今のところの全力出せて気持ちいいね!
話をまとめられないけどどうにか抑えた!
なんか部屋が広くなってる?じゃなきゃガブリエさんの大きさと衝撃に耐えられてない。手加減はお互いしてるけど、このままじゃ本気でぶつかれないな。
「ガブリエさん、今のこの状態で本気出せますか?」
ガブリエさんはアイナさんを見てから、
「大丈夫です、俺が本気になることはないですから」
挑発で返された。ふむ、アイナさんの魔法かなんかかな?んー、気が引けるけどいっちょ全力でぶつかってみようか。そう思った時点でガブリエさんに左ストレートをお見舞い。おや、防御ですか?エリちゃんの身体を思ってのガードかな?まあ遠慮は無粋でしょ。両手両足使ってガブリエさんに猛攻しかけ始めます。どこも隙はないんだけどとにかく攻撃を当ててみる。弱点はなさそうだから本気で行ってみるか、と思ったらガブリエさんの猛攻が始まった。洗練された格闘技ではなく純粋な暴力だね。まあ暴力なら暴力で返すことができるだけありがたい。すべてに拳と蹴りで対処できる。時々衝撃波が飛んでくるけど私も衝撃波で相殺。一つ一つの攻撃が凄く重い。でもエリちゃんの身体はそれをものともしない。アイナさんをちらっと見るとまだまだ余裕そうなのでもっとギア上げるか。
「ガブリエさん、エリちゃんの身体はどうですか?」
「申し分ねえっす、このまま続けても?」
「どこからでもどうぞ!」
戦略で背後を取る気はなさそうだから物理で真正面から打ち合う。テレフォンパンチだろうがボクシングパンチだろうがお構いなし。どれも容赦ない一撃。なのでそろそろこちらも行ってみるか。
「身体あったまってなさそうだけど、少しづつギア上げていきますよー」
エリちゃんの身体に魔力的なものを感じたのでそれを乗せてみる、いい感じに身体になじんでるね。では、乱れ打ちしてみるか。どうやら気をためる事も出来る身体に気を入れて練りこみ攻撃に乗せてみる。ガブリエさんは余裕そうなので魔力をさらに込めてみて攻撃。今のところは肉体のみでの攻撃しかできないし。お、ガブリエさんの右眉が上がった、ならもっと力込めて攻撃の手を緩めない。身長差がめちゃくちゃあるから届くのは弁慶の泣き所が精一杯なんだけど。
「おとーさん、防戦一方?」
「むしろこの状態で攻撃できるうえにどんどん威力上がってるなぎささんがすげえんだよ」
エリちゃんの魔力がなかなかいい感じに馴染んできたのでもっとギア上げてみるか。跳んでみてガブリエさんの顔めがけて集中攻撃!うんうん調子が上がってるね。おっと攻守交替かな、ガブリエさんの猛攻が始まったので右拳だけですべて弾いてみる、エリちゃんの身体は動きやすくていいねー。これは受け止めてこれは流して、うん、楽しいね。ガブリエさんの本気がこれっぽっちも見られないのが悔しい所だけど、今のところはこんなもんかなぁ。ガブリエさんと距離を取って、
「エリちゃんは強い子ですね、あたしもこんなに全力で暴れられるのは久しぶりだなー!」
楽しいけどエネルギーが足りないみたいで力が入らない。これ以上は無理!へたり込むのが手一杯。
「あら、エネルギー切れかしら?」
「だと思います、お腹減ったー」
「なぎささん凄いですね、エリにはこういうのしたことないんでエリの身体しっかり使いこなせるってまず不可能なんですよ、今までエリの身体乗っ取ってきた奴らも肉体維持すらできずに消化されちまったし」
ガブリエさんが満足そうに頷いてる。アイナさんは…ん?いない?
「あの、アイナさんは?」
「かーちゃんはなぎささんのエネルギー補給食造りに行きました、それと味を楽しめるように普通の食事もですね」
「とりあえず、あたし完全に動けないんで動かしてもらえますか?」
そこで気が付いた、気配が増えてる。下に二人かな、カエデ先生かも。
「んじゃ失礼しますよ」
ひょいっとガブリエさんにお姫様抱っこしてもらって部屋を移動する。ガブリエさんの質量感そのままだけどこの家大丈夫なのかな?と思いながら階段を下りて、いい匂いだー。
「こんにちは、キタジマナギサさん」
カエデ先生かな、水色の長い髪を三つ編みで左肩に流してる。顔もすごくいい、んで、耳が長い。エルフって感じかな?
