表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/414

196話対スティグマ・魔族と仇

「会場の周辺にも魔族やスティグマが散っています。観客を守りつつ戦うしかないですね」


とハルカが言う。


「そうだね。カラミィには、結界を維持してもらうからここにいてもらおう。後は、フィレンが上から弓で援護して貰うとして……」


とネーヴァンが戦いの配置を決めていく。



敵が待ってくれる訳ではないため、急がなければならない。


会場の方を、カラミィ、ネーヴァン、フィレンで守り、後は外に出て敵と戦うことになった。


「魔門の方はどうするんだ?」


「そうだね……カラミィの結界がどれだけ持つかにもよるけどね。出来るだけすぐに破壊しないといけない」


アルファードに聞かれネーヴァンが考え込む。


「それなら、俺に任せて貰えませんか?魔門に近づくことが出来れば消すことが出来ると思います」


とレンが提案する。デリートを使えばどんな物でも消すことが出来る。魔門であっても大丈夫だろうと思う。



「任せても良いか?」


「レン殿であれば大丈夫でしょう。我々で援護すればどうにか出来ます」


「そうね、レンなら大丈夫だわ」


ハルカとフィレンがレンの考えに賛成してくれる。それだけ、レンの力を認めてくれている。


「レン、気をつけてね。私も頑張るから!」


とエリアスが言ってくる。


「ああ、大丈夫だ!すぐに戻ってくる」


と言いレンは、魔門に向かって飛び上がるのだった。



『スティグマが予定を早めて襲撃してきたが、大丈夫だ。救国の英雄や強力な冒険者がこの場を守る。だから少しの間我慢してくれ!』


と国王が観客達に呼びかける。カラミィの結界で観客達は外に出られないようになっているのだ。結界のお陰でパニックは避けられている。


「魔門に魔力が集まって行ってないかしら?」


とルティアが空を見ながら言う。


「そうだな、まもなく攻撃が来るかもしれない。そうなればどこまで持つだろうな?」


とフィーズが言う。








「全く……どこからこんなにスティグマや魔族が入ってきたのでしょうか?龍も飛んでいますし、何やら面倒なことになってきてますね」


ハルカが会場の外を歩きながら呟く。アイテムボックスからは、日本刀を取り出す。



「いけ!救国の英雄だー!討ちとれ」


と言いながら魔族やスティグマがハルカに向かって突撃してくる。


「なるほど、かかってきなさい!」


ハルカも走り出して、向かってくる敵を1人1人切り裂いていく。国を守るために躊躇など全くない。




「良くこんな人数を集めたもんだな、スティグマも」


龍を倒しながらアルファードが言う。スティグマに魔族となると人数がかなり多いのだ。




「ライトニング!」


エリアスもスティグマと戦っていた。明確な殺意を持って攻撃してくるため、迷ってなどいられない。





「近づいてみると随分不気味なものだな」


空を飛びながら魔門に迫るレンは、呟く。黒々とした門は地獄への入り口のようでもある。


「ダークアロー!」


レンに向かって矢が複数放たれた。


「来たか!」


と言いながらレンは矢を剣で叩き落とす。



目の前にいたのは龍に乗ったボロボロのフードの男だ。


「お前を魔門に辿り着かせるわけにはいかない!」


と言いながらボロボロの服を脱ぐ。すると、そこには、立派な2本のツノが生えた強面の魔族がいた。


「姿を隠す気はなくなったのか?」


とレンは呟く。


「全力をお前を倒すのみだ。魔の八翼が1人、バロー。その命もらうぞ!」


と言いレンに矢を放ってくる。


「暇は無いんだかな……やってやる!」


とレンも前に出る。





「ヒャハハ、面白そうなのがいるのでやっぱり戦おうかな〜と思って出てきちゃったぁ〜」


周囲の敵を倒していたエリアスの前にサジャードが現れる。


「あなたは……」


エリアスは、剣をサジャードに向けて警戒する。相手にかなりの余裕を感じたため気を抜かない。


「ハヒャヒャ、狼人族ってねぇ。思い出があるんですよぉ〜。もう10年は前かなぁ、狼人族の村をね滅ぼしたんです。それはそれは、気持ちの良いものでしたよ」


とサジャードが喋りだす。


「狼人族の村を滅ぼした?」


エリアスの剣を持つ手に力が入る。まさか?という思いがエリアスに湧く。


「ええ、病気を撒いたり1人の少女に呪いを与えたりしましたよぉ?あれぇ?知ってますぅ?」



エリアスを助けた時にレミが言っていたのを思い出した。1人に逃げられたと……


「あの時、逃げたのはまさか……」


「いや〜ハハ〜、光明の魔女が来たからそこで残念ながら逃げたんですけどね。あれは、本当に楽しかったなぁ〜」


過去を思い出すように気持ちの悪い笑みを浮かべているサジャードに対してエリアスに怒りが込み上げる。


「そういうことか……お前が、お父さんとお母さんを……フェンリル!」


エリアスがとてつもない速さで動き、サジャードの首を狙う。


取った!とエリアスは思ったが、剣は、ガキンっと音を立ててサジャードに防がれていた。


「面白いですね〜!シャハハ、あの時のガキが生きていたなんて!とっくに呪いでのたれ死んだと思ったのにぃ」


ニタニタとエリアスを見ながら言葉を発してくるのに、エリアスはイライラするのを感じた。


「お前を殺す!」


仇との戦いが幕を開けようとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