第7章
その後、松平は平野と美月の奪い合いをするということもなく、極自然な形で美月と仲良くなっていった。彼女が小二になり、松平と僕が小四に上がった頃には、ふたりはほとんどつきあっていたと言ってもいい。
松平は僕に会いにきたりゲームをしにきたりするのが半分、そして美月と会ってふたりきりで食事をしたり遊んだりするのが半分といったような感じだった。
この小さなカップルの誕生を父さんと母さんは微笑ましい気持ちで見守っていたようだし、僕はといえば、専属カメラマンの任を解かれてよかったと思っていた。
「そうそう。美月ちゃん、その調子」――カシャッ。
「こっちに目線を向けて……うん、いい感じ」――カシャッ。
「今度はこっちのジャケットを着て撮影してみよう」
ピンク色のカーテンの向こうでは、なんともいえないバカップルがしょっちゅう盛り上がっている。
そして松平は小四の時の同好会選択で――部活動とは別の、週に一度二時間ある必須科目――写真同好会を選んでいた。彼が撮影する被写体は大抵美月で、一度など、その発表した写真が掲示板から盗まれたことまであったほどだ。
松平はもともと、野球にサッカー、テニスにバスケと、スポーツ部に入ってないのが不思議なくらいの体育万能少年だったけど、「これ!」というような情熱をどのスポーツにもそれほど持っていなかったらしい。
ところが、美月のバカバカしいファッションショーにつきあっているうちにカメラ少年となり、自分の将来の夢はプロのカメラマンになることだと言うようになった。そしてモデル「MIZUKI」の写真集をいつか出版するのだと――僕は時々、妹の悪い菌が松平に移ったのではないかと、彼に申し訳ないような気持ちになることさえあった。まあ本人は至って妹の下僕であることに満足を覚えているようなので、とにかく彼の目が一刻も早く覚めてくれることを僕としては願うばかりだった。
何故って松平は妹の彼氏なんかにしておくにはもったいないくらい、僕にとっていい友達だったからだ。
平野は相変わらずの野球少年で、彼は美月と松平がくっついても、べつにどうということもなく毎日遅くまで野球の練習に打ちこんでいたようだ。
今はおにゃん子クラブの渡辺まりなのファンで、漫画の世界では『タッチ』の浅倉南が理想らしい。そして相変わらずクラスの女子たちを「クソ」呼ばわりする彼の姿勢に変化はない。
井家くんは、小三の二学期以降、僕や平野や松平と行動をともにしていて――体育会系ふたり組の勢力に逆らえる人間は、クラスの中にほとんどいなかったといっていい。
結果として、井家くんフケツコールは自然と少なくなっていき、実際のところ、彼は徐々にそれほど不潔ではなくなっていった。やがて鼻をほじるくせも直り(僕にもよくわからないけど、彼が言うにはそれは僕のおかげだったらしい)、あとはせいぜいちょっと髪の毛がフケっぽいのと、首のまわりが多少汚いという以外、彼に特別落ち度はないように、僕の目には映っていた。
もちろん、女子の目にそう映っていなかったことは間違いなく確かで、いくら宇佐美くんが「やめろよ!井家くんが可哀想じゃないか」とかばう機会がほとんどなくなったとはいえ――女子が彼と机をぴったりくっつけることはなかった。
それでもあることをきっかけとして、机をくっつける・くっつけない以前の問題として、小三の十月半ば以降、彼をクラスのガン細胞扱いする女子の動きは大幅に減った。
それは井家くんが図工の時間に怪我をしたことと、関係がある。井家くんは彫刻刀で版画を削っている最中に、左手の人差し指をすっぱり切ってしまったのだ。
隣の女子の水野が「キャー!」と金切り声を上げると、クラス中の注目が井家くんに集中した。みんな最初はまたウジ虫でも耳からでたかと思ったが、井家くんの机の上がみるみる赤く染まり、やがて床に血がしたたり落ちるのを見て大騒ぎになった。
