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登場人物紹介にて、湊とアルピリのキャラデザを公開しております!是非ご覧ください!

「陛下に於かれましては、心身諸共にお疲れの中突然の来訪にも関わらず――……」


 謁見の間。とある昔の惨劇の場。


 王位に座するは深蒼の男、かしずくは真白ましろの男。

 見下ろす紅の瞳、垂れた髪から覗く橙の瞳。

 

「止めよ」


 王を冠する男――シリウスが声をあげた。その静止の合図に素直に従った諸侯――スワードは声を止めて口を閉じた。

 王は薄い膜のようなカーテンを自らの手で開くとスワードを見下ろした。


「形式的な挨拶などいらん。奥へ来い」

「…御意」


 王は先に謁見の間を出るとスワードの元に侍女達がやってきた。その合図に立ち上がったスワードは真っ直ぐと――玉座を見据えた。


**


豪奢な一室に二人は重い静寂をもたらしていた。人払いを済ませた部屋に、つかず離れずの距離をとっている。


 重い静寂を破ったのは――


「たかがお前ごときの為に長い時間は割いてやらん。何の用だ」


 シリウスであった。

 その返答の代わりに溜息を落としたスワードに、シリウスは眉を顰めた。


「はあ…何の用?それは僕の台詞ですよねえ、皇帝陛下?」


 スワードは続ける。


「僕の娘に、一体全体何の用ですか?正直に言って不愉快なんですよ…御身の魔力が底を付きそうだから?僕の娘を媒体に?したい?……はァああ?」


 シリウスは少しの間を置いて、笑う。


「……く、あはははは!僕の、娘……!?笑止も出来ない、あははははは!」


 次に眉を顰めたのはスワードであった。


「笑わせるな諸侯の分際でッ!!紙契約の主従関係ならいざ知らず――俺とお前の関係は覆ることは無い、忘れるな」

「……良いでしょう、いや、よくはないですが、まあ」

「で、?」


 シリウスは僅かに笑んで再び尋ねた。


「僕の所有する愚者ナールを如何様にお望みですか?」

「……成程」


 シリウスは水の様な液体に何かの粉を入れると、それを飲んだ。


「それを聞いてどうする」

「…僕の望みを聞き入れて下さるのでしたら、あの魔力からだ…陛下に献上したく存じます」

「ほう……」


 シリウスは目を細めた。スワードは椅子を立ち、改めて膝を付く。


「良いだろう、スワード…アンタの望みとは?」

「――前皇帝陛下、エリーシア様のご遺体の居場所でございます」

「……」


 シリウスは再び杯を傾ける。


「誠に勝手ながら、アスティンの権限を行使しエリーシア様のご遺体が現存していることを確認しております。……陛下」

「知ってどうする?」

「――我らが悲願の達成を」

「悲願……」

「ええ」


「エリーシア様復活を、成し遂げたく」

「……成程、我らが悲願、ね……。だがどうやって?エリーシアは身体を棄て下界へ降りた。あの身体は本物の魂以外では動かん。……アンタの人形、どれもエリーシアには成り得なかったようだが」

「バレンのことですか」

「名前何ぞ知らん」

「アレらは唯の気の迷い。お忘れください」


 スワードは息を吸いなおした。


「確かに陛下の仰る通りに、エリーシア様のご遺体はエリーシア様自身の魂しか受け入れないでしょう。…ですが、陛下。僕にはそれを成し遂げる策が御座います」

「と、いうと?」

「…それは未だお話することではございませんね」

「何?」


 スワードは顔を上げた。紅の瞳を射抜く。


「…俺がその話を受け入れるならば、俺は己が眠りを僅かに引き延ばし且恋人を目覚めさせることが出来る――というワケか。うますぎる、うますぎる話だな……なあスワード?」

「裏などありませんよ」

「アンタは俺が再びエリーシアを殺める心配はしないのか?その際に、アンタたちが言っていた様に再びエリーシアが下界へ逃げる可能性も」

「――は」


「あははは」


 まるで壊れた笑い方。


「あはははは――させるとお思いで?」

「…気に入った――良いだろう、その話飲んでやる」


 スワードは瞳を伏せると深く頭を下げた。立ち上がったシリウスはその顔に笑みを深くする。


「ただし、もう一つ条件を追加する。構わないな」

「御心の儘に」

「俺の配下に降れ」


 顔を上げたスワードの瞳に、紅が映る。思わず笑みを零したスワードのその顔は僅かな狂気を孕んでいた。


「ええ――名に懸けて」

女王エリーシアの剣と謳われた俺と、盾と謳われたお前。嗚呼――文句など誰が言おうか」

「光栄でございます」


 シリウスは己の剣でスワードの肩を叩いた。それを合図に立ち上がったスワードは、再び恭しく頭を垂れた。


「…エリーシアの場所へはアンタ一人では行けないから、俺が先導する」

「御意――あ」

「…なんだ」

「もう行きますか?」

「…だから何だ」


 スワードは頭を掻くと、いつも通りの笑みで言い放った。


「――人形を、片づけないと」



 遊んだあとは、お片付け…基本でしょう?あはは。


「あ、それと陛下」

「……何だ…」

「騎士ヨハネをお貸しください」

「何故だ」

「決まっているでしょう。姫に付くのはいつの時代も騎士なのですよ、陛下」


軽率に新キャラを出して読者を混乱させるのはやめろ!わたし!!!ごめんなさい!!!!!

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