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禁じられた破壊魔法使いの私は、呪われた辺境公爵へ嫁がされましたが、私には何が呪いなのかよくわかりません。  作者: 秋名はる
第2章:妹編

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南部の魔物討伐

後日、早速私達は魔物が出没したという南部の村へとやってきた。

そこは、エドワードが治める領地から近いこともあり、エドワードとエルミールも様子を見に同行している。


そこはのどかな田園地帯であったが、村の中心部へ行くと、国中の各地から招集された選りすぐりのハンターたちが集結しており、物々しい雰囲気に包まれている。


「村の警備隊から、この地域に出没した魔物の概要を説明する。」


広場に敷かれた警備本部から隊長らしき人物が出てきて、ハンターたちにこれから討伐を目指す魔物の概要を説明した。

私達も、ハンターたちに混じって警備隊からの説明を聞くことにした。


「この村に出没した魔物は、大型の黒ドラゴンである。体調は20Mほど。元々は異国に生息していたようだが、海を渡ってこの地に降り立ったらしい。凶暴な性格で、火炎放射の能力はないが、鋭い爪や牙と、高い飛行能力を持っている。


ドラゴンは、今は裏手の山の中に身を潜めているが、いつこの村に襲撃に来てもおかしくはない。警戒を怠らず、出没したら直ちに討伐に迎えるよう準備しておいてもらいたい。」


説明を受けたハンター達は、各々討伐の準備に取り掛かっていた。


(ドラゴン__。)


魔物の中でも最上位種の生物だ。

国内に生息するドラゴンは、確かにこれまでのハンターたちの活躍によりその殆どが狩り尽くされたが、異国からこうして飛来してくることが稀にあった。


「ドラゴンか、なかなか手ごわいな。」


ユリウスも腕を組んで真剣そうな顔をしている。


「ドラゴンなんて、人間に相手できる代物ではありませんわ。

やはりおやめになったほうが_。」


エルミールはそう言って心配そうにユリウスの方を見上げる。フェンネルが魔物討伐に行くと聞いたところまでは良かったが、まさかユリウス様まで同行するのは誤算だった。


ユリウスはそんなエルミールを心配させまいと頷く。


「ドラゴンは凶悪な魔物だが、対処方法がないわけではない。

 彼らは背中に強靭な鱗を持っているが、反対のお腹側は弱点なんだ。だから、戦闘では主にドラゴンが空中から飛来してきた時を狙って、お腹側から心臓を狙う。古くから伝わる討伐方法だ。」


隣で聞いていた私も頷いた。もっとも、私にとってこの方法は必ずしも必要ない。

なぜなら私には、洞窟で魔物を倒したときに用いた秘策があった。


まずは他のハンターと同様に襲撃に備えて準備を進める。そう思って鎧や武器などを揃えに向かったとき、唐突に”それ”は訪れた_。


「ギャオッ!」


遠くから地響きとともに、何かがこちらへ向かって飛来してきた。

慌てて武器を調達していた店を出て空を見上げると、巨大な黒い塊が空からこちらへ向かってきたのが見えた。


「あ、ああれが、ドラゴンですの!? なんて巨大な・・・。」


エルミールは恐怖に顔を歪め、震え上がっている。


「ここは危ない、一旦避難して体制を立て直そう。」


エドワードがそう呼びかけたように、突然のドラゴンの来訪で、広場は一瞬で大混乱に陥っていた。ここでは人や建物が多すぎて、ハンターたちも攻撃や魔法を放つことができない。まずは距離を取り、安全な場所から対峙する必要があった。



「どこか、このあたりに高い塔のようなものがありませんか?」


私はエドワードに聞いた。


魔物を倒すにあたり、私は前回のように相手の”核”これを見定めて一気に対象物を破壊することを狙っていた。それには魔物の全貌を見渡せる広い場所が必要だ。また、ドラゴンからできるだけ距離を保ち、自分たちに攻撃が当たらないようにする必要もある。


「近くの農村に、私が運営している果樹園がある。そこには、収穫物をためておくための塔がたっている。見晴らしもいいし、他に障害物もない。一旦そこへ言ってみよう。」


この地域を治めるエドワードは提案した。一行は、果樹園がある塔へとやってきた。

初っ端からドラゴン討伐に巻き込まれてしまい、エルミールは散々な目にあっていた。


(お姉様が突拍子もない事を言い出すからよ。私までこんな危険な思いをしなければ行けないなんて。)


自分がけしかけたこととはいえ、エルミールはうんざりしていた。

しかし、横でフェンネルは意気揚々と塔のてっぺんまで階段を上り詰め、最上階の見晴台からドラゴンの様子を確認する。


「あそこに見えます。」


私が指差す方向には先程のドラゴンが宙を待っていた。今は他のハンターの相手をしているのだろう、しかしハンターたちの攻撃にも関わらず、ドラゴンの勢いが衰える様子はない。


「フェンネル捕まって。」


ユリウスが声をかけながら、塔の周辺に結界を張った。

私はユリウスの発動させた結界の中から、ドラゴンの弱点”核”を見定めるために視線を研ぎ澄ませる。慎重に狙いを定めると、ドラゴンのちょうど心臓のあたりに、黒く輝く”核”を見つけ出した。


「ありました。前回のようにあの核を破壊することができれば、ドラゴンは消滅するでしょう。」


私がそう言い切ると、隣でエルミールは金切り声を上げた。


「消滅する!? あんな遠くにいるドラゴンをどうやって消滅させるというんですのっ!

 こんな無謀なことはもうやめましょう! この塔だってあのドラコンの一撃を喰らえばひとたまりもありませんわ!」


エルミールは恐怖で取り乱していた。その横で、私とユリウスは冷静に作戦を練る。


「確かに、ここからだと距離が遠すぎますね。ドラゴンの気を引いて、こちらに接近させましょう。」


(き、気を引く…? 正気なの?)


「それだったら、下の階に魔獣駆除用のダイナマイトがいくつかあります。起爆すればこちらに気がつくかもしれない。」


エドワードもまた、ユリウスと私に協力的だった。

彼はすぐに階下へ駆け降り、ダイナマイトを持って戻ってくると、起爆して塔の外へ投げつける。


「__ドカンッ! バキバキッ!」


凄まじい爆発音が鳴り響いて、下の農園の一部が吹き飛ぶ、その音で、別のハンターに気を取られていたドラゴンがこちらに気づいた。


「ギャウッ!!」


ドラゴンは咆哮を上げて、こちらに向かって翼を広げて突進してきた。

私は、核を外さないように慎重に狙いを定めて魔法を発動させる。そんな私をユリウスが防御でサポートし、そばで私を支えてくれた。


(ぎゅっとして__どっかーん!!)


魔法を放った瞬間、ドラゴンは苦悶の悲鳴を上げ、バランスを崩して地面へと落ちていった――。



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