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プロローグ
その日も変わらぬ日常がくると誰もが思うだろう。
けれど、日常というのは奇跡の積み重ねで出来ているようなものなのだ。
大半の人々はその事に、なにか大切なものを失ってから気付く。
世界は滅びた。
人類はどうなったのか、生き残りは他にいるのか、この先どうなるのかもわからない。
けど、1つだけ。
俺は一緒に育ったマヒルと生き抜く。
ー西暦2020ー
地球に飛来した巨大な大木のような物体は瞬く間に地に根をはり、内部から無数に現れた生物は人々を補食し始めた。
各国の軍隊は戦力の出し惜しみをする余裕もなく出撃したが大木に近づくことはおろか、現れた生物一匹にも歯が立たなかった。
某大国は土地を犠牲にして核を発射したが、それですら効果的なダメージを与えられず無駄に人類の被害を増やした。
つまり、なすすべなく蹂躙された。
文明が滅ぶのに時間はかからなかった。
これからの話は地球が侵略されてから12年後、生きのびた人々の最後の記録だ。