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187話腕の喪失と不運

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いつも読んでくださるみなさんに感謝です。

これからもよろしくお願いします。

「おりゃァァァァァァ!」


クシフォンが拳でレンに向かって連打してくる。だが、レンもそれに対して防御しきっている。


「効かないぞ!」


とクシフォンの拳を掴んで言うが、クシフォンはまだ動く。


「下がお留守なのじゃ!」


レンの左足に足払いをかけてくる。クシフォンの身軽さを感じながらレンは地面に倒れ込むということはしない。


すぐさまクシフォンを掴んでいた手を離し、側転を行なって体勢を立て直す。


「逃さないのじゃ!」


だが、さらにクシフォンが追撃してくるためバク転しながらさらに後ろに下がる。


「普通に、側転とバク転も出来るもんだよな!これなら俺もオリンピックに出れるな」


とクシフォンの攻撃から逃れたレンが言う。


『きっと優勝確実ですね。まあ明らかな反則でしょう……』


「ズルいとは言えるかな……」


ナビゲーターさんと話していると、クシフォンが前に迫っていた。


「なにをボーッとしておるのじゃ?」


蹴りを放ってくるが、レンは自らの腕で受け止める。衝撃で地面が少し沈んでいるのではないか?という感覚さえ感じる。


「骨が折れそうだ!」


これ以上は、腕が危険なためクシフォンの足を掴んで受け流すように地面に叩きつける。



「頑丈な奴なのじゃ……」


クシフォンが起き上がりながら服に着いた石などを落としている。クシフォンもかなり頑丈だよな……とレンは思う。



「こうなれば妾は、本気の本気で行くのじゃ!」


「なにをする気だ?」


ブンブン腕を振り回すクシフォンを見ているとハッタリのような気がしてならないが、次にクシフォンの口から出てきた言葉に気を引き締めることになる。


「ステータス外スキル!なのじゃ」


『マスター、注意してください』


すぐさまナビゲーターさんから注意が飛ぶ。


「ああ」


レンもすぐさま気持ちを引き締める。最近では、ハルカさんのステータス外スキルでとんでもない目にあったものだ。


「それじゃあ、行くのじゃ」


と再びクシフォンがレンに向かってくる。そしてパンチを連続で繰り出してきた。


レンは、先程と変わらず受け止める。


「特に変わらないか?」


クシフォンの攻撃は、特に何かがあったようには思えない。



ステータス外スキルがどんなものかわからない状態だったが、押し切れそうに感じた。


『マスター、駄目です!』


「なっ!」


ナビゲーターさんの声が聞こえた直後、右腕が軽くなった。まさに何もない、感じないといった感覚だ。


『ルシファン選手、なんてパワーだ!これは……これは、腕を飛ばしたぁ!』


クシフォンの攻撃を受け止めたはずのレンの腕がなくなっていた。クシフォンがまた攻撃を放ってくる。


「これ以上喰らえばまずい!」


と言いながらレンは後ろに跳躍する。


『痛覚無効をインストール、使用しております』


とナビゲーターさんが言う。通りで痛みを感じない物だと思った。痛みに慣れてしまったのか?と思ったものだ。


「ありがとう、助かったよ」


結界を出れば治る怪我だが、それは負けを意味する。レンは、クシフォンを見つめながらどう動くべきか考える。


『スキル、再生をインストール中……レアスキルであるため時間がかかります』


スマホのダウンロードと同じようなゲージが見える。確かに少し時間が必要そうだ。


「驚いたよ、クシフォン。まさか、腕ごと持っていかれるとは」


少しでも時間を使おうとレンは考える。


「ふふふっ、驚いたのじゃ?これが妾の力なのじゃ。確率なのじゃがな!」


と勝手に説明してくれる。


「なるほどな、なら良い手が浮かんだよ!」


と言いながらレンは、クシフォンに向かって駆け出す。


『ここで負傷したレン選手、真っ直ぐに攻めます!勝機があるのかぁ?』




『マスター、スキル再生をインストール完了しました。すぐに起動しますか?』


「ああ、すぐに使用。そして、プログラミング起動!ウイルスの準備だ」


口早にナビゲーターさんに伝える。レンの思考を読み取り、理想のものを作成してくれることだろう。


「喰らうのじゃ!」


向かってくるレンに向かってクシフォンが拳を振り出してくる。強力な衝撃波が飛んでくるがそれを上空に飛びながらレンは回避する。


「確率高いな!運が良い奴め」


とレンは言う。


「上に飛ぶとは格好の的なのじゃ……なっ、治ったのじゃ!」


とクシフォンが前を向いた瞬間にレンの腕が再生する。


「闇よ!」


と言いながらレンとクシフォンの間に煙幕を出す。そのままレンはクシフォンに接近して捕まえる。


「やるの、レン。じゃが妾の力も負けてないのじゃ」


と言いながら、拘束を振り解く。そのまま、距離を取っているレンに向かって攻撃を放とうとするが発動しなかった。


「運がないな、クシフォン」


とレンは呟く。


「そうじゃな、じゃが何度もやっておれば発動するのじゃ!」


と言いレンとの距離を詰める。


「そうか、発動すれば良いな」


と言いながらレンは笑う。




そこから幾度となくクシフォンは、攻撃をレンに放つが1度としてステータス外スキルが発動することはなかった。


「何でなのじゃ!」


とクシフォンが言っている。


『やりましたね、マスター』


とナビゲーターさんが言っている。


「ああ、良い作戦だった。クシフォン、自分のステータスを確認してみろよ」


とレンが言う。



「なっ!何なのじゃ、不運だなんて」


とクシフォンが叫ぶ。クシフォンのステータスには、レンが仕掛けた不運が表示されているのだ。


「ステータス外スキルが運悪く発動しなかったな?」


とレンが言う。



クシフォンの切り札も封印したし、そろそろ決着をつけないとなとレンは思うのだった。

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[良い点] 感想50件目もーらい! (´°v°)/んぴッ 最新話読みました〜 自作とは違う発想で面白かったです(*´꒳`*)ヨキヨキ 感想描きまくるぞ〜 ٩(´・ω・`)و
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