翌日起き抜けでお腹減った…
やっと月曜日です。
お腹減ったと思って目が覚めた。今は6時49分みたいだ。なぎさちゃんは昨日の…はらじゅく?って街で寝てからずっと寝てる。何度か呼んでみたんだけど答えがないから寝てるんだろうなと思ったんだ。なぎさちゃんとお話したいな、…部屋に何か硬そうなものの山ができてるんだけど、これは何だろう…?まあなぎさちゃんに聞いてみたらいいか。まずは顔を洗おう。美緒おねーちゃんに買ってもらった歯ブラシセットがあるから顔洗ったら使ってみよう。
(ふぁー…エリちゃんおはよー)
「なぎさちゃんおはよー、いっぱい寝てたな?」
(あーちょっと疲れちゃったのかなー?エリちゃんはいつ起きたの?)
「わたしは今起きたばっかりで顔洗って美緒ねーちゃんに買ってもらった歯ブラシセットで歯を磨こうと思ったとこなんだ」
(そっかー、エリちゃん毎朝顔洗って歯磨きしてるのかー、エリちゃん偉いねー)
なぎさちゃんが変なこと言ってる。起きて顔洗って歯を磨くのは当たり前じゃないのか?…とーちゃんとかーちゃんが当たり前は人と違うって言ってた気がする!私の当たり前はなぎさちゃんと違うのか!?
「なぎさちゃんは顔洗って歯磨きって当たり前じゃないのか?」
(当たり前?うーん、そうだね、当たり前って言い方じゃなくて、生活習慣だね)
「せいかつしゅうかん…?」
(例えばさ、朝起きてまず最初にエリちゃんは何をするかな?)
「うーんと、顔を洗って歯磨きして食事して、それから…」
(それを生活習慣って言うんだよー。エリちゃんの当たり前は間違ってないし良い事だけど、人によってその当たり前が違ってたりするんだー。あたしは顔よりも歯磨きが先だから)
当たり前はやっぱり人と違うんだ。それを生活習慣というんだな、美緒おねーちゃんとかにーちゃんに今度会ったら生活習慣を聞いてみよう。
(どったのエリちゃん?顔洗うんじゃなかった?あたしが代わろうか?)
「んーん、自分でするー」
と自分で言ったので顔を洗う。洗うといってもお水でパシャパシャするだけなんだ、美緒おねーちゃんがふぇいすすくらぶ?にゅうえき?けしょうすい?と色々選んでくれたんだけど…似たようなものは洗面台にあるし、使ってどうなるのかわからないので今は水だけで済ませる。次に歯磨き、歯ブラシに歯磨き粉をつけて歯と歯茎を撫でまわすように優しく触りながらマッサージ。ガシガシ磨くと口の中が痛くなっちゃうから優しくするといいぞってとーちゃんに教わったから。終わったので着替えようと思ったんだけどそこでなぎさちゃんから待ったの声が。
(エリちゃん昨日どのくらい服買ったかなー?)
「えーとね、美緒ねーちゃんが安いけど大量に買おう!って言って全部選んでもらったー」
(そっかそっか、下着はどうかな?)
「下着は探すの大変だったー、美緒ねーちゃんが携帯ずっと見ててあなば?を探してくれてそこでいっぱい買ったよ」
(これは聞くだけ無駄かもしれないけど、いくら使ったかわかるかな?)
「わかんない!」
美緒おねーちゃんと兄ちゃんに全部任せたのでお値段の事はよくわからないんだ。かーちゃんもとーちゃんもエリに金を全然使わせてないから今度しっかり教えないとって話をしてた。もしかして昨日がその教えられる時だったのか?
(まあそこは追々教えていくとしましょうかねー。エリちゃん、今日のお出かけはなんと!電車に乗って行きます!)
「でんしゃ?」
(そう!人がいっぱい移動できる乗り物だよ!いっぱい運べるけど人がいっぱいぎゅーぎゅーに箱に自分から詰め込まれに行って移動する乗り物!)
「ぎゅーぎゅーなのか!?楽しみだな!」
(そう!そしてこの日本では、パーソナルスペースというものがあってだね?あんまり人に近寄られると嫌なんだ、だから距離を取りたいんだけど満員電車ではそれが一切通用しないというとっても不快な乗り物なんだよー)
「嫌なのに乗らなきゃいけないの…?」
(一度は経験しといたほうがいいからねー、どれだけ不快なのかを勉強しよう!)
