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345話暗殺者と連れ去り

「二刀流剣術!」


「闇魔法付与!」


レンが、2振りの剣で、魔王が闇魔法を付与した剣で斬りかかる。常人では到底一閃すら捉えることも出来ない数多の斬撃がベルゼに向かって放たれる。


「ほっほっほ、楽しませてくれるのぉ。ほれ、お返しじゃわい!」


幼い孫と遊ぶ祖父のような余裕の声で2人の攻撃を防御し、逸らす。そこからさらに反撃を行ってくる。


「マジックボックス!形状変化、盾」


魔王の方を見ると、彼も攻撃を凌げたようだ。


「父上、レン!」


「クシフォン逃げろ!フィーズ」


「承知しました!」



魔王がフィーズに対してクシフォンを連れて逃げるように指示を出す。ここにいても危険でしかない。



「そうはさせんぞ?シャン!」


「フィーズ、クシフォンの首を守れ!」


レンが声を上げる。彼女を殺すために暗殺者が刃を光らせた。


グシャ……


と音が鳴った。


「グ……クシフォン様……」


「フィーズ、お主!」


クシフォンの首の前に出されたフィーズの手のひら、そこにはナイフが突き刺さっていた。クシフォンを攻撃から守るためには、剣を抜く時間すら無いと考え手を出したのだ。


「ちぃっ……」


シャンが刺したナイフを放棄して、別のものを懐から取り出す。その間にフィーズも剣を抜いた。


「クシフォン様は、私がお守り致します!」


フィーズが魔法を発動して、シャンに相対する。




状況は極めて良くない。


みなが目の前の相手に精一杯の状況だ。こちらに向かっているにしても援護が来るまでは時間がかかることだろう。


クシフォンに魔物が迫るが、さすがのフィーズもシャンの相手で手一杯だ。


「妾も魔物になど遅れを取らんのじゃ!」


クシフォンが魔物を殴り飛ばす。だが、長くはもたないことだろう。




「ほうほう?マサトがやられそうじゃのう。賢者とやらも随分とやるわい!」


ベルゼが呟く。


「随分と余裕そうだな!形状変化、大鎌」


マジックボックスを武器に変えてレンは、ひたすらに振るう。だが、攻撃は一向に入らない。


「予想以上にあれは強い……ここまでとはな」


魔王の得意な戦い方は、魔法だ。だが、ベルゼに魔法が効かないとなると物理戦になる。魔法ほどでは無いが剣を扱えるがやはり苦戦してしまう。



「フラッシュ!」


「ぬおっ!」


レンが光魔法でベルゼの視界を塞ぐ、攻撃魔法でなければ対応も変わってくるようだ。チャンスと思い斬りかかるレンに拳が返ってきた。


マジックボックスの目の前に集めて守る。一撃でも貰いたくない相手だ。




いつまでもこの状況が変わりそうにないと思っていたが、ついに自体が大きく動く。


「ちっ、苦戦させやがって!」


シャンが呟き、ナイフをクシフォンに突きつけていた。その近くでは、フィーズが倒れている。特に大怪我をしているわけではない。だが、フィーズは釣り上げられた魚のようにピクピクと痙攣している。


「まさか毒……」


「へっ、最初にあいつにナイフが刺さった時からなぁ!随分と持ち堪えたもんだぜ」


とシャンは、クシフォンの髪を掴んで言う。レン達も下手に動けなくなった。クシフォンは、気絶させられていた。


「貴様!娘を離せ」


魔王がシャンに向かって魔法を放とうとした瞬間に、城が崩れ出す。ベルゼが城を一気に崩しに掛かったのだ。


「とりあえず、ほらよ」


シャンがクシフォンを乱暴にベルゼに向かって投げる。


「良くやったの、では魔門を開くとするかのぉ。追いついてみるのじゃな!」


とベルゼが外に飛び出していく。


「待て!ベルゼ」


と言いながら、魔王も外に行ってしまった。娘を拐われれば当然すぐに追いかけることになるだろうが……



「フィーズも不味いな……」


レンは、フィーズを担いで外に向かって飛び出す。レミやマグノリアもどこかで戦っているが、それぞれ脱出してもらうしかない。


事態は最悪へと進んでいく。

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