一家団欒、いいんだけどあたしをその中に含めちゃっていいの?
急に気が向いて書きました。ホントに急に。私は衝動で生きている!!
ので伏線というものをゆみすけは知りません。あったとしても即回収!
色々サイズとか量とかおかしいと思うんだ、ビール缶がおそらく4リットル焼酎のペットボトルくらいだし食べ物に関しては食べ放題のお店の量だよ。エンゲル係数凄いことになってそうだけど、まあここは私には異世界だし、私の常識なんかそこら辺に置いとけばいいや。
んで、これはお寿司だよね?ニホンは日本とよく似てるな。言語もほぼ同じだし、まあ文字が間違って外国人が覚えて書いたようなひらがななんだけど、結構この世界は日本とよく似てるみたい。ガブリエさんがもうあり得ないでかさなんだけど。
「結構日本と酷似してますね」
私がカエデ先生に話をしてみたんだけど、答えたのがガブリエさん。
「そうなんですか?だとしたらエリにとってはそれほど苦にならなくて済む」
「エリュアちゃんは今お買い物中みたいだね。女性と男性に連れられて色々買っているみたいだよ」
おー、買い物楽しんでるのか、ならいいか。美緒ちゃんと吉田君に任せておけばとりあえず困らないでしょ。ビールを飲んでみたんだけど、んー、なんか、濃い?苦いよりも濃いが先に出た。
「濃ゆいビールですねこれ」
エリちゃんの身体がとってもすごい。4リットルあるであろうビール缶を一気に空けてしまった。炭酸もそれほど強くなくて、でも日本のビールの方が美味いと感じるので、冷えてないから?なのかなぁ?
「実はこのビールって魔力回復させるためにあるんですよ、なのでどうしても量を作らないといけないんで」
「あ、自家製なんですか?」
「ええ、俺が醸造して、かーちゃんに魔力入れてもらってなので市販じゃねえんす」
「へぇー、ラベルもあるし売れるんじゃないですか?」
そこでなんか沈黙が始まってしまった。ガブリエさんとカエデ先生はビールをまあうまそうに飲んでる。視線は私に向けて。まあこういう沈黙もいいよね。お父さんもそんなに喋らない人だったし。
「なぎささん、先ほどのこちらに来ればいい、という話ですが」
とカエデ先生が口を開く。いつの間にかフォークをお寿司に突き刺してもぐもぐしながら。日本では行儀悪いんだけどニホンではこれが普通なのかな?
「その話、遠くないうちに実現させることは可能と判断しました」
「言っといてなんですが、出来るんですか?」
「エリュアちゃんが今いる、なぎささんの世界には『戸籍』というものがありますね」
「あー、ありますね。戸籍は国で管理してるからそこらへんはあたしには理解が及ばないんですけど」
そう、戸籍って日本で住む以上絶対必要なのよ。君どこの国から来たの?ってなっちゃうし。病気に関しては健康保険が必要だし、そもそもどこから日本にやってきたの?ってなっちゃう。外国からの難民だというのならその外国ってどこ?日本にどうやってきた?密入国?って結果日本から追い出されたら…カエデ先生ならそこらへんはどうにかする、いやできる、んじゃないかな?頭良さそうだし。
「先ほどの診察で少し世界を覗いてみたのですが、通貨の違いもありますけど、どうにかなる、と判断できます。ただ時間はかかりますが」
「思いつきで言ったことだしそんなに深刻にならなくてもいいと思いますよ?」
あくまでも私がこの三人と一緒にいたいなって思っての事だから、叶うなら叶った方がいいけど程度だしそこまで本気で言った訳じゃないからさ。
そのあと、アイナさんの作った料理が全て並び、もぐもぐうまうましてたら…ほとんど私が食べちゃったよ…エネルギー剤飲んだんだけどそれでも足りないのかこの身体は…ビール缶も10本以上空けてるし、エリちゃん普段どんだけ食べてるのよ…?このちっちゃい身体のどこに入ってるの…?私が食べた量が恐ろしい…ん?私はどうやって戻るんだ?
「あのー、あたしどうやって帰ればいいんでしょ?」
誰に視線を送るわけでもなくぼそっと口に出した。日本にどうやって帰るべきなのか?ここは異世界だし向こうには私の身体にエリちゃんがいる、はて、この身体どうするんだろう?
