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104話25階層ボスとバレるソロ攻略

レン達は、25階層のボス部屋の近くで昼食を食べようとしていた。


周囲には、他の冒険者達もいてなかなか賑やかな状況だ。


「結構私達って目立ってないかしら?」


とルティアが呟く。


「そうだろうな……ここまで豪華な食事を迷宮で食べてるんだ。目立つに決まってる」


料理を食べながらレンは、ルティアに答える。基本的に周りの冒険者達は、携帯食料なんかを食べているようだ。


「味気が無さそうよね、あれ」


「そうだね。お腹を満たすだけの物だよ」


ミラに対してエリアスが答える。エリアスは食べたことがあるようだ。


「うちのパーティには、チート人間レンがいるから便利ね」


ミラが周りを見ながら呟いている。


「結構レアなスキルなんだから言いふらすなよ。これだけで良くないことを考える奴は沢山出てくるから」


レンは、注意しておく。案外、レンのスキルを巡って戦争が起きるなんてことになってもおかしくないかもしれない。


レンは、ポーチから飲み物を取り出して飲み出す。実際は、ポーチの中で時空魔法を使っているだけでポーチ自体はただの街で買った物だ。このようなフェイクをすることであくまでアイテムだと見せかける。ラノベの知識に感謝だ。




昼間となるとボス部屋の前にも列が出来ており、ボス部屋に入るまで時間がかかるのだ。


「長いわね……私は、待つの得意じゃないわ」


「わかるぞ、その気持ち」


ルティアは、ウズウズした様子で並んでいる。確かに王女であるルティアは、そこまで待つというのは得意じゃなさそうだ。


レンも正直、得意ではない。行列が出来ている店には始めから並ぼうとは思わない性格なのだ。





ようやくレン達の順番がやってきた。途中で横入りしようとする冒険者がいて揉め事が起こりそうだったが、レンが威圧をプレゼントしたため大人しく後ろに並びに行くなどの出来事もあった。




「さぁ、ボス戦だぞ。油断しないようにな!」


4人はそれぞれの武器を構えて戦闘準備をしておく。


すぐさま4人に向かって魔法が放たれる。昨日の夜にレンとアイリが戦ったゴブリンマジシャンの火球だ。


「アクアドール、受け止めなさい」


だがこちらの対応も速い。ルティアは、水人形を生み出すと火球を飲み込ませる。


「ライトニングアロー!」


そこにエリアスが雷魔法を付与した弓矢でゴブリン達を撃ち抜いていく。さらにミラが抜け出して魔法を放つ。


「ファイヤボール!」


「グギャァァァァァァァァ」


だがトレントも負けじと反撃する。ツルの攻撃がミラに当たりそうになる。


「させないぞ」


と言いながらレンは、ツルを切り裂いていく。二刀流剣術を使うまでもない量なので一刀だけだ。


「ありがとうレン!このまま押すよぉぉぉ、ファイヤウォール!」


ミラは、炎の壁を作り出しトレントを囲む。そしてトレントは、そのまま魔法で焼かれて力尽きるのだった。



「よし、勝ったぁぁ!かなり良い感じだったと思うな」


とミラは喜びをあらわにしている。

ミラの成長速度はかなり速いように感じる。彼女のやる気もあるのだろうが賢者の卵も大きいのだろう。


「終わってみると圧勝ね」


「レンもいるから安心して戦えるよ」


まだ25階層では余裕がある。さらに上に行って鍛えたい物だ。





26階層にやってきたレン達は、そこからさらに進み始める。ボス戦でもミラ以外は対して疲労することもなかった。


「疲れたぁぁぁぁぁ」


「はいはい、回復回復」


疲れていたミラは、ルティアの魔法であっさりと動けるようになっていた。ルティアの生命魔法の腕前は、かなり高い。



28階層を進んでいた所、見覚えのある顔に遭遇する。


「あれ?レンさんじゃないでか!昨日はお世話になりました」


昨日、レンと迷宮を登ったアイリ・ガーラムだ。


「え!知り合いなのレン?」


エリアスは、どこで知り合ったのかと驚いた様だ。


「あ!レンさんのパーティの方ですか?初めまして、私はアイリ・ガーラムと申します!レンさんには、昨日の夜に迷宮で攻略をご一緒させてもらいました」


と丁寧にお辞儀して言う。


「あー……」


レンは、小さく呟く。


「夜に迷宮に行ってたってどういうことかな?」


エリアスの怖い顔が隣に迫っていたのである。



「あはは……エリアスさん、顔が怖いですよ…」


とレンはか細く呟くのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「夜に迷宮に行ってたってどういうことかな?」 やましく無いのにやましさ満載の雰囲気が滲み出てて草生える
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