「私のことはなぎさでお願いしますね、カエデ先生」
おっと早速診察が始まったぞ?え?なんか脱がされてる?早業だな。あっという間に下着も脱がされて全裸に。不思議と恥ずかしさがない。エリちゃんの身体が慣れてるのもあるだろうしカエデ先生が上手いのもあるんだろうね。で身体をペタペタ触りながら。
「なるほど、なぎささん、魔力と気を使っていますね、あちこち筋肉がぼろぼろになっている」
ふむふむといった感じでどこから取り出したかわからないメモを取りながら、どこから出してきたのかわからない薬なのかな?を身体に塗り込んで。軟膏を塗り込まれた感じだけど吸収されていくのがすごくわかる。
「この身体で暴れたのはガブリエ君の挑発からかな?エリュアちゃんこういう動きしたことないはずだから身体が悲鳴上げてるよ?手合わせのつもりだろうけど、せめて私がいるときにしてほしいかな」
「すんません、つい」
「つい、でエリュアちゃんの身体が悲鳴上げてるんだからもっと注意してほしいな。それはいいけど、なぎささんにかかってる呪いはどういうことなのかな?ガブリエ君の封印解いたのはどういうつもりなのかな?」
エプロン姿のアイナさんがドキィ!って感じで。私がハンデつけられた状態だったのか、まあ物を壊すよりマシだろうからいいんじゃないかな?身体に異変は感じないし。まあエリちゃんの身体でどれだけ動けるかまだ把握しきれてないし今のところ暴れて私は満足してるからいいんじゃないかなーと思うんだけど。
「カエデ先生、私はこれで良かったと思いますよ、加減どこまで通用するかわからなかったし、エリちゃんの身体を傷つけるようなことはなかったし、怪我はそれこそ望んでないでしょう?なら呪いで抑えるくらいで良かったんじゃないですか?あたしとしては本気出したつもりでしたし」
「なぎささんがそう言ってくれるんだからアイナ君はもっと部屋を保護すべきだったと思うよ。それとエネルギー剤が足りなさすぎる、あと50増やしてね、それでも足りないくらいなんだからね、子供の成長期を侮ってはいけないよ」
ちなみにカエデ先生は全裸の私に特に興味はなさそう。先生って言うくらいだからそういうのはないのかな?ん?カエデ先生もガブリエさんも男なんだけど苦手って感じがしないな?エリちゃんの身体が大丈夫って言ってくれてるのかな?身体の気と魔力が安定してきてる。心理効果も高いって事かな。あとは薬の効果かな。
「まずはおひとつどうぞ、噛まないほうがいいと思いますよー、ごくんって飲み込んじゃってくださいね」
とアイナさんから一粒の若干大き目な錠剤を渡された。…水なしで飲み込め?まあいいか、噛むなと言われたので飲み込んでみる。お、エネルギーがいい感じに流れてる。でも全然足りないな。
「今のエネルギー剤は売られていません、ずいぶん昔ガブリエ君用にアイナ君が創造した特別なエネルギー補給剤ですよ。1錠で激しい運動する者が生涯使うカロリーが入っています」
生涯ですか、何万キロカロリーとかのレベルじゃないんだね、これを50って?それでも足りない?エリちゃんがラーメンめちゃめちゃ食べるわけだ…全然足りないよね…んー、それにしてはそのあと結構動いて…でも結果的に私は寝ちゃってここにいるよなぁ…?
「さて、これで立てるでしょう。ガブリエ君、降ろしてあげるといいよ、それと着替えもね」
あー、エリちゃんの身体だから見慣れてる訳ね。
「なぎささん、身体に不調はありませんか?」
「ん?ないと思いますよ」
「むこうではどうですか?」
「腹ペコで困りましたねー、エリちゃんどれだけ食べてもお腹いっぱいにならないし」
「ではこのエネルギー剤のレシピを魂に流しますね、魔法で造るものですけどなぎささんならできると思います」
カエデ先生の左手が私の頭に触れて、瞬時にそのレシピが把握できた。確かにこれは…レーションだっけ?なんか比較しようがないし、作成じゃなくて創造だねこれは…魔法じゃないと無理だなぁ…
「なぎささん、今ので理解できたんですか…?」
「え?うーん、理解、は出来ないですけどわかった、って感じですかね」
「うちの子天才過ぎる…」
「エリちゃんって自分はバカだって言ってましたけど、実際お話した感じだと、エリちゃんはモノを知らない子供って印象を受けました。両親にクレームつけるつもりはないんですけど、エリちゃんの成長具合がマッチしてないんですよね、本当にモノを知らない、愛情だけはしっかり受けている、ただそれだけ。なのでエリちゃんがこちらに帰って来た時、ずいぶん印象違うかもしれませんけど、出来る限りあたしもエリちゃんに一杯愛情注いでいきたいと思います。魔法に関しては私はわからないので…ならいっそ、3人がこっちに来ちゃうっていかがです?」
…なんか爆弾発言したかもしれない、3人がすっごい顔してるよ…
また設定と変わっちゃいましたが、なぎさのこっち来れば?的発言をきっかけにかーちゃんとカエデ先生が異世界の渡り方を研究し始めます。一方原宿ではエリュア達が美味しそうにチョコバナナクレープを食べています。なぎさのことは完全に頭にないですね。とっても楽しそうなのを実はカエデ先生がなぎさの魂通して「視ている」んです。ここをきっかけにして研究は凄い速度で進められていくことになります。食べ終わったら服を買いに行くんじゃないかなあ。その描写は無いと思われます!




