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なあとーちゃん、お風呂、ご飯、私、のわたしってなんだ?

馬鹿の視点で書いてるから話がおかしい流れだけど、馬鹿に合わせたつっこみ不在の会話ってこうなのです。

とーちゃんは優しい。かーちゃんも実は優しかった。私はとーちゃんとかーちゃんがいて幸せだ。難しい話をする先生は嫌いだけど、とーちゃんとかーちゃんがなんでそんな怒ってるのかわからない。


「なあとーちゃん、もしかしてとーちゃんおこってるのか?」とーちゃんはきっと私には優しいはずだ。今は怖い顔してるけど。


「えりがそうおもうんならとーちゃんはおこってるのかもなあ、でもえりにおこってるんじゃないからだいじょうぶだ。えりはとーちゃんこわいか?」いつものとーちゃんの顔だ。


「いまはこわくない、でもさっきはこわかった…」とーちゃん怒ったらとっても怖いのかもしれない。


「とーちゃんはいつでもえりのみかただからな。さてあしたにそなえておふろはいるか、えりはどうする?」私はとーちゃんともかーちゃんともお風呂に入るの好きだ。友達に未だに馬鹿にされるけど、よそはよそ、うちはうち。今日はとーちゃんに頭を洗ってもらおう。


「とーちゃんにあたまあらってもらいたい」


「よしきた。おふろばにいくまえにきがえをもってこーい」


「はーい。かーちゃーん、とーちゃんとおふろはいるー」とーちゃんとお風呂入るときはかーちゃんに伝えなきゃいけない。かーちゃんとお風呂入るときはとーちゃんに伝えなきゃいけない。一人で入るときはとーちゃんとかーちゃんに伝えなきゃいけない。報告することは大事なことだってとーちゃんに言われてからずっとそうだ。


「おふたりさんちょっといいかな?ばんごはんできあがったんだけどたべてからにしない?」


顔が怖くてお風呂に入って落ち着こうと思ったのに。お腹減ってたのでお風呂とご飯を天秤にかける。どっちが先か…


「あー、えり、さきにごはんたべよう、まだおふろのじゅんびしてないしちょうどいいだろ」


「そうかー、じゃあごはんたべてからおふろにはいるー」


「よしよし、かーちゃんがつくるめしはうまいからなあ」とーちゃんはご飯と一緒にビール呑んでるんだけど今日はもう吞まないみたいだ。明日は何か降るんじゃないか?飴だっけ?降ったの見たことない。


「おとーさん、びーるどうする?」かーちゃんはいつも通りだ。さっきの怖い顔はどこへいったんだろう?


「あすにそなえてきょうはもういいや。さけのこるとうんてんできねえし」酒残る?いつも残さず呑んでないか?とーちゃんも難しい話をよくする。今はご飯に集中したいから聞くのは後だ。





「ごちそうさまでした!かーちゃんうまかった!」美味しい物を食べ終わったら作った人に感謝しよう!ってとーちゃんにこの言葉を教えてもらってから私は必ず言う。感謝はよくわからないけど、作ってくれてありがとうって事なんだって。


「ごちそうさま。かーちゃんのてりょうりはいつもうまいなー」とーちゃんもいつもいう事。でもとーちゃんと外でご飯食べてもとーちゃんは作った人に必ず言ってる。うまかったは口に出すと幸せになれるんだぞって、言われた人も言う人も幸せになる魔法の言葉らしい。だから私もとーちゃんに並んで言うようにしてる。友達はあんまり言わないんだって、当たり前のことをわざわざ言う必要ないじゃんって。


「かーちゃん、あたりまえのことをいわれてもうれしいのか?」今のかーちゃんはきっと大丈夫だから聞いてみた。


「そうねえ、あたりまえでもいわなきゃわからないわよ?わかっててもちゃんというからかーちゃんにつたわるのよ」んん?いきなり難しい話になったぞ?