戸塚先生はすぐに井家くんを保健室へと連れていき、血の後始末は僕が雑巾でした。
井家くんは保健室では処置が間に合わず、すぐに病院へいくことになり、彼はその日、そのまま教室には戻らなかった。
日赤病院のほうで何針か縫ったということだった。そして左手に包帯を巻いている彼に、女子たちはあまり何も言わないようになった。机を離したり、何かの拍子に井家くんのことを引き合いにだして、馬鹿にしたりするのは相変わらずだったけれど。
とても不思議なことに、僕は井家くんが彫刻刀で指を切った時のことを、今でもはっきり覚えているくらいだった。
彼はいったい何が起きたかさっぱりわからないというような表情をしており、まるで他人の指のように自分のそれを眺めるばかりだった。
先生が大慌てで井家くんを連れていく時も、彼はまったく無表情なままで――その時心に受けた印象のことを、その後何年たっても僕は忘れることができなかった。
そして大人になった今は、長い間説明することのできなかったその時の心象を、ほんの少しだけ言葉として訳すことができる。それはつまり、こういうことだった――井家くんはいつも、女子たちに何を言われようと、何も感じていないように無表情だった。それどころかうっすらと微笑みを浮かべていることさえあり、ますます女子たちに不気味がられていた。でも彼はまったく何も感じていなかったというわけではなく、誰にも気づかれないところで静かに血を流していたのだ。目に見えない精神的な血、心の血を。そして血を流すことに慣れていた彼の心は、指から血が流れても特別驚くことはなかったのではないだろうか……考えすぎかもしれないけど、僕はそんな気がしている。
小学三年の一学期にはどうなるだろうと思われた僕の学校生活も、夏休みには仲のいい三人の友達もでき、それ以降特にこれといって大きな問題もなく過ぎていった。
僕に友達をつくる小さなきっかけをくれたクーパーも、とても元気だ。
家の近所にある動物病院の先生の話によると、クーパーはたぶん今人間の年齢に換算すると、六十歳くらいではないかということだった。もうほとんど老犬といって差しつかえない歳ではあるけれど、歯も丈夫だし、体のどこかに異常があるというわけでもないということだった。
隣の鳥の巣頭の親父を初めとして、近所の人も少しずつクーパーのことを可愛がってくれるようになったし、特に僕のクラスメイトの間でクーパーは大人気だった。
最初は怖い顔つきとでかい体にびびりはするものの、一度その手を頭の上にのせてさえしまえば、虎の威を借る狐のような気持ちになれるからだ。つまり「俺、こんなにデカい犬に触れるんだぜ」とちょっとだけいい気分になれるというか。加えてクーパーはとても愛敬があったし、子供たちがベタベタとしつこく体を撫でまわしても、少しも嫌がるようなそぶりを見せなかった。
そして何故クーパーがみんなの人気者になったのかについては、ひとつの経緯がある。僕はこの頃からすでに漫画を描きはじめていて、四コマ漫画にクーパーを登場させたからだ。
たとえばそれはこんな内容のものだった。
(1)僕がクーパーを連れて散歩にいくと、向こうからおじいさんとシベリアンハスキーのムサシがやってくる。
(2)通りすがりざま、睨みあう二匹。
(3)クーパーとシベリアンハスキーのムサシの間に火花が散る。
(4)そして立ち去り際、二匹の犬が考えていたのは、
(フッ。俺のほうがいい男だぜ)
ということだった……。
今も昔も動物ものは子供たちに実に受けがよく、男子も女子も一日に一度は必ず、
「カイくん。漫画の続き描いた?」
