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170話期待と第3試合

「あのフード被ってた奴のこと知ってんのか?レン」


懐かしい声に後ろを振り返るとそこにはフェレンスで共に黒龍と戦ったガレスが立っていた。


「ガレスさん!久しぶりですね」


「おお、レンも元気そうだな」


とお互いに挨拶を交わす。


「俺も数日前に会っただけの人ですからね。良くわからないんですよ」


と答える。


「そうか、俺もこの大会の予選に出てたんだがあのフードの女に負けちまってな……結構自信があったんだが」


と残念そうに言っている。


Aランクである、ガレスを倒すほどの実力があるというのはすごいなと感じた。


「ガレスさんでも勝てなかったんですか……かなりの実力者ですね」



トーナメントでは、強いものだけが近くで固まるということもあり得るためガレスが予選で負けたのは運が無かったのもあるんだろうなと思う。



「かなり強いんじゃが、見たことがない奴でな……この国の奴じゃないのかもな」


髭をいじりながらガレスが呟く。Aランクであるガレスは、それなりに強い冒険者などを知っているためそう予想した。


さすがに魔族ですよとレンも言えないためそのまま押し黙るのだった。



「そういえば、ここって選手以外も入って良いんですか?」


と疑問に思ったことを聞いてみる。


「まぁ、それはなに……ちょっとAランクの力でだな…」


あまり良い方法ではないなと思わずにいられない。




『おおっと!ここでミーズ選手がドーゴル選手の腕を切ったぁ!刺激が強いからあんまり見ない方が良いゾォ!』


とアナウンスが流れる。


レンがその方向を見ると確かに腕が切られて落ちていた。死に至る怪我ではないため外に出されることはないがかなり痛いだろうなと思う。


「ぐうゥゥゥ……舐めやがってぇ」


ドゴールがイライラしながら言っている。


「舐めてなどいないが?まぁ舐めていたとしても負けないがな」


とフィーズが挑発している。




ドゴールという男の動きも悪いわけではないが、相手が悪すぎるようだ。


「エリアス位の強さはありそうだな…」


戦いを見ながらレンが呟く。戦うとしたら厄介かもしれない。



「レン!今どんな感じ?」


ルティア達の所に行っていたエリアスが戻ってくる。


「ああ、圧倒的な感じだな…」


と答える。ドゴールという男ももう持ちそうにない。


「本当だ……ということは、あの人が私の次の相手かな」


とエリアスが言う。


「そうなるんだな。かなり強いぞ?」


かなり白熱した戦いになるだろうなと思う。




『決まったぁぁぁ!勝者はミーズ選手だぁぁ!圧倒的な勝利を見せてくれました』


『かなりの実力ですね。これは面白くなってきました』


実況とハルカが話している。試合が終わったようだ。観客の歓声もとてつもない。


ここで一旦、会場は休憩に入るそうだ。観客は、食べ物なんかを買いに行ったりするらしい。



フィーズは特に興味なさげに戻ってきている。


「なかなかやるのじゃフィーズ!」


と声をかける者がいた。もう1人いたフードの人物だ。


「まさかな……」


喋り方でわかってしまった。


フィーズもしまった!という表情をするがすでに遅い。




「フィーズに、クシフォン……どうしてここに?」


「しまったのじゃ!あまりバレてはいけないのに喋ってしまったのじゃ!」


と今更ながらクシフォンが慌てている。ダメダメだなとレンは思わずにいられない。それに偽名も雑すぎるだろと思わずにいられない。


「なぁ……むぐっ!」


「貴様、これ以上喋るな!」


とフィーズがレンの口を塞ぎに来る。



「レン、この人達と知り合いなの?」


ここでエリアスが会話に乱入する。自分もエリアスが近くにいることを失念していた。話がややこしくなる予感がした。


(なんだ?貴様の仲間か?)


(そうだ……良しわかった。ごまかそう、フィーズ)


(良いだろう、乗った)


レンとフィーズがお互いに目で会話する。



「たまたまフィーズさんの仲間が、ガラの悪い男に絡まれたのを助けたんだ」


「そうなんだ。彼が仲間を助けてくれてな」


とエリアスを誤魔化す。


「なるほど、そんなことが。レンはトラブルによく巻き込まれるね」


なんとかなったようだ。





エリアスを誤魔化すことが成功したが、フィーズやクシフォンが大会に参加していることに驚いていた。


なかなか聞きに行けるタイミングがなく、そのまま次の試合が始まる時間となった。



『さあ、次の試合が始まります。続いての対戦は、レン・オリガミ選手対レミーヤ・サティ選手の試合です!』


とついに自分の名前が呼ばれる。


「自分の番か!」


と言いレンが歩き出す。近くで座っていた、水色の髪の女性が立ち上がったため彼女がレンの相手なんだろうと思う。


「レン!頑張ってね」


とエリアスが応援してくる。


「ああ、勝ってくるさ!」


と言い観客の前に出る。いざ1人で舞台に立ってみると緊張するなと思う。




水色の髪の女性がエリアスを一目見て、歩いて行った。


「どこかで嗅いだ匂い……でも何か誤魔化されてるような…」


とエリアスは呟くのだった。それよりもレンの応援だなと思い舞台を見つめるのだった。



『さあ!この試合はどんな展開が待っているのかぁ!楽しみですね』


『ええ、実は私も彼にかなりの期待を持っているので楽しみにしていたんですよ』


とハルカが言う。会場もおおお!という反応で期待されているかもしれない。


また勝負を挑まれたりしてな…と思いつつレンは対戦相手の女性を見据える。

どこか強者の気配を感じ、一筋縄ではいかないような気がした。


『それでは第3試合開始!』


とコールがなされレンの戦いが始まるのだった。

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[良い点] のじゃロリ(*´ー`*人*´ー`*)スキスキ♪
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