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今私は、学校の教室ほどの広さがある部屋にいる。

あのあとすぐ、この部屋に連れて来られた。

隣には、私と同じくこの世界に召喚された女の子。

髪色が水色である事から、地球の人ではないと思う。

どうやらここの人達は、あらゆる世界から女性を召喚したみたいだ。

まあ、天涯孤独で、かつ恋人のいない若い女性、というのが条件としてあって、しかもできるだけ大勢の女性を集めたいとするなら、地球だけから召喚するよりはあらゆる世界からのほうが人数が増える可能性は上がるだろうし、当然なのかもしれない。

そういえば、さっき上がってた歓声の中には、『25人! 今回は25人もの女性の召喚に成功致しましたぞ! やりましたぞ皆様!』という声があったような気がする。


「お二人とも、前方の床に、四角い紋様が描かれているものがあります。そこへ乗って戴きたい」


前方からの声に思考を止め、視線を向ける。

少し高くなった場所に、二段に分かれ椅子が置かれていて、そこにさっきの男性達が座っている。

私は一瞬隣の女の子と顔を見合わせてから、二人揃っておずおずと進み、二つある四角い紋様の床にそれぞれ乗った。

するとそこから白い光が延びてきて、私達の体をすっぽり包む。

次いで、頭の位置に何やらアルファベットに似たようなものが浮かび出した。

何だろう、こ……れ……って、え?

よ、読める……?

私はその不思議なものをじっと見たあと、それを解読できる事に気づき、視線を走らせた。


シズル・ホウジョウ 15歳

体力  並

魔力  並

頭脳  並

運動  やや劣

運気  並

芸術性 やや劣

音楽性 並

技術力 劣

社交性 並

信仰心 劣


って……な、何これ、もしかして私のステータス?

ほとんど並で、やや劣と劣が二つずつ?

運動や芸術……は、うん、苦手。

技術力……なんてあるわけないし、し、信仰心って……宗教には興味ないよ、悪かったわね!

……それにしても、ひとつも優とか上とかがないって……まあ、自分が平凡だっていう自覚はあるけどね?

そんな事を考えながら、自分のステータスらしいそれをじっと見つめていると、ふいに前方の男性達がざわめいた。


「なんと、特上の魔力とは……! 是非我が国の王族か、上位貴族の伴侶に!」

「お待ちください! 音楽性にも優れています、我が国の王候貴族も候補に入れて戴きたい!」


へっ、特上の魔力に、音楽性??

私は興奮した様子の男性達の声に首を傾げ、その視線を追って隣を見る。

隣の女の子のステータスには……うん、特上と、優の文字が輝いているね……。


「お二方とも、どうか落ち着いて下され。どちらの国も候補に入れて戴き、その中の男性達から選んで戴けば良いではありませんか」

「その通りですな。さて、水色の髪のお嬢さん。貴女は左の扉へ。そして黒色の髪のお嬢さん、貴女は右の扉へお入りになり、そちらで暫しお待ち下さい」


興奮した二人を別の二人が宥め、私と隣の女の子は別々の部屋で待つように言われた。

私は言われた通りに右の扉を開け、部屋へ入る。

その中には、髪や瞳の色こそ違えど、私と同じような平凡な顔立ちや体型の女性達がいた。

……確か、私よりも先にさっきの部屋に入った人達の中には、美人や可愛らしい女の子、それに抜群のスタイルの女性がいた筈だ。

なのにここにいない、という事は、左の扉の部屋に入ったんだろうか?

……と、なると……さっきの、興奮してた男性達の言葉から推察するに、左の部屋には優れた容姿や才能を持つ人達が入り、各国の王族や貴族を結婚相手候補にして貰って、右の部屋には可もなく不可もない私のような人達が入り、所謂一般庶民の人達を結婚相手候補にして貰う……といったところなのかな?

王族や貴族が結婚相手かぁ……さぞいい生活が送れるんだろうなぁ。

美人や才能ある人は得だよねぇ、羨ましい……。

あっ、でも、よくある物語とかによると、そういうところに嫁ぐと、社交とか、礼法とか、その他諸々の色々と面倒な事がついてくるんだったっけ。

う~ん、それは嫌だなぁ。

そう考えると、あんまり羨ましくはないかも?

いや、でも、高級品に囲まれた生活はやっぱり羨まし……いや、面倒な事はやっぱり……うぅ~ん、なんか、こんがらがってきた……。

……ま、まあ、いいや!

もう私は右の部屋に入ったんだから、王族や貴族とはもう多分関われないんだし!

一般庶民でも、結婚相手としていい人はきっといるよね、うん!

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