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107話ステータス改造と神様

レン達の前では、35階層のボスである、氷龍2体が倒れていた。


「あっさりと倒しました……」


アイリが前にいるレンに向かって呆然という。今回はレン1人で戦ったのだが、それは圧倒的なものだった。正直レベルが違いすぎる。


「なんか、氷龍がかわいそうだったわね」


とルティアは、氷龍の死体に哀れみの視線を向ける。


「2体いた所でって感じだったな…」


レンは呟く。レベルが60を超えているレンにとっては大した敵ではなかった。


レンのレベルは、60を超えているが大量のスキルや称号なども含めるとさらに上の実力がある。


『ドラゴンスレイヤーもありますから、完全に余裕ですね。私のサポートもいらなかったみたいですし』


ナビゲーターさんの声が頭に響く。彼女はそんなことを言うが彼女の力もレンにとってかなり大きなものだ。本当にナビゲーターをインストールしたのは正解だった。



「ドラゴンスレイヤーの称号があるから余裕だったよ」


「それは、ズルイ!私は、その称号手に入れられなかったのに〜」


ミラが少し怒っている。30階層で戦ったが、称号を得られなかったのだ。やはり活躍なんかも反映されるのか?とレンは疑問に思う。


「そうだね。称号が手に入りにくい人とかもいるからね。原因はわからないけど」


とエリアスが言うがミラは納得しないだろう。


「私の称号は、3つしかないからもっと欲しい〜」


なんだか、駄々をこねてる子供に見えてきた。


「まぁ、私達3人は加護を受けし者があるからね。それだけでも強いはずだよ」


エリアスが良いことを言ってくれた。レンとしてはかなり嬉しい。レンがステータスを改造することで出現する称号、加護を受けし者……彼女達の力になっているのだ。


「なんですか?加護を受けし者って?」


アイリの頭の上には、?マークがたくさん浮かんでいる。


「うーんとね、レンは他人のステータスをいじれるスキルを持ってるのよ。私達が強くなれたのもそのおかげでね」


とルティアが説明を始める。まぁアイリになら話しても大丈夫だろうと納得しておく。


「それはまた、凄いスキルですね。これはレンさんは、最強になれますよ」


ただただ驚いた様子でアイリは答える。


「なんだったらアイリのステータスも改造しようか?もっと強くなりたいんだろう?」


「そんな!そこまでしてくださるのは人が良すぎます」


アイリは遠慮している。


「これからきっと役に立つはずだ。お姉さんのこともどうにか出来るかもしれない」


彼女は、ひたすらソロで戦い続けていた。それだけの努力をできる人には是非とも力をあげたいと思うのだ。



「うん、やっぱりアイリは、強くなるのにふさわしい!」


と言い改造を始めることにする。



周囲に誰もいないことを確認して始めることにする。


「ハッキング!」


『アイリ・ガーラムのステータスに接続します』


アイリ・ガーラム(人間)Lv34

HP1650/1650

MP1420/1420

ATK480

DEF860

〈スキル〉

盾術 防御力上昇

〈称号〉

盾神の加護



「盾神の加護……これは凄いな!すでに神からの加護を持ってるのか」


レンは、最初にアイリの称号に目が行った。確かにこの称号であれば、盾を使うべきだ。


「冒険者になって少し経ってたから、この称号が出てきたんです。お姉ちゃんには、剣神の加護が……あります」


アンナ・フェロルにも加護があることがわかった。クランリーダーであり剣神の加護となると相当な腕前があるのだろう。


「なるほどね…まあ、とりあえずステータスを改造するから待っててくれ!」


とレンは言いながらインストールしていく。



アイリ・ガーラム(人間)Lv34

HP1650/1650

MP1420/1420

ATK480

DEF860

〈スキル〉

盾術 攻防強化 屈強 初級魔法(水)即死回避 状態異常耐性 精神強化 魔法耐性 使用魔力削減 魔法効果上昇

〈称号〉

盾神の加護 加護を受けし者



「なんですか!このスキルの数は……こんなの本に載ってる英雄みたいな…」


アイリは、とても驚いてくれたようだ。


「もしかしたら、英雄になれるかもしれないぞ?だけど、常に努力は怠らないようにね。戦わなければ力は落ちていくから」


「はい!レンさん、ありがとうございます!これからも変わらず頑張ります」


とアイリは、お礼を言った。きっと大丈夫だろう。


「ステータスを改造したらレンから加護を貰えるんだよね?だったらレンは、神様ってこと?」


ミラが思いついたことを口にする。


「あ、確かに!そうだね、レンは凄いからね。神様って言われても疑わないかも」


「神様ってことは王女の私よりも位が高いじゃないの!神罰が降るかしら!!」


エリアスは、神でも疑わないそうだ。ルティアは、自分よりも上ということで慌てているようだ。


「俺のステータスには人間って書いてあるから!てか、ルティア!お前、俺から神罰が降るようなことをしたのか?」


「ぴ〜、ぴ〜ぴ〜」


レンが聞くとルティアは、口笛で誤魔化す。べたすぎる下手な口笛だ。



「まぁまぁ、それくらいレンが凄いってことだから」


エリアスが間に入るので追求はやめることにする。



「もしかして、神様だから名字が折神なのか!」


「俺の最初の名字は佐藤だからやっぱり違うぞ」


両親が亡くなり、母の妹である母さんに引き取られた時に折神となった。亡くなった母の旧姓でもある。


ミラは話を聞いていなかったのだろうか、未だに神様の話をしている。


だが、考えてみるとステータスをいじることが出来るなんて神の所業だよなと思った。



そして気を取り直して36階層を進み始めるのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 氷龍の死体に哀れみの視線を向ける ⬆可哀想な氷龍 哀れみの火視線を向けるって、何か良いですね (*´꒳`*)ヨキヨキ
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