368話 レベルアップと到達限界
「流石は、魔王領。強い魔物が多そうだ」
「全部、私の魔法で吹き飛ばしてやる!」
魔物の群れを眺めながらレンが呟き、ミラがやる気を見せている。
「まあまあ、みんなのレベルアップのためだから」
「そうよ、ミラ!経験値を分け合うわよ!」
とエリアスとルティアが言う。
4人は、魔王城から離れた所にある魔物が多く出現する場所にやって来ていた。目的は、レベルアップのためだ。
『マスターのレベルアップを行えば、もしかするとユニークスキルを得られるかもしれません』
「強力なのが手に入ると良いけどね」
とレンが答える。
レンが持っていたユニークスキル。それも今や《インストール》と《ナビゲーター》しか残っていない。全てはベルゼに喰われてしまった。
だが、インストールをナビゲーターが守ってくれたお陰で、かなり体勢を整えることが出来ている。魔物相手でも引けを取らない。
「さあ、みんなでレベル最大目指して頑張ろう!」
「「「おー!」」」
みんなで拳を空に突き上げて気合を入れる。ベルゼを倒すために少しでも強くならなければならないのだ。
そこから数日にわたって、ひたすらに魔物を倒し続けた。レベルが高くなるにつれて魔物を倒す効率も上がっていった。
「いやぁ、最後の決戦が近づいてくるって感じがしますなぁ」
「これで終わってくれると良いんだけどね」
ミラとエリアスが話していた。
「次の戦いで終わらせて、平和を掴むわよ!聖女としての最初でいきなり大仕事になりそうだわ!」
とルティアが加わる。
「そうだね、レンはまだ頑張ってるね!」
3人が見つめる先では、レンが大量の魔物達と激戦を繰り広げていた。ユニークスキルがなくとも魔物相手であればレンは余裕で戦える。
だが、相手は災厄。魔物とは比べ物にならない強さだ。さらには、知恵も働く。今のままでは勝つことはできないと分かっているのだ。
アンナやアイリ、フィレンも魔物相手のレベルアップに加わり時間が過ぎた。
「レベル100……限界値だ」
とレンが声を上げる。ステータスの上昇限界。時間はかかったが、経験値上昇のスキル等でどうにか辿り着いた。
他の者にも、経験値を大幅に上げるスキルを付けたかったが、《ハッキング》がないため出来ないので自力で頑張ってもらうしかない。
『とうとうレベル100ですね』
「ああ、それに」
とレンが言っていると、これまでも聞いたことがあるアナウンスが頭に流れる。
『レベル限界値への到達確認。ユニークスキル《バージョンアップ》を解放します』
と流れる。
「きた!ユニークスキル」
レベルの限界に到達し、ユニークスキルを得ることが出来るのだった。