外に出るんだから着替えないといけない。昨日選んでもらった服で今日はどれにしようか?なぎさちゃんは寝てたからどんな服を買ったか知らないと思うし自分で選ばないと。なぎさちゃんが32歳だから大人の人みたいな恰好がいいだろうと思ったんだけど…
(エリちゃん、折角だから今日はとっても可愛いコーデで行かない?)
というなぎさちゃんのお願いで可愛い服を選ぶことになった。かいしゃだっけ?に行かないのかな?かいしゃに行くための服も美緒おねーちゃんに選んでもらったんだけどなぎさちゃんは否定するんだ。
(あたしもエリちゃんの可愛い服見たいよー!)
って子供のわがままみたいに言うから仕方なく私が可愛いって思った服に着替えたんだ。なぎさちゃんが頭の中でエリちゃん可愛い!素敵!って叫んでるから、いいのかな?
「なぎさちゃん、今日は会社に行くんじゃないのか?」
(今日は健康診断を受けるから有給取って病院だよー、だから堅い服なんか着る必要ないのです!今日はあたしがエリちゃん可愛いをいっぱい言う日なんだ!)
なぎさちゃんはどうやらこれじゃないと納得してくれないと思ったのでこの格好で決まりだ。どうにもワンピースが多いんだけどなぎさちゃんはそれでいいのか…?それはそうとお腹減ったから何か食べたい…
「なぎさちゃん、お腹減った…」
(あー、ごめんごめん!とりあえずエネルギー補給しようか!ちょっと代わってくれるかな?)
「ぽいっと)
『オッケーおっけー、エリちゃん完全に交代が上手にできるね!エリちゃんすごいよ!そして超可愛い!』
(なぎさちゃんいっぱい褒めてくれるから好きー)
『ならこれからもいっぱい褒めちゃいますよ!それで、だ。今から魔法でエネルギー剤創造するのでエリちゃんに覚えてほしいのですが、エリちゃんは協力してくれますか?』
(します!)
『よろしい。んじゃエリちゃんの意識を身体に少し乗せることはできるかな?』
(うーんと、ぽいっと』
『よしよしエリちゃんはすごく器用だね!それでは、魔法で創造するからエリちゃんはしかと覚えてね!覚えるまで何度でもやるからゆっくりでもいいので覚えよう!』
そういってなぎさちゃんは右手のひらに、私がとってもお腹が減ったときかーちゃんが出してくれる粒々を生み出す。今の感覚を忘れないように、忘れてもなぎさちゃんはきっと何度でも教えてくれるだろうけど、ちょっとずつ覚えていこう。
『初めてなのでとりあえずこんな感じで創造するんだよって覚えておいてくれたら今のところはそれでいいや。それでこいつをすかさず飲む!』
かーちゃんが出してくれるのと同じ粒々を一気に飲み込む。お腹の減りはあんまり変わらないけど、身体にエネルギーが巡っていく感じがする。あれ?昨日はこんなことしなかったぞ?一度頭の中に意識を戻してなぎさちゃんに聞いてみる。
(昨日は粒々なかったな?)
『昨日は身体の中のエネルギーと魔力で身体を誤魔化してたからだねー。魔力回復させるのはどうしようかなぁ…?んー、今はいいか、この身体の魔力量が異常だからまだまだどうにでもなるし』
(魔法はなぎさちゃんの許可をもらったら使っていいのか?)
『そうだねー、そのうち魔法修行しに行こうか!とりあえず今は健康診断受けに行くよー』
着替えも済ませたのでお部屋を出てけんこうしんだん?をする病院に向かう。電車の中がぎゅーぎゅーってこういうことだったのかと思った。お尻とか胸とか握られたんだけどなぎさちゃんがその度に『こういう時はこうしちゃうんだよー』って言ってその手を握ってたので、握手するんだな?と思っていた。全然違かったんだけど。
握るというか握り潰してます。早く手術しないと二度と元に戻らない粉砕骨折レベルで。
その加減が出来るようになったなぎさではありますが…健康診断どうなるんでしょうね?