「もうお帰りですか?私はまだなぎささんとお話したいわー」
アイナさんが、まあとってもいい飲みっぷりですこと。エリちゃんの家族、カエデ先生もか、とってもよく飲むんだね。エリちゃんはとーちゃんと一緒に飲んでるって言ってたし、うん、エリちゃん凄いわ。まあそんな話をアイナさんとしつつビール20本目を空けて、眠くなってきた。お喋りは結構好きなんだけどさすがに長々と喋ってると疲れるし、あれ?全然酔ってない。アルコール度数が弱いのかな?まあいいか。
「ごめんなさい、あたし眠くなってきちゃいました」
「あらー、沢山おしゃべりしましたからねー、ならエリのお部屋で寝るといいんじゃないかしら?身体はエリのまんまだし」
「かーちゃんよぉ、結構すげえ勢いで喋り倒してたのがいけなかったんじゃねえか?聞いてて疲れたぞ…」
「私は楽しくて良かったけどね。アイナ君も日ごろの鬱憤を吐き出せてよかったじゃない」
「鬱憤吐く話じゃなかったような…?うーん文化の違いかなぁ、ふぁーあ、眠いにゃー…」
やばい、素が出ちゃった…まあ別に困らないけど。
「なぎささん、エリの部屋でゆっくり寝てください」
「寝たことを確認してから魂を送ります。ゆっくり寝てください」
「おやすみなさいなぎささん、また会いましょ?」
声をかけられエリちゃんの部屋へ向かおうとするんだけど、さて問題だ。なんかあちこちに罠仕掛けられてる感じするのは…エリちゃんはこの罠を潜り抜けて毎日過ごしているって事なのかな?面倒だからここで寝ちゃいたいんだけどなー…と思ったんだけど、ふわりとガブリエさんにまたお姫様抱っこされてエリちゃんの部屋に。
「すんません、罠発動させてました」
「あーやっぱりか、なんか進むと面倒になりそうだなって思ったので助かります」
「ホンット申し訳ねえっす、エリの身体に何かあったらと思うと…」
「できれば罠がどういう条件で発動するか教えてほしかったんですけど、誰かに視られてる感じでした?」
無言。視られてるのか。エリちゃん意外と敵が多いんだなぁ…純粋でいい子なのに…エリちゃんの敵は私だって排除したい。だから無言のままでいいんだ、こちらの事はここで、向こうに敵がいたのなら私が排除すべきだ。
階段上がって扉が開いた。ガブリエさんの両手は塞がっている。どうやって開いたんだろう?自動ドア?でも入ってきたときすごい勢いで扉開いたからそうではなさそう…うん、深く考えたら禿げちゃうね!エリちゃん禿げさせたくないし考えるのやめよう!そんなことを考えてたらゆっくりとベッドに降ろされて、そっと掛け布団が私の身体にかかる。
「なぎささんが不思議な顔してたんで答えますけど、一応俺も魔法扱えるんで」
「あ、魔法かぁ。エリちゃんも使ってましたからね、そうか当たり前なのか」
「エリが魔法を使ったんですか!?」
とっても大きい声でガブリエさんが叫ぶ。エリちゃんに魔法教えてなかったのかな?
