表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
370/414

365話スマホのようなユニークスキルで異世界を生きる

「ナビゲーターさん、無事だったんだ……良かった」


「ギリギリの所でしたが、どうにか逃げられました。肝心な所でマスターのサポートが出来なかったのは悔やみますが……」


ベルゼに喰われる寸前で彼女も余裕がなかったのだろう。だが、レンはナビゲーター自身が無事だったことが嬉しかった。


「また会えて良かったよ、相棒!」


「私もマスターの元に戻れて嬉しいです」


笑顔で答えてくれる。


「それにしてもどうやって逃げたんだ?最後の時まで、俺の中にいたんだろ?」


確かに実体化して外に出ることはできるが、あの時にそのような余裕はなかった。だから、ナビゲーターもベルゼに喰われてしまったと思ったのだ。


「ええ、賭け要素が強かったですが。マスターとエリアスのアイテムボックスは共有ですね。ギリギリに所で、エリアスとマスターのスキルの共有を切り離してエリアスのアイテムボックスに逃げ込みました」


「よく、あの土壇場で……」


「ええ、危うく食べられてしまいそうで、ボロボロになってしまいました」


と言いながら所々が切れているドレスを見せる。それはそれで、目を惹かれる格好だなと思っているとエリアスがジロリと見ているため視線を外す。


「だから、ナビゲーターさんの無事を教えようとしたのにレンが走って行っちゃうから」


「ああ、悪かった。話を聞く余裕がなかったよ」


確かにあの時エリアスはナビゲーターについて言おうとしていた。だが、レンはナビゲーターを失ったものと思って逃げ出したため今事実を知ることになったのだ。


「まあ、レンの気持ちも少しは落ち着いたみたいだから」


とエリアスが言う。確かに、悲しみがないわけではない。でも立ち上がることを決めたのだから悲しみの気持ちを持ちつつ前に進みたいと思う。


「悲しければさっきみたいにエリアスに抱きつけば良いんですよ。エリアスもしっかりと受け止めてくれますから」


「ちょっ、ナビゲーターさん!」


顔を赤くしてエリアスが声を上げていた。それを眺めながらレンは微笑む。



「私もマスターの元に戻ります。ベルゼに喰われるギリギリでユニークスキルは、1つしか守れませんでした」


と言いながら、ナビゲーターがレンのステータスに戻る。肉体の方はエリアスが回収した。


そして、レンのステータスにナビゲーター以外のもう一つのスキルが表示される。


レン・オリガミ(人間)Lv80

HP9400/9400

MP 15800/15800

ATK3500

DEF2670


〈スキル〉

なし


〈ユニークスキル〉

インストール

 ナビゲーター


〈称号〉

再起の英雄


戻ったユニークスキルの名前を見ながら、レンは笑う。


「ありがとう、ナビゲーターさん」


異世界で最もレンが使ったユニークスキル《インストール》。まだ戦えるとレンは確信している。


『ベルゼを倒しましょう』


「うん!頑張ろう!」


2人の声を受けて、レンも頷く。


「ああ、絶対に勝とう。このスマホのようなユニークスキルで異世界を生きるんだ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