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350話降り立つ闇と決戦へ

「リータを止められなかった、ごめんなさい」


 マグノリアが静かに謝る。リータの実力は相当なものらしく、マグノリアとレミの2人でかかったにも関わらず逃げられてしまったらしい。


「空が……」


 レミが頭上を見上げながら呟いた。先程まで晴れ渡っていた魔王領の空は、一滴の黒い絵の具を落とされたかの様に徐々に黒く染まっていく。


「出てきたな……」


 これまでにも目にしたことがある門が空に開いた。そこから闇が溢れ出してくる。


「これまでとは比べ物にならない力……」


 ディザスターと戦ってきたレンであるためわかる。最も強大なモノが召喚されたであろうことが……





「魔門を突き破らん勢いじゃのぅ!なかなか活きがいいモノじゃ。さあて、早く出てこい!全て喰らってくれよう」


 ベルゼが大きく手を広げて声を上げる。


ユニークスキルが発動しようとしていた。






「このままでは、魔王領に住む多くの民にも被害が及ぶのじゃ!妾の力では、届かずとも諦めるわけにはいかない」


 勝敗は、まだ決まったわけではないのだ。ゼルベがどのような強さを手に入れるかわからない。まだ諦め切れるわけがないだろう。



一同が空を見上げているなかで、レンはエリアスに声をかける。


「ルティアとミラは戻ってきてないか?」


「うん、無事なのはなんとなく感じるけど……探してる余裕はないみたい」


 レンの力の影響か、エリアス達にもそれぞれ繋がりのような物を感じられるようになっている。ルティア達の無事を察してはいるが、探しに行ける余裕がない。



 空から闇がレン達の前方に向かって降ってきた。直後に、それが人だということがわかった。


「ベルゼ……なのか?」


「うむうむ?わかりずらいかのぉ?」


 これまでの老人の姿ではない。ディザスターの影響のせいなのか姿が若返っているように見えた。身体つきも違う、屈強になったように見える。


「ディザスターを喰らったのね、目的通りに」


 レミが杖を構える。


「ほっほっほ、お陰様でのぉ!すこぶる身体の調子が良いわい」


 ベルゼが拳を握りしめる。直後に、ベルゼから大量の闇が吹き出してこちらに向かってくる。


「ぐうっ!」


 そこにいた者の多くが、ベルゼから放たれた闇にのけぞる。


「その姿、もう人とは思えないのじゃ」


クシフォンがベルゼを見据えて言う。


ベルゼの姿は、全身に闇を纏いディザスターを彷彿とさせるものだ。ドス黒い瘴気が近くを舞い、近づいただけでもその影響を受けそうなほどのおぞましさを感じさせた。



「ディザスターの力がどれほどか、肩慣らしじゃの!」


「ここで倒す!敵がまだ力を使いこなせてないうちに!」


レン、エリアス、アンナ、アイリ、フィレン、レミ、マグノリア、クシフォン、フィーズがそれぞれの武器を構える。


「掛かってくるのじゃな、人間どもよ」



最強の敵との戦いが幕を開ける。

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