私の中で変化があった、でも気づかれないし気づいてない
うまくいけば今日中にもう一話いけるかも?でも期待はしないで!
お風呂から上がって身体を拭く。寝る準備はできた。
「かーちゃんおふろでたー」報告は大事だからかーちゃんに報告する。
「はーい、えりはもうねるの?」寝たいんだけどもうちょっと起きてたい。
「もうちょっとおきてたい…」
「そう?でもねむそうだからねちゃったら?とーちゃんとおでかけするんだし」
「そうだ、とーちゃん!わたしはあしたがっこうにいかないのか?」
「お?がっこうはおやすみしてちょっととーちゃんとでかけるぞー」
とーちゃんとおでかけは嬉しい。でも学校行かなくていいのかなあ?私馬鹿だから学校で勉強しないとまた先生に怒られる。勉強は嫌いだ…とーちゃんが先生になったら勉強楽しいかもしれないのにな…
「とーちゃんがせんせいになれないのか?」家庭教師だっけ?それなら家で勉強できるしとーちゃんと勉強なら絶対楽しくできるはず。でもとーちゃんは首を横に振る。
「してえのはやまやまなんだけどな、とーちゃんはえりとかーちゃんをまもるためにしごとをしなきゃならねえんだ。いっしょにいるためにはとーちゃんははたらかなきゃならねえ。でもえりはがっこういやなんだよな?」
「うん…」
「まあそこらへんはかーちゃんにまかせとこう。がっこうの勉強がすこしたのしくなるかもしれねえしなあ」
「そっか…かーちゃんもいえのしごとあるもんなー…」
「そうだ、勉強はいやいややるもんじゃねえ、だからあしたはやすんでとーちゃんとでかけるんだ。えりにはちょっとつまんねえかもしれねえけどな」
「とーちゃんといっしょならどこでもうれしいぞ、かーちゃんもいっしょだともっとうれしいぞ」
「そうか、かーちゃんきいたか?えりはかーちゃんともでかけたいんだとさ」
「そうねーかーちゃんもいっしょにいきたいけど、ちょっとようじがあってね?とーちゃんとでーとしてらっしゃい、こんどかーちゃんともでーとしましょうね!」
「うん!」
「よし、じゃあねるか!えり、おやすみ」
「とーちゃんかーちゃんおやすみなさい!」
「うん、おやすみなさい、えり、ゆっくりおねむり?」
私は自分の部屋に戻ってベッドに潜り込む。明日は学校休んでとーちゃんとデートだ。楽しみだ。眠くなってきたな、寝ようっと。
「寝たか?」
「エリは寝つきいいから寝たんじゃないかしら?」
「よし、じゃあ明日は俺はエリを病院に連れて行って呪術師に診てもらう」
「私は学校の先生を潰すわ。物理的に」
「穏やかに行こうぜ、精神的に追い詰めたほうがいい」
「それも穏やかじゃないわねえ」
「エリをどう扱ってるのか気になるが、エリの馬鹿ぶりも気になるしなあ…」
「頭ごなしにエリにきつく当たっちゃったのは私だけど、エリに悲しい思いさせる奴に慈悲なんてくれてやるつもりはないわ」
「だから穏やかに行こうって、物理的に潰すんなら俺がやる」
「おとーさんがやると先生どころか学校ごと塵になっちゃうじゃない、私に任せて、ね?」
「かーちゃんだって似たようなもんじゃねえか…かーちゃんいいか、秘魔法使うなよ、エリが困る」
「車はどうするの?」
「そうだな、シンディに乗せる」
「シンディはエリが苦手じゃなかった?」
「アンナは小さいからな、エリだけ乗るならいいんだが2人乗るからアンナには厳しい」
「少しでも嫌な気持ちを解消できたらいいわね、うーん、おとーさん歩きでエリをアンナに乗せたらどうかしら?」
「エリが嫌がるんじゃねえか?俺とのデートって認識だからシンディでも大丈夫だと思うんだがなあ…」
あくまでも私の事を第一に考えるとーちゃんとかーちゃん。翌日の私の変化にきっと誰も気づかない。私自身が気づかないだろう。ニホンという町で育った私はあまり学校以外に出かけることがない。学校の勉強に追われてそれどころじゃないから。生まれて15年、とーちゃんとかーちゃんの愛情たっぷり受けている私はきっと幸せだろう。また絵本を読みたいな…
むくっと起きるのが私はあまりない、ほとんどベッドの中でもぞもぞしながらかーちゃんが起こしに来てくれるまでまどろみに包まれている。でも今日はとーちゃんとデートだ。とーちゃんの隣に立つのにふさわしい格好をしたい。壁にかけてある時計が6時31分だと告げる。かーちゃんとデートの時はゆっくりだけど、とーちゃんになると話は別だ。クローゼットを開け浅い緑色のワンピースを手に取る。おっとその前に下着も替えないといけない。見えないところのおしゃれも大事だとかーちゃんが教えてくれているので対策はバッチリやらないと。ワンピースの色に合わせて緑にしようかな。下着を整えてワンピースをかぶる。帽子は…うーん、とーちゃんが買ってくれた麦わらがいいかな?靴下と靴はどうしよう?いいや緑で決めちゃおう。今日の私は緑の子だ。庭で育っている木が緑いっぱいに葉っぱをつけているから私も緑に包まれよう。でも何時に出かけるのかわからないな、かーちゃんに聞いてみようか?