と聞いてきたものだった。そして僕はといえばみんなの期待が嬉しくて、毎日ない知恵をしぼって一生懸命ネタ考えた。今にして思えば、僕はこのころ感じた快感を忘れることができなくて、その後もずっと漫画を描き続けていたのかもしれない、とさえ思う。 そしてクーパーが我が家にやってきて一年ほどが過ぎ、彼がいないことなど家族の誰にとっても考えられなくなった頃――その事件は起こった。
事件の発端は、美月の親友のミカちゃんの家で飼っている犬を、うちで預かることになったことだった。ミカちゃんたち家族はこの夏、二週間ほど沖縄へ旅行にいくのだそうだ。できればシーズー犬のマイコちゃんも連れていきたいのだが、何分沖縄は釧路と違って暑い。彼女があまりの暑さに病気になっては大変だから預かってほしい、ミカちゃんちのお母さんはそう言っていた。
当時はまだ今のようにペットホテルというものが巷に普及しておらず、どこかへでかけるとしたら友人か親戚の家などに預けるのが一般的だった。
でもまさか、マイコのことを二週間預かったことが、クーパーを失うことに繋がるだなんて――この時は誰も、まったく予想だにしていなかった。
「おーい。マイコマイコ、コマイコマイコ、こっちへおいで」
マイコは、家のどこにいようとも、名前を呼ばれるとすぐにしっぽを振ってやってきた。色は茶と黒と白の三色で、実に絶妙な配色具合というか、マイコは世界で一番可愛いシーズー犬なんじゃないかというくらい、愛らしかった。美月など、クーパーが死んだら今度は絶対に小型の可愛い犬を飼うのだと、この時しょっちゅう言ってばかりいたっけ。
ちなみにクーパーとマイコはふたりともとても仲がよく、お昼寝の時はいつもベランダで二匹一緒だった。
松平は毎日のようにうちへ遊びにきては、美月の他にマイコとクーパーの写真を撮りまくり、その写真は実に絶妙なツーショットであることが多かった。
たしなみのあるレディとはとても思えない格好でマイコが寝っ転がっている写真や――ピンク色のお腹を丸だしにしていたり、白目をむいて海老ぞりになっていたり――あるいはその横でクーパーがまるで母親のように寝そべっている写真など、また二匹がベランダの窓を隔てて、引き裂かれた恋人同士のように映っているという写真もあった。
だからクーパーがマイコに危害を加えるなど絶対にありえない話だったし、散歩へ連れていくのも、いつも二匹一緒だった。 散歩のコースは毎日ほぼ同じで、松平の家のそばのセキレイ公園までいき、公園で遊んで帰ってくるというものだった。 事件の起きたその日も、僕と美月はクーパーとマイコを一緒に散歩へ連れていき、二匹のアンバランスなコンビを微笑ましい気持ちで見守っていた。
クーパーは当然、歩幅も大きく堂々とした歩きっぷりなのだけれど、その歩みに追いつこうとするマイコの姿がなんともいえず可愛らしい。あの犬独特のトコトコ感というかテケテケ感というか、またしっぽのふりふり感に至るまで、マイコは何もかもすべてが愛らしかった。
そして彼女がまるで「お慕い申しております」というかのように追いかけている犬は、可愛い彼女にまるきり似合わない狂暴そうな犬で――通りすがりの人々も、時々物珍しげな目で振り返っていったものだった。
セキレイ公園に辿り着くと、僕はクーパーを小高い山に上らせたり、美月はマイコを抱いて、友達に触らせてあげたりした。夕暮れ前の涼しい公園には、砂場で遊ぶ子供がいたり、ブランコや滑り台で遊ぶ子供がいたり、ベンチで話しこむ奥さん方がいたり、僕たちみたいに散歩にきている人なども結構いた。
今の時代は少子化といわれて久しいけれど、僕が子供だった頃は、隣近所に同じ学校に通っている子が結構たくさんいたものだった。ただそれぞれ学年やクラスがてんでバラバラということもあり、顔や名前は知っていても必ずしも一緒に遊ぶとは限らない、といったような感じだったろうか。
