表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/414

35話 飛行の上達とモンスターパレード

結局、図書館では呪いを解く手がかりを得ることはできなかった。本に載っていたのは、歴史上知られている呪いの効果や被害についてなどであった。


「アリーもきっとエリアスの声を聞きたいだろうし、呪いを解いてあげたいな…」


呪いにも軽いものがあり、軽い呪いならば優秀な回復術師が治すこともできるが、エリアスの呪いは相当に強いものらしい。


「もしかしたら、俺のレベルが上がれば呪いに効くユニークスキルが解放されるかもしれない…」


望みは薄いが、レベルアップが当面の目標になりそうだ。


「よし!明日も討伐系の依頼を受けるか」


レンは、気合いを入れる。




宿に帰ってから食堂でのんびりと夕食を食べていると、商人の会話が聞こえる。


「今回よう、魔物に襲われたら大変だから冒険者を大勢雇ったってのに、全然魔物が出なかったんだ。報酬で損したぜ」


「それゃツイてんのかツイてないのかわかんねぇな!」


この世界では、商人が移動の時に冒険者を雇うのは常識だ。魔物や盗賊なんかも出るからだ。実際に、お金をケチって酷い目にあったという話は珍しくない。


話を聞きながらレンは、冒険者は楽して儲けたなと軽く考えていた。





この時、まだ誰も気づいていない。街に危機が訪れようとしていることに…



食事が終わった後レンは、外に出て飛行の練習をしていた。重力魔法に風を合わせて飛行をしていた。


「初めての頃より飛べるようになっているな」


かなり自由に動けるようになっていた。空を飛ぶのは憧れていたためイメージがしやすかったのが良かったのかもしれない。


レンは、ぐんぐん高くまで飛んでみた。


上を見ると満天の星空が広がっている。


「ここまでの上空まで来ると地上で見るのとは大違いだ」


美しい景色に感動した。


まだまだ練習は必要だがレンは、飛行に満足していた。


そして宿に戻り眠るのだった。





次の日ギルドに訪れたレンとエリアスは、違和感を感じていた。


「何で討伐依頼が一つもないんだ?」


「確かにおかしいよね」


エリアスがボソッと耳元で言う。


いつもはあるはずの討伐依頼がなかったのだ。ちなみに近くに人がいない場合はエリアスは街中でも話すようになった。


「街の付近で魔物が全く見当たらないのです」


アリーに尋ねたところこのように返ってきた。



レンとエリアスは、討伐依頼がないため調査の依頼を受けることにした。


封龍の森に向かった。


「最近おかしなことが多いが、何かの前兆なのか?」


レンは疑問を口にする。


「もしかしたら、モンスターパレードが起こるかもしれない」


とエリアスが聞いたことのない言葉を言った。


「モンスターパレード?」


「そう、2、30年に一度起きるものなんだけど。街に向かって魔物が大量に侵攻してくる」


と解説してくれた。


「パレードってお祭りみたいに言うのね」


素直な感想を言う。


「狂宴って感じかな?」


かなりまずいな、その表現……


「それで今回が、モンスターパレードの周期になるわけか…」


まさかこのタイミングで召喚されるとはと考えているとまさかの答えが返る。


「いいえ、モンスターパレードは10年前に起こったはず」



だとすると今回起こったら場合、かなりのイレギュラーになるわけだ。


「調べてみないことにはわからないけどね」


封龍の森が見えてきたため2人とも集中をする。


森の中は、恐ろしく静かだった。


「静か過ぎる!」


「ええ、何も起きないのが不思議」


ただ2人の歩く音がするのみだ。


「索敵……これは不味いんじゃないか」


スキルで探してみると、とんでもない数を捉えた。


「森の奥の方にとてつもない数の魔物がいる」


「本当に?近づき辛いわね」


エリアスが苦い顔をする。


「俺は、隠密を使えるから1人で行ってこようか?」


と提案する。


「確かに私は、足手まといになりそうだからここら辺で身を隠して待ってる」


そして気をつけてと言う。



現在俺は、気配を消して森を進んでいた。


森の奥のには、大量の魔物がいた。まさに軍隊のように並んでいる。ゴブリンやオーク、オーガなんかもいる。


「これは、まずいな」


レンは、すぐさま撤退に移る。


バレないようにエリアスの元に戻る。


「エリアス、いるか?」


と静かに声をかける。


「ええ、どうだった?」


と状況を聞いてくる。


「最悪だな。魔物だらけだ。チラッと見ただけでも千はいるぞ」


見てきたものをエリアスに伝える。


「速くギルドに戻りましょう」


2人は、街に向かって走るのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] レンは優秀過ぎますね〜 商人との会話が、いいアクセントになってて、読みやすかったです! 読者に気遣いが出来るから、素晴らしい作品が書けるのですね(ノ)*´꒳`*(ヾ)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