「エリちゃんは魔法の存在を知っていますか?」
「生活魔法程度はエリの前で使ってましたが…魔法の基礎知らねえと簡単に扱えるもんじゃないんですよ」
「ふーむ、じゃあエリちゃんは感覚で物事をとらえるタイプなんですねー」
「感覚…ですか?」
「エリちゃんの約束があるから言えない事なんですけど、言える言葉としては…うーんと、知識はないけど、なんとなくこうなのかな?で生きてる感じです。ガブリエさんとアイナさんの事をしっかり見て育ってるんですよ。生活魔法って、例えばこれですよね?」
私の右手人差し指の先に、ちょうど煙草に火をつける感じの火を出してみる。それをみてガブリエさんが目を細める。頭の構造がエリちゃんだから、多分できるんじゃないかなぁとおもったらできたので実は私がビックリしてるんだけど、それには気づかれてないみたい。
「やっぱり、エリは天才なんだ…」
おっとこんなところで親バカですか?いいえエリちゃんはちゃんと育てたらとっても賢くなる子なんです!愛してるからそのままでいてほしかったのかなぁ。ニホンの育て方なのかハザンバ家の育て方なのかはわかんないけど、エリちゃんは今からでもしっかり教えたらしっかりとした人間になれると思う。だからこそ私がエリちゃんの魂を受け入れられたんだ。まあ最初はいきなり何言ってんだとは思ったし、身体もエリちゃんになってるしでこれからの生活は不安だけど、エリちゃんのためなら私だって色々頑張りたいな。
「ガブリエさん、今教えられる魔法ってあります?」
それで私が寝るまで魔法についていろいろ教えてもらった。ガブリエさんの話し方がとっても、子供向きというか、まるでエリちゃんに教えてるかのような感じだったので、凄いすんなり覚えることができた。これはアイナさんではなかなかできないんだという話も聞いたんだけどね。エリちゃんとお話するときのコツみたいな感じも覚えましたよガブリエさん、エリちゃんはガブリエさんとアイナさんだけじゃなくて、私色にもちょっと染めてやるんだ…ふふふ。なんて野望は持つものじゃないんだけどねぇ、なーんでエリちゃんは私をお姉ちゃんだと思ってくれないのかねえ、なぎさお姉ちゃんは悲しいよぅ。
「寝たな」
「なぎささんもエリみたいに純粋でお話のし甲斐があるわー」
「それをもっとエリュアちゃんにしてあげるべきだったんだけどね」
三者三様の物言い。なぎささんの魂をカエデ先生が送り届けながら、かーちゃんもエリの頭に手を当ててつぶやいた。
「せめてなぎささんが魔法と呪術を身に着けて、エリに教えることができるように…」
「ああ、それはいいね、私も使える呪術をなぎささんの魂に刻んでおこうかな」
「それは魂に呪いをかけるってことなんじゃねえですか…?」
「日本ではどう扱うかわからないけど、呪いとまじないは微妙に違うんだよ。願う、思う力をどう扱うかで変わってくるだけだからね」
「呪術に関してはカエデ先生、魔法と魔術に関しては私の得意分野ですからねっ!」
「うーん、先に基礎学べてよかったんだなこれは。エリに教えるっぽく言ったんだけど、あれはあれで大人をバカにするような物言いだったしな…なぎささんが不機嫌にならねえといいけど…」
なぎささんに魔法って何ですか?って聞かれたから、子守歌みてえになぎささんに魔法ってなんだ?を子供向けに語っちまった。なぎささんは大人だってわかってたんだけどな、見た目はエリだからつい…クソ、もっと早くにエリに教えればエリが悲しい思いしなかったはずなのにな…今後悔してもしょうがねえか。エリは異世界でなぎささんと生きてる。生きてる限り、なぎささんのあの人柄なら、エリが困ることはしねえ。だったらなぎささんを信じるしかねえ。それでエリがこんなに立派になった!ってなればそれでいいんだ。エリは悪意にすげえ鈍感だからな…
この後事件が起きるんですがそれは没ネタに書きますので。こちらは何事もなかったかのように進んでいきます。
ニホンのビールは日本と違いますが世界的に見るとニホンのビールはそこそこ旨い部類に入ります。
ただハザンバ家のビールは魔力が異常な込められ方をしているので一般人が「350lm飲む」と魔力にあてられて瀕死になるくらい魔力過多に襲われます。エリュアの身体はそれでも魔力が満タンになってないんです。魔力の絞り方をまだなぎさが知らないので全開で魔力放出してたからとーちゃん相手に全開で行っても太刀打ちできなかった、のがハザンバ家の秘密なのです。そんな危ない飲み物売る訳にいきませんし需要がどこにもないし、製造方法においてもアルコール度数が40%なので呑める人がそれだけで限られちゃうんです。アルコールすら受け付けないんだから魔力なんて回復する前に死んでしまう。そういう意味ではハザンバ一家ででる飲食物は全て毒であると。なぎさは平気でしたけど。ねえなぎさ、君はどこにむかっていってるの?もう設定とか色々変わってるみたいだよ?




