11話 ステータス強化と戦闘準備
レンが目を覚ました時、自分の身体のあまりの軽さに驚いた。
「これは…昨日までと明らかに違う。なんとなくだけど……ステータス!」
レン・オリガミ(人間)Lv10
HP510/510
MP16/1250
ATK70
DEF65
〈スキル〉
異世界言語
マップ
下級鑑定
経験値増加
下級全魔法
ナビゲーター
身体強化
腕力上昇
脚力上昇
攻防強化
斬撃強化
打撃強化
狙撃強化
命中上昇
使用魔力削減
魔法効果上昇
思考強化
索敵
即死回避
〈ユニークスキル〉
インストール
〈称号〉
転移者
スライムスレイヤー
逃走者
ステータスにはそこまで変化がないが、スキルのおかげか強くなっているように感じた。
「これがスキルの力か……」
全身から力があふれてくるようだ。何でも出来そうな気分になる。
「よし、これなら……さっそく準備を始めよう」
レンは武器や防具を見に行った。
「んー、色々な種類があるな!」
なかなか選ぶことができない。コンビニで何を買おうか迷っているような発言だが、選んでいるのは武具だ。
「防具は動きやすいのが良いな!」
スピードを意識したスタイルでいきたいとレンは考えている。その方が魔法も使いやすい。
「武器はスキル的に色々と使えるはずだ!」
時空魔法のアイテムボックスに弓やさまざまな武器を入れておく。弓はレンの手から一瞬にして消えた。収納されたのだ。レンが弓のみで収納したのは、弓を持った時に感覚的にわかったのだが、この弓は矢を必要としないものらしい。代わりにMPを消費するようだ。
「弓は使ったことないし、スキルがあるといっても練習が必要だよな?」
部活動で弓道部があったがレンは特に興味を持つことがなかった。帰宅部になるならやっておけば良かったか?と少し思う。
『スキルがあると言っても修練は必要です、マスター。そうすることでスキルの熟練度が上がります。お互いに同じスキルでも練習した者とそうでない者には明らかな差が出ます』
とのことだ。
やはり練習は必要そうだ。努力は裏切らないということだろう。
部屋にある武器を確認しながら、レンは一振りの剣を持ち
「やっぱ異世界なら剣が使いたいよな!」
聖剣なんてのがあったりするのかな?とラノベ的展開を期待しておく。
「さすがにゴブリンが待ち伏せしてていきなり襲われるとかはないよな……」
装備を整え、スキルをインストールしたとしても心まですぐに強くなるわけではない。ゴブリンにいきなり遭遇しませんようにと祈りながら1番左の扉を開け外の部屋に入るのだった。
外は暗く夜だった。
「時間もちゃんとあるのか」
とレンは言った。こちらに来てから時間に関してはさっぱりわからなかったが現在の時間が夜であるということはわかる。
「夜は魔物の動きが活発になるのか?」
『はい。夜は日中より活動が活発になります』
ナビゲーターの返事が返ってきた。
「森とかから大量に魔物が飛び出してきたら怖いな」
あんまり森に近づかないようにしようと考えるレンであった。
『スキル〈夜目〉の取得を進言します』
とナビゲーターが提案してくる。確かに夜に目が見えれば戦闘も楽になるだろう。
「取得しといてくれ」
そしてレンは取得したばかりの夜目を発動する。
「よく見えるな。魔物はいつも夜にこんなに見えてるのか……どうりで活発なわけだ」
昼間と大差ない景色が見えていた。
「よし!それじゃあ弓の実験を始めよう。近くには魔物はいないみたいだしな」
アイテムボックスから弓を取り出す。
綺麗な装飾がなされた弓だが名前はわからない。鑑定を使用したが自分のレベルが低いためか表示できなかった。
「これが実は伝説の武器だったりしないよな?」
と言って、まぁそんなことはないだろうとレンは笑うのだった。