「えり、あたりまえってなんだかわかるか?」とーちゃんが言う。当たり前ってよくわかんないな。


「わかんない、あたりまえってなんだ?」今は大天才のかーちゃんもいる、大天才だから難しい話をするんだろう。馬鹿な私ではわからないけどそんな時はとーちゃんだ。


「あたりまえってのは、かんたんにいうとな?とーちゃんはえりがだいすき、かーちゃんはえりがだいすき、んでえりはとーちゃんとかーちゃんがだいすき。あってるか?」


「あってる。でもかーちゃんはこわい」あ、本音がこぼれた。かーちゃんに怒られるかも。


「あら、かーちゃんがこわいのがあたりまえなのねえ、まあでもしょうじきでよろしいわよ。あたりまえっていうのはじぶんのなかできまっていること、きめていること、わかってることをあたりまえっていうの。でもそのあたりまえって、えりもかーちゃんもいわなきゃわからないとおもわない?じぶんのなかのことはじぶんだけしかしらないことじゃないかしら?」


「あたりまえはじぶんしかしらない…」


「そうよー、あたりまえなんてことばはつかうひつようないことばだとおもうわ。わかってることでもそれはじぶんしかわかってないことだもの、だからちゃんといいましょうね。えりがかーちゃんこわいっていわなければかーちゃんはこれからもえりに勉強しなさいっていってたとおもうわ」


かーちゃん大天才だな、とーちゃんみたいだ。でもなんだろう、わかったようなわかんないような…大天才だから馬鹿に理解できないこと言うのが好きなのか?それって馬鹿にしてるってことじゃないのか?


「かーちゃん、ばかなわたしにはかーちゃんのいうことがわかんないんだ…」


「そっかー、よしじゃあおとーさんにきいてみよう!」大天才が天才に聞くのか?


「ではとーちゃんのはなしをきけ。まず、いまとーちゃんがなにをかんがえてるかわかるか?」


「…ビールのみたい…か?」


「すげえなえり、あってるけどちょっとちがう。ビールのみたいってのはいつもとーちゃんがのんでるから、いまとーちゃんはのみたいんだろうな、っておもったんじゃねえかな?」


「うん」


「えりはちゃんととーちゃんをみてるのがうれしいぞ。はなしをもどすが、ほかにとーちゃんがかんがえてることはわかるか?」


「うーん…」


「むずかしくかんがえるひつようはねえぞ。えり、とーちゃんがなにをかんがえてるかわかんねえだろ?しょうじきにはなしていいぞ、これはおせっきょうとかおこってるとかのはなしじゃねえんだ」


「わかんない」とーちゃんが私に怒ることはないしお説教も受けたことはない。だから素直に言う。馬鹿なんだからしっかりとーちゃんとかーちゃんに聞いて教えてもらったほうがいい、天才と大天才なんだから。


「しょうじきでよろしい、いじわるなこといってごめんな?とーちゃんのいまかんがえてることは、かーちゃんもわかんねえとおもうぞ。いいかえり、とーちゃんがいまかんがえてることをえりとかーちゃんにどうやってわかってもらうか?はなせばわかる、とおもわないか?」


「うん、あ、てがみとかは?」


「おお、そういうほうほうもあるなあ、えりはちゃんとかんがえてるな、いいことだぞ」


褒められた。とーちゃんは私を褒める天才でもある。褒められるのは好きだ。


「てがみっていうほうほうもいいし、はなすのがかんたんにわかってもらうほうほうなんだ。あたりまえ、ってそのひとのあたりまえ、んでえりのあたりまえ、おなじじゃねえとおもうんだ。いまはあたりまえっていうことのはなしをしてるんだが、なんとなくあたりまえってなんだ?とおもえないか?」


「おもう、あたりまえってなんだ?とーちゃんもあたりまえなのか?」


「えり、あたりまえ、だけじゃなくてことばっていうのはなかなかむずかしくてな、ぽんとことばをだしてもわかんねえことばがあるよな?かーちゃんとおはなししてるときとか、はじめてよんだえほんとか、かーちゃんにもとーちゃんにもこれなんだ?ってきいたのはおぼえてるか?」


「おぼえてない!でもわかんないことはとーちゃんがおしえてくれる!」


「げんきでよろしい!とーちゃんだけじゃなくてかーちゃんもおしえてくれてるんだぞ?とーちゃんだけでえりがそだってるんじゃないんだ、かーちゃんもともだちもいろいろなひともいるんだ」


「とーちゃん、あたりまえのしょうたいってなんだ?」


「しょうたいはな、はなしてない、ってことだ。さっきかーちゃんにおふろはいってくるっていったよな?かーちゃんにえりがおふろにはいる、ってあたりまえがかーちゃんにわかった。だからかーちゃんがごはんできたからたべてからにしたら?っていった。これを会話というんだ」


「会話…とーちゃんとかかーちゃんとかとおはなししてることを会話っていうのか?」


「そうだ。会話はあいてがいないとわからねえ。あたりまