表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁じられた破壊魔法使いの私は、呪われた辺境公爵へ嫁がされましたが、私には何が呪いなのかよくわかりません。  作者: 秋名はる
第2章:妹編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/50

洞窟の宝石たち

私たちが屋敷へ戻ろうとしていたちょうどその時、現場検証をしていた役人の一人が駆け寄ってきて、ユリウス様を呼び止めた。


「公爵様、少しよろしいでしょうか。

 実は、滑落した洞窟を調査したところ、通路が塞がれていたのは入口付近のほんの一部でして……中の大半は無事だったようなのです。」


「それは良かった。

 この後、奴隷たちを使役していた現場証拠として役立つだろう。」


「はい。それでさっそく我々役人が中を確かめに入ったのですが……。

 洞窟の最深部で“あるもの”を見つけまして。」


「あるもの……?」


ユリウス様と私は顔を見合わせた。


役人に案内され、拠点となっているテントに入ると、中にいた作業員がこちらへ歩み寄ってきた。

その手には、小さな木箱のようなものが抱えられている。


「洞窟の最深部で見つけたものです。」


そう言って箱の蓋を開くと、そこには大小さまざまな“カラフルな原石”がぎっしりと詰まっていた。


「どれも宝石や魔石の原石です。

 まだ洞窟の奥には、取り切れないほどの原石が無数に眠っています。崩落を引き起こした一撃によって、洞窟でも最も強固だった岩盤が砕かれ、その奥にこのような石が広がっているのが確認できました。」


聞いていて、私は顔から血の気が引いていくのが分かった。あの岩盤を破壊したのは確かに私だ。そのせいでああして洞窟の崩落を招いてしまったわけであるけれども・・・。その先にこんなものが眠っていたというのか。


そのせいで崩落を招いてしまったのだが……その奥に、これほどの宝石が眠っていたなんて。


「確かに、あそこは昔の宝石採掘場だった。

 すでに掘り尽くしたと聞いていたが……まさか、まだこんなに残っていたとはな。」


ユリウス様はそう言いながら、箱の中の原石たちをじっと見つめた。


「これらは、この領地の主である公爵様の所有物となります。

 採掘の指示をいただければ、作業員を募って採掘を再開いたします。」


「では頼んだよ。採掘されたものは、他の奴隷たちへ分け与えたあと……残りはすべてこのフェンネルのもとへ持ってくるように。」


「えっ!? そ、そんなにたくさん……よ、よろしいのですか?」


そばで聞いていた私は驚いて、声が裏返ってしまった。


「もちろんだ。

 これは、この洞窟で作業に当たり、あの岩盤を砕いた君の功績だ。」


「当然だろう。」と、ユリウス様はさらりと言った。


宝石には縁がなかった私でも、箱いっぱいの原石がどれだけ高価かは一目でわかった。

大きさも種類もさまざまで、見るからに価値の高いものばかりだ。


(こんな途方もないもの……私がもらってしまっていいのだろうか。)


胸がざわついて落ち着かない。


するとユリウス様が、少し呆れたようにため息をついた。


「ただし……調子に乗って、ほかの炭鉱へ入ってまた採掘しよう、などとは思わないことだ。

 また君が危険な真似をしては困る。」


そう穏やかに諭されてしまっては、私は返す言葉もなかった。



* * *


無事に屋敷に戻ってきてから、私は屋敷中総出で甲斐甲斐しく治療を受けることになった。

ユリウスは、私の傷を治療してくれたが、やはり疲労を回復するには、休息を取るより他ない。

大人しくしていると何度も言っているのに、彼は私の寝室につきっきりでそばを離れようとしなかった。


「ユ、ユリウス様。私はもう大丈夫ですから。

大人しくここで寝ていると約束します。もう公務へ戻られては?」


彼がずっとそばにいると落ち着かないので、私は先程から丁寧に提案しているが、彼は聞く耳を持たなかった。


「だめだ。君が回復するまで私はここを離れるつもりはない。

 またいつどこかへ逃げてしまうとも限らないからね。」


「観念するんだね。」と、そう言って、彼はベッドのすみに腰掛けながら、無邪気に私の髪を指先で撫でて弄んでいる。


私はむすくれて、布団を口もとのところまでたくし上げて反抗した。でも確かに、こうしていると自分も疲労には抗えない。疲れていたのを思い出したように、私はいつの間にか眠りに落ちてしまっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