部屋からするっと出てかーちゃんがおそらくいるであろうキッチンに向かう。あ、その前に歯磨きしよう。朝ごはん食べた後も磨くから後でもいいかな?改めてキッチンにいるであろうかーちゃんにおはようの挨拶をしよう。
「かーちゃんおはよー」
「あらエリ、今日は早いわね。おはよう、朝ごはんはオムレツよ」振り返らずにかーちゃんはキッチンに向かってオムレツを作っている。手伝えないかな?
「かーちゃん、私が手伝えることはあるか?」まあお皿を並べるくらいしかできないだろうけど。
「そうねえ、ならおとーさんのオムレツをエリが作ってくれるかな?」そこでかーちゃんが振り返った。
「とーちゃんのオムレツを私が作っていいのか?」
「あらあら、今日は緑の妖精さんコーデなのねえ。エリが折角早起きしたんだもの、おとーさんとのデートが楽しみなんでしょ?ならおとーさんのオムレツはエリに任せるわよー。エリのエプロンはっと…あったわー」
「じゃあかーちゃん、卵割るけどそのあとをおしえてほしい。オムレツは卵を使うしか知らないんだ」
知らないんじゃない。何度かオムレツは作ったことあるんだけど、とーちゃんの為に作るなら美味しいほうがいい。なんとなく作ったものはとーちゃんに失礼だ。かーちゃんはこういう時は特に優しいから教えてくれる。だから知らないと同じくらいの気持ちで教わるべきなんだ。
「できた、…のか?」
「うん、上出来よ。何度か作ってるから覚えてたのね、エリいい子だわ!立派なお嫁さんになれるわね」
「お嫁さん…かーちゃんになるのか?」
「かーちゃんも最初のうちはエリと同じようになーんにも出来なかったわよ?いっぱい練習していっぱい勉強して、とにかく毎日作ったからかーちゃんは出来るようになったの。エリも勉強は追々だけど、練習はかーちゃんといっぱいしようね?」
「かーちゃんになるためには勉強しないといけないのか…かーちゃん、勉強って学校だけじゃないのか?料理の勉強はかーちゃんとだと楽しいけどかーちゃん学校来られないぞ…」
「学校の調理実習はやったことない?あれも勉強だし練習よ?」
「あれも勉強だったのか!?」びっくりして大声を出してしまった。
「エリ、びっくりした声みたいだけどどうした?ふぁーあ、おはようかーちゃん、エリ」
「とーちゃんおはよー、今日の朝ご飯は私が作ったぞ」
「おーそれは嬉しいな、にしてもエリがこんな時間に起きてるなんて珍しいな?」
「おとーさんとのデートが楽しみだったんでしょ?ねーエリ?」
「とーちゃんは私をなめている。とーちゃんとデートするのは気合が必要なんだぞ」
「そうか、気合が必要かー、エリはわかってて言ってんのかなあ?」
「…実はよくわかってない」
「はは、正直でよろしい。まあ気合入れてデートしてくれるのは嬉しいな、緑の妖精コーデはかーちゃんと相談したのか?」
「一人で選んだんだ!でも靴下と靴はかーちゃんに相談しようと思った」
「ならあとで一緒に選びましょうねー。エリ、出来たの並べてくれるかしら?」
「はーい」
「とーちゃんもやれることあるかー?」
「とーちゃんは座っててくれ、かーちゃんと二人でするから」
「あれーとーちゃんだけ仲間外れかー?」
「はずれじゃなくてとーちゃんをおもてなすの!私の今日の仕事!」
「仕事なのか、なら邪魔しちゃいけねえな。ありがとうなエリ、かーちゃんもありがとうなー」
「おとーさん、デートにお弁当は必要かな?」
「今日は外で食うからいいわ、かーちゃんも合流できたらいいんだけど時間合うかな?」
「後でかーちゃんも一緒か!一緒がいいな!」
「あらー、そうねえ…出来る限りはしたいけど、エリ、期待はしないでね?ガッカリしちゃうとつまらないから」
「かーちゃん、こういう時は努力して時間を作るってかーちゃんから教わったぞ」
「あらまあ、一本取られたわねえ、OK、努力するわ」
Q「急に漢字になった?」
A「急や」
下書き全部消して書き直したらこうなった。どこにでもありそうな設定だろうし、どこにでもありそうな結末かもしれない。約束できるのはエリは幸せになる!って事だけ!