愚酒の解説
短編投稿の時のままです。
ごきげんよう、私はヘカテー
想造主によって造られた、世界の傍観者
愚酒についての意味でなら、私は語りましょう
愚酒とは即ち、精神的な酒の負の側面のことです
アルコールの入った物質的な液体ではありません
年齢に制限などもありません
世に産まれ
ある程度の善悪の判断を
学び持ち合わせた時から
始まるのです
それはまだ
愚酒とは呼ばれません
白と黒
どちらにも染まる前の
透明な水のようなものなのです
お分かりいただけますか?
白は善行を
黒は悪行を
それぞれ意味するのです
自覚があろうが
無自覚であろうが
それは主観では分かりません
客観性を持っていなければ
分からないのです
お分かりいただけますか?
それでは
なぜ黒に染まれば
愚酒となるか語りましょう
黒に染まる原因は
貴方たちの行動や言動に
ある種の道理などから視て
悪しき傾向であることが
本当の意味で
愚酒の始まりとなるのです
さらには
無自覚を組み込んだ
度を超えた黒は
七つある大罪の一つである
傲慢の罪を負いかねないのです
即ち、愚酒の酩酊になるのです
お分かりいただけますか?
愚酒の酩酊こそ
想造主が嫌悪すべきものなのです
なぜなら
愚酒の酩酊によって
想造主は苦難の鎖に囚われ
無思慮の刃で斬られていたからなのです
自身を深く傷つけたものを
嫌いになることはありますが
好きになることはありません
それと同じなのです
お分かりいただけますか?
貴方たちの主観が否定しても
客観から視た事実が
否定を否定するのです
それからは誰も逃れられません
<死>(タナトス)と同じように――
end