最近の夢は進化してるな!
なぎさのフレンドリーぢからが想定以上。エリも思ってた以上に素直だな?
おかしいな?待合室でちょっと眠くなってうとうとしてたかな?今夢なのか?
見たことのない景色。見たことのない人。私に話しかけられてるのか?
んん?私が答えてるぞ?あれ?この人は誰だ?
「CTもMRIも異常は見られないので大丈夫であると言えますね」しーてぃー?えむあーるあい?聞いたことない言葉だ。
「よかったー…まあいつもの事と言えばいつもの事なんだけど…」全く分からない。何の話をしてるんだ?私は喋ってないのになんで私が喋ってるんだ?夢の中だからなのか?夢はわかんない事だらけで楽しいな。
「それで問題なのが北島さんのお話なのですが…そのお話は心療内科ですね。ここは脳神経外科なので…紹介状書きますね」
「大丈夫だよなぎさちゃん!お姉ちゃんが一緒についていくからね!」なぎさちゃん!?お姉ちゃん!?私はなぎさちゃんって名前なのか!?可愛いお姉ちゃんまでいるのか!?夢ってすごいな!
「美緒ちゃんさー、あたしこれでも課長なんですけどー、それにあたしのほうがお姉ちゃんなんですけどー、美緒ちゃんすぐあたしを妹扱いするよね?見た目変わってそんなに嬉しいの?」え?見た目?夢の中はほんとに何でもありなんだな、とーちゃんに夢のお話聞いてなかったらびっくりして泣いちゃってたかもしれない。
「可愛いは正義!ちっちゃいは正義!つまりわたしこそお姉ちゃん!」おねえちゃんがなんか凄い顔で息切れ起こしてる、お姉ちゃんっていうのはお姉ちゃんという宣言だけで息切れを起こすのか、私は一人だからよくわからないんだけどいつかお姉ちゃんになれたらいいなあ。息切れしないように頑張らないと。
「おねーちゃん、ここはどこなんだ?」夢だし何が起こっても起きればいいだけなので好きなように動くといいよってカエデ先生も言ってたから好きに動く。
「うにゃあー!お姉ちゃんだよおー!なぎさちゃんはついにお姉ちゃんを認めてくれたんだねえ!ああお姉ちゃんはもう人生てっぺん迎えたよお…」おお、お姉ちゃんは甘えんぼさんみたいだ、きゅって私を抱きしめてほっぺスリスリ頭なでなでしてくれる。起きたらとーちゃんとかーちゃんにしてもらおう。
「待って美緒ちゃん、今のあたしじゃない…」また口が開いた、なんだか私の考えじゃなさそうだ。
「あれぇ?なぎさちゃんが言ったんだよぉー?」
「あのね美緒ちゃん、一回離れよう?先生が困惑してるからさ、仲良いのはいいんだけどね、状況を説明しないといけないんだわ」
「ん?状況?なぎさちゃんが1週間寝込んで姿変わった事に関係する?よしよしお姉ちゃんに聞かせるがよいぞぉー」お姉ちゃんが離れない。お姉ちゃんだから妹の話を聞かないのかな?妹は兄の奴隷って聞いたんだけどお姉ちゃんも同じなのかな?うーん、私は奴隷になったのか…奴隷ってなんだろう?
「おねーちゃん、私はおねーちゃんの奴隷なのか?奴隷って何するんだ?」
「え?奴隷!?どしたのなぎさちゃん!?誰か!この中にお医者さんいませんか!!」
「美緒ちゃん、ここ病院だから静かに、今のもあたしじゃないんだわ、とにかく着替え持ってきて」私の口からとっても鋭い声が出る。夢に説明があるってもう夢は至れり尽くせりだな!起きたらとーちゃんに夢が楽しいって言わないと!
「はい!」
「美緒ちゃん声大きいよ」
「持ってきました」
「早いね、ありがとう…って言わせるものを持ってきてよー…これ彼シャツ状態じゃないの?」とーちゃんの服よりちっちゃいから私でも着られるんじゃないかな?かーちゃんの服よりちっちゃいし。私にとってはとーちゃんかーちゃん両方でっかいから服選びが大変なんだけど、かーちゃんが服を造ってくれるからあんまり困ったことないなあ。
「彼シャツならぬお姉ちゃんシャツなのだー、たまたま持ってた服だからとりあえず我慢してね、身体がだいじょぶそうだったら色々買いに行きましょ?部長ももう着くって連絡来てるし」
「あたしの携帯…は今なくても大丈夫か。まーた長沢部長に迷惑かけちゃったなぁ…あたしはバカすぎて困るなあ」
「なぎさちゃんが困る以上にお姉ちゃんたちが困ってるんだよぉー?でもなぎさちゃんがいるからみんなとっても頑張れるんだよぉー、うちの会社の癒し部の偉いところに行けるんじゃないかな?」
「そんな部署初めて聞いた…一応課長なのに会社の事何にも知らないよぉ…ううー美緒ちゃーん」
「あれぇーお姉ちゃんと離れるって言ってまたくっついちゃうのかー、なぎさちゃんかわゆいなぁ」
「あっ待ってごめん今の行動的比喩だから、待って待ってごめんって、あの、あとできゅってするから、仕切り直しするから、ね?ね?」私を置いて話がどんどん進んでいく。夢だから何でもありなんだよな、バカな私が夢でこんないっぱい情報出てくると疲れちゃうと思うんだけど。夢の中だから無敵なのかな?
「よし言質とったァ!んじゃ課長、私部長と会計してくるんで着替えて待合室で待っててくださいね、吉田君も大慌てみたいなんで」
「はーい、あたしは着替えるよ、ばったばただねえ…さて、エリちゃん、聞いてたよね?」びっくり!急に声をかけられた!エリです!私の夢の中は凄いことになってるな!
「エリちゃん、私の自己紹介をしておくね。私は北島なぎさ。31歳の女性なんだよー、見た目はエリちゃんになっちゃったけどね」
なぎさ…うん、夢の中の私はきたじまなぎさ…
「エリュア=ハザンバちゃん、一回深呼吸しようか」
深呼吸?うん、すぅー、はぁー。したよ?
「よーしエリちゃん良い子だ。エリちゃんの事はカエデ先生からお話受けてね、私と一緒にちょっと生きようって事になったんだ。エリちゃんにとってここが夢だと思うならここは夢だから安心していいよ、怖くなったら目を覚ませちゃえばいいからね。いきなり見てるものがなれないものに切り替わっちゃってびっくりでしょう?エリちゃんにはまず私が生きているこの世界をちょっと見てもらうところから始めるね」
夢なのに親切な人だ。まるで夢みたい、夢だ。夢がいっぱい過ぎて訳が分からなくなりそうだ。
「そうだねえ、夢の中のなぎさお姉ちゃんは親切かもしれないけど、美緒ちゃんはとっても優しいからエリちゃんもいっぱい頼っちゃうといいよ、さっきの自称おねえちゃん。川崎美緒ちゃん、23歳の女の子だよー」
美緒ねーちゃんか、バッチリ覚えた。なぎさちゃん、私はいつ目覚めるんだ?あんまり寝すぎるととーちゃんとかーちゃんが心配するんだ、早く起きないとカエデ先生にも心配されちゃう。
「あはは、夢の中だからそんなに気にしなくても大丈夫だよ」
美緒ねーちゃんはどこに行ったんだ?あとここはどこ?
「おかしいなー、あたしに姉っていうのはナシなのかな?まあいいや、質問に答えましょう、ここは病院っていうところ。エリちゃんは病院って来たことあるかな?」
うーん、ここは初めて見る。病院はカエデ先生のところと歯医者だけかな?ここはとっても大きい!私の家よりずっとおっきい!
「エリちゃんがびっくりするのはこれからいっぱい起こるからね、初めての事って疲れちゃうけど、疲れはお姉ちゃんに任せておきなさい、今はエリちゃんを楽しませる事から始めないとね、あ、そうそう、エリちゃんのこの夢の事はあたしとの秘密だよ?」
ひみつ!私は秘密が苦手だ、困ったな…
「大丈夫、困ったらあたしに任せなさい、どうにかなるしどうにでもなるよ。…うーん、やっぱり大きいけどキツイな…エリちゃんすんごい身体なんだね、目もすごくよく見えるしエリちゃんの身体超健康なんじゃないかな?見た目は元の方が気に入ってたんだけどなー、まあエリちゃんだからいいんだけどね」
なぎさちゃんの見た目が変わっちゃったのか?
「そうなのよ、エリちゃんの魂がとっても強くてね、あたしの身体をエリちゃんそのままに仕立て上げたみたいだよ。エリちゃんが見た目変わっちゃって悲しい思いするんならあたしの姿なんてどうでもいいし。まあこれからしばらく財布的に苦労するんだけどねえ」
財布的に?なんで?
「あたしの服は元のあたしのサイズしかないからさ、エリちゃんの身体に合った服を買わないといけないんだ。帰ったらわかるよ、エリちゃんとあたしは違う世界で生きてる人だからね」
服ならかーちゃんに言って造ってもらおう?
「それが出来たらあたしは苦労しないんだわぁ…」
夢の中だから私の魔法使えるかな?ぽんっと。
「ん!?ワンピースが出てきた!エリちゃん魔法使えるのかー、凄いねエリちゃん、あたしにはできないなあ」
夢の中の私は無敵なんだ、ってカエデ先生から聞いたんだ。思ったことができるのが夢のいい所だよって教えてもらったんだ!
「そっかそっか、OKOK、ねえエリちゃん下着は出せるかな?」
緑の妖精コーデなら出せるよ、今着てる服だからバッチリ!ぽんっと。
「よし助かる、ありがとうねエリちゃん」
どういたしまして?夢の中だから何でもできるだけだもん、夢から覚めたら私はただのバカだから。魔法も使えないし力も強くないし、頭も悪いし…
「エリちゃん、あたしよりもバカじゃないのはあたしが保証するよ。夢の中限定って思ってるだけで、実際使おうと思ったことないんじゃないかな?夢から覚めたら試しに使ってごらん?出来なくても夢でできたんだからちゃんとできるようになるよ。なぎさお姉ちゃんが保証しますよ、エリちゃんはちゃんとできる子だ」
なぎさちゃんに言われるとなんかできそうだな、靴下と靴も出してみよう、ぽんっと。
「うわーエリちゃん超天使だわ、とっても助かるよーありがとうねエリちゃん」
えへへ、どういたしまして。なぎさちゃんに褒められると嬉しいな。
「よっし着替え完了、美緒ちゃんのとこに行こうか、まずここから会計の場所にどういけばいいのかが問題だけどねえ…」
じゃあ魔法で…
「エリちゃん待った、ここから魔法は止めよう。あたしがいいよって言うまで出さないでね。理由は簡単、この世界の魔法とエリちゃんの魔法はなかなか違っててね、エリちゃんの魔法は私以外の誰かに見せると色々混乱しちゃうから。今のエリちゃんと似たような状況になっちゃうんだ、美緒ちゃんはびっくりしすぎてお姉ちゃんモード全開超えちゃうだろうし、何より私たちの身に危険だから」
危険?
「エリちゃんは今のこれが夢の中の出来事でしょ?あたしたちにとってはエリちゃんの夢の中の世界がそのまま続いてるんだよ、エリちゃんの夢の中にあたしが出てきたとして、エリちゃんにとってはいつもの事の中にあたしがいるな、程度なんだけど、わかるかな?」
難しい…
「まあとりあえず魔法は使わないでね、ってお姉ちゃんからお願いされたからって思ってくれたら今はいいかな」
うん、なぎさちゃんの言うとおりにする!
「よしよしエリちゃんは良い子だ。私自身で頭を撫でたいねえ、まあ美緒ちゃんに撫でてもらえばいいかな」
待合室までどうやって行くんだ?広いから車なのか?
「車を使うほどの広さじゃないねー、エリちゃんの世界には車があるのかー」
私には馬にしか見えないんだけど、とーちゃんが車って言うから。
「馬ね、確かに馬だと移動が楽かもしれないけど、ここは馬でも狭いかなぁ、まあとりあえず歩こうか」
私はどうしてればいいんだ?座ってていいのか?
『今エリちゃんは座ってるのかー、あたしの声聞こえてるかな?』
聞こえるよ、魔法を使えないから私は今待機してるんだ。
『あはは、正座待機かなあ?エリちゃんの身体すっごい軽いんだけど胸が重いね』
なぎさちゃんとお話ししながら待合室を通り越して進んでいく。なぎさちゃん、さっきのが待合室じゃないのか?私達道を間違えたんじゃないか?
昨日まで書いた設定と随分話が違わないかな?まあいいか、あとで困るのは私だ。