その日、僕はクーパーを思いきり走りまわらせ、糞袋にホカホカのうんちを収めたあと、公園のすぐ向かいにある、松平の家へいった。特にこれといって何か用事があったというわけではない。ただ美月が友達の何人かと鉄棒のそばでぺちゃくちゃ喋りこんでいたため、長くなりそうな予感がしたのだ。そこで僕は公園を囲っている白い柵のところにクーパーのリードを結びつけ、松平の家のピンポンを押した。
彼はふたり兄弟で、上にお兄さんがいるのだけれど、このお兄さんの晶さんは物凄いプラモ狂なのだ。ガンダム、ガンキャノン、ザクにゲルググ、それにララアの乗っていたエルメスなど、部屋にはそのコレクションが整然と並べられている。それにキン肉マンの消しゴム――略してキンケシ――もたくさん持っていたし、ウルトラマンやウルトラマンにでてくる怪獣の人形コレクションも凄かった。棲星怪獣ジャミラや、三面怪獣ダダ、みんなが知ってるバルタン星人や友好珍獣ピグモンなど、ここにはとても書き尽くせないほどだ。その上漫画のコレクションも物凄いしで、僕たちの間ではほとんど無条件に尊敬されていたお兄さんだった。
「僕も、あんな小生意気な妹じゃなく、松平んちみたいなお兄さんが欲しかったな」
その科白を僕は、たぶん小三と小四の二年ほどの間に、百回は口にしていたと思う。そしてそのお兄さんがたった今、シャア少佐の乗っていたジオン軍のモビルスーツ、ジオングのプラモデル(1/144スケール)を制作中だということで、僕は息を弾ませながら松平家の二階へと上っていった。
窓を大きく開け放ったシンナーくさい部屋では、晶さんがパーツを組み合わせているところで――僕は手伝ってもいいと言ってくれたお兄さんの御好意に甘えて、ジオングの足の部分を松平と一緒にセメダインでくっつけていった。
「つばさよりも、みずほくんのほうがプラモの才能あるからなあ。つばさは性格が雑だけど、みずほくんは繊細だから」
僕は晶さんにそんなふうにほめられるたびに、嬉しくて嬉しくて仕方なかった。そして僕がプラモ作りに熱中し、すっかりクーパーのことも美月のこともマイコのことも忘れきっていると――窓の外でキャイン、と犬の鳴き声がした。
シンナーの酔いから覚めたようにハッとした僕は、急いで窓際へと走った。松平もお兄さんも、一体何が起きたのかというように、公園のほうを眺めやる。
セキレイ公園では、クーパーが――力づくでリードを柵から振りほどいたらしい――ひとりの男の子を追いかけているところだった。彼が小高い山の上へ逃げようと、また急いでそこから降りようと、とにかくクーパーは彼の後ろから離れなかった。そしてとうとう―― まわりにいる子供も大人も手だしできないような状況の中、クーパーはガブリとその子の足に容赦なく噛みついた。
こうしてはいられないと思った僕は、すぐに松平家の狭くて急な階段を駆けおり、公園に向かった。
「クーパー!」
クーパーが噛みついたのは、ひまわりマンションに住む三浦くんだった。ガルルルル、と喉を鳴らして威嚇するクーパーは、飼い主の僕にさえ噛みつきかねないような、狂暴な血走った眼をしていて ――僕は草むらに屈みこむと、震える手で青いリードの端をつかんだ。
「クーパー、こっちへくるんだ!」
クーパーはちらと僕のほうを振り返ったけど、それでも喉を鳴らすことをやめず、ミウラ君に飛びかかっていかんばかりに身を低く屈めていた。
もちろんミウラ君も、腰の抜けた姿勢のまま、少しずつ後ずさってはいたけど、もし僕がリードを離したら、三秒もしないうちに襲われていたに違いない。
「ミウラ君、大丈夫か?」
