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141話クラン戦と紫紺の絆

本日は2話投稿しています。

140話から読んでください!

レン達のクランハウスを攻めた炎の双剣のメンバーが全滅した。それは、炎の双剣のクランリーダーにとってとても受け入れ難い内容であった。


「何かの間違いだろう!どう言うことだ!50人だぞ!50人も送り込んだのに」


「そのままの意味ですよ。あなた達のクランは、俺達のクランハウスを攻めるのに失敗しただけだ」


レンがスマホを出すと、そこにゴーレムが炎の双剣のメンバーを倒していく姿が映っている。


みんなが息を飲む、それはまさに蹂躙そのものだった。


「殺したのかね?」


「いえ、手加減をつけてありますので、制圧だけで済ませています」


ギルド長の問いかけにレンは答える。スキル、手加減ならば死に至るダメージでも相手を殺すことがない。




「これで、俺達がクラン戦に同意する必要はないな。だけど、俺達もクランハウスを攻められるなんてことをされたんだ。勝負しようじゃないか」


とレンが言い出す。


「は?ここで引き下がっとけば良いものを、人数差を考えろよ」


と炎の双剣のクランリーダーが言う。


「どうするんだ?やるか、やらないか?もし私達に勝てば今回のことを水に流すことも考えるぞ」


とアンナが言う。


「やってやるよ、後悔しやがれ!」


と吐き捨てて、炎の双剣はギルドを出て行った。




「さて、自己紹介しようかね。ワシは、迷宮都市イージスギルド長のファガルフ・マートじゃ。よろしくのう破黒の英雄殿」


と言い手を差し出してくる。


「はい、レン・オリガミと申します。よろしくお願いします」


と言いレンも手を出して握手する。大きな力のある手だなと思った。


「すでに結果は、わかっておるようなものじゃな。ワシはここで失礼しよう。まだ仕事があるのでな。最近物忘れが酷くて困ったものじゃ」


と言い、戻っていく。





その後、話はクラン戦へと移っていった。内容は名前の通り、クラン同士の総力戦だ。事前に、勝利した時に相手に払う代償を決めて戦うことになる。



相手が求めてきたのは、炎の双剣がレン達のクランハウスを襲撃した事実の撤回と傘下に加わることだった。


「ここまで来て、まだ傘下に加われなんて良く言えるものね」


「勝つ気でいるんだから凄いよね」


とルティアとミラが話している。


「色々と対策をしてて正解だったな」


とアンナが言う。


「クラン戦ですが、どう戦うのですか?」


とアイリが言う。


「そうだな……話しをクラン戦に持ち込まないと、あの後炎の双剣がギルドで何かやるかもと思っただけだからな。正直考えてないな」


「戦う時、相手を殺さないように気を付けないとだぞ?」


とアンナがレンに向かって言う。


「また危険物扱い……まぁリーダーの話に従いますよ」


とレンが答える。





レン達が所属するクラン、『紫紺の絆』

このクランのリーダーは、アンナ・フェロルということになっている。レンがなるべきだと言われたが、迷宮都市を離れることもあるから固辞したのだ。


「まぁ、他にも俺達のクランをよく思わない者もいるかもしれないからな。ここで力を見せつけることにしよう」


とレンが言う。


時々、舐めた様子でレン達に絡んでくる者達がいるのだ。そんな者達にも、クランの力を見せつけることにする。


さらにレン達4人が、迷宮都市を離れれば良からぬことをしでかす者も出てくると考えられるので先に手を打つ。


今後のクランのことも考えて、戦うことをアンナと決めていた。







数日が経ち、多くの人々が迷宮都市の外の荒野に集まっていた。クラン戦を見物するためだ。


「私なんかがいて良いのかねぇ…」


「それは私もですよ。メルディさん」


メルディとシャールが会話している。クランのメンバーであるため、参加しなければならなかったのだ。


「本当に今回、私達は何もしなくて良いのですか?」


とセルバンが聞く。


「ああ、のんびりしててくれ」


とレンが答える。



迷宮都市の外の荒野に張られた結界に、レン達は入っている。大体1キロの正方形で張られているらしい。


その中で総力戦となる。全員倒すか、降参させた方が勝ちとなる。




「後悔させてやるぜ」


「破黒の英雄なんて大層な名だが、こっちには100人以上のメンバーがいるし、反対にあっちは10人ほどだ。しかも一般人もいる」


「そりゃ楽勝だぜ」


と炎の双剣のクランメンバーは、盛り上がっていた。





結界の真ん中に、ギルド長のファガルフと『紫紺の絆』クランリーダーのアンナ、そして炎の双剣のクランリーダーが立つ。


「それでは、まもなく始めるとするかな?双方、ここに書かれている内容で間違いはないな?」


とギルド長が確認する。


「ええ、間違いありません」


「ああ、間違いない」


と2人のリーダーが答える。


「そうか、では10分後に開始とする」



「白旗の準備でもしておくんだな」


戻ろうとするアンナに声がかけられる。炎の双剣のリーダーだ。


「それは、こちらのセリフだ」


「はっ、最初で最後のクラン戦になるんだから精々頑張ってくれよ?」


と言って戻っていった。



それを眺めながら、アンナは


「そうだな、これが終われば我々にクラン戦など挑もうとは誰も考えなくなるだろうな」


と呟くのだった。



結界の周囲では、多くの冒険者達が今回の戦いを見守るために集まっていた。100人以上対10人の戦いなどそうそうない。どうなることかと気になっている者も多いのだ。


10分が経ち、ギルドの職員が合図の魔法を打ち上げる。


「ギルド長、この戦いどうなるのでしょうか」


「そんなもの、紫紺の絆の圧勝に決まっておろうな」


とギルド長が答える。


「しかし、圧倒的な人数差ですよ?いくら破黒の英雄がいようと……」


と言う。ギルド職員は、レン達、紫紺の絆の迷宮での働きがとても素晴らしいものだと考えていた。そんな彼らがここで散るのは残念だと思ったのだ。


「破黒の英雄……レン・オリガミという少年、奴の底は私でも見えなかった。実力は、もしかすると救国の英雄クラスと考えても良いかもしれん」


ギルド長が語る。ギルド長もなかなかの実力者である。


「公正なギルドの立場ですが、私は紫紺の絆に勝って欲しいですよ」


とギルド職員が言うのだった。






「時間だ!進めェェェェ!」


炎の双剣のメンバーは、時間になりすぐさま前進する。少人数に作戦などいらず、数で叩き潰すことにしたのだ。




紫紺の絆側でも合図を確認した。


「それじゃあ、いってくるよ!」


と言いレンが歩き出す。


どんなに相手が多かろうが、彼の敵ではない。圧倒的な力を見せつけるならレンが出るのが最も秀でている選択だ。


遥か前方、こちらに向かってくる炎の双剣の方に向かってレンは1人で跳ぶ。


「転移!」



100以上対1の戦いが始まろうとしていた。

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