣オリガミ」
ルティアは、《インポート》を使い、剣術スキルを発動する。ディザスターの元に突っ込む。
「聖炎付与!」
刀身が、蒼い炎に包まれ燃え上がる。そしてルティアがそれを全力で振った。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
周囲のディザスターを聖なる炎が飲み込んで、消滅させていく。
「なんか、勇者の武器みたいだな!高火力!」
ミラがディザスターを魔法で攻撃しながら言う。
「勇者なんか目じゃないわ!レンが作って、使ってるのは聖女の私よ。そりゃ、強力な武器だわ!」
とルティアが言い再び剣を振るう。
だが、それでもディザスターの数は減らない。門からは次々にディザスターが出てこようとしている。
「これはレンがベルゼを倒さない限り続きそうね……」
ワイバーンに乗ってディザスターに矢を放つ、フィレンが呟いた。そんなフィレンにも空を飛ぶ敵が迫る。
「きゃっ!」
敵の接近にワイバーンが全力で曲がり回避する。衝撃で、地上の方に弓を落としてしまう。
「しまった、だけど取りに行かせてはくれないわね」
空を飛ぶディザスターが数体フィレンに目をつけたようで、迫ってくる。
「いけるかしら?ワイバーン。あなたは避けることに集中して、私がどうにかして倒す」
とワイバーンに声をかける。
迫って来たディザスターにフィレンは、
「精霊魔法」
手にした杖を振ってディザスターにダメージを与える。
鳥型のディザスターが翼をもがれ地上に落ちようとするところに、さらに精霊魔法で追撃を入れて倒す。
「私も、弓だけじゃないわよ。さあかかって来なさい、ディザスター!」
空中戦も、激しさを増していく。