晶さんが手を貸して立ち上がらせても、彼は何も言わなかった。ただ泣きそうに赤く濁った目で、
「絶対、母さんに言いつけてやる」
そう一言いい残して、ひょこひょこびっこを引きながら、公園を出ていった。
ミウラ君がいなくなると、クーパーも次第に大人しくなっていったけど、その時公園中の人間から向けられた非難の眼差しを、僕は今も忘れることができない。
クーパーはこうして一年かかって積み上げた近所の信頼を一気に失い、一体いつ何をするかわからない狂暴な犬という、二度と消えない烙印を押されることになった。
だが僕は今も、クーパーは正しいことをしたのだと思っている。もしあの場所に悪いことをしたものがいたとしたら、それは僕やミウラくんのほうだっただろう。僕はきちんとクーパーを監視していなかったし、ミウラくんはミウラくんで、美月からマイコをとり上げた揚句、すべり台から落とそうとしたのだから――クーパーが見ていられなくなったのはまったく無理からぬ話だったのだ。
もちろんミウラくんも、本気ですべり台の上からマイコを落とそうとは、考えていなかっただろう。ただ「ほら見てみろ」とすべり台のてっぺんからマイコを落とそうとするふりをしただけだったのだと思う。そしてそうすることによって、自分と同年代の女の子の気を引きたかっただけなのだ。
だがクーパーは、すべり台を無理矢理すべらされたマイコの恐怖に引きつった顔を見て、ミウラくんを許そうとはしなかった。そしてマイコのあとからすべり台を下りてきた彼のことを、執念深く追いかけまわして噛みついたのだ。
当然のことながらミウラくんのお母さんは、ミウラくんが土佐犬に噛みつかれたというその一事のみを問題とし、狂暴犬に対する苦情及び慰謝料の請求のために、甲斐家へ乗りこんできた。
「犬ってのは、しょせん畜生なんですよ。どんなに懐いているように見えたとしても、その本性はケモノなんです。可哀想にうちのターくんはふくらはぎにがっぷり噛みつかれて、血を流してうちに帰ってきたんですよ。もちろんすぐに病院へ連れていきました。そしたらきちんとワクチンを打っているかどうか飼い主に聞いたほうがいいって言われましてね。狂犬病なんかに感染した場合は、死ぬことだってあるんだそうですよ」
母さんはとにかくミウラくんのお母さんに平あやまりにあやまり、彼自身の行いも悪かったことなど微塵も口には出さなかった。そして実際の診察料の代金よりも多い金額を包んだ封筒をミウラくんのお母さんに渡し、とにかく腰を低くして居丈高な相手のことを見送った。
階段の上のほうに並んでその話を聞いていた僕と美月は、なんともいえない重苦しい空気に包まれていた。ミウラくんのお母さんは、うちのお母さんが一年前に保健所の人を呼んだことも知っていて―― あの時あの犬を処分してもらっていたら、こんなことにはならなかったのに、と特に強調していた。
「これから、どうなると思う?」
しょんぼりとした様子で、美月が呟く。先ほど泣いた目が、うさぎのようにまだ赤い。
「僕にもわかんないけど……たぶんもう、あの公園へはクーパーを連れていけないと思う。それと散歩は父さんにいってもらうしかないかもしれないな。僕や美月みたいな子供が、あんなでっかい犬を散歩させてることからして監督不ゆき届きだって、ミウラくんのお母さん、言ってたもんな。このままいったらもしかしたらクーパーは、飼い殺しっていうことになるのかもしれない」
「カイゴロシって?」
美月は大きな瞳をぱちくりさせて、隣の僕を見上げている。
「つまりさ、好きな時間に散歩へも連れていってもらえず、一生鎖につながれたまま、欲求不満の状態で終わるってこと」
「えーっ。そんなのクーパーに死ねって言ってるようなもんじゃない」
「だから言っただろ。それが飼い殺しっていう意味なんだよ」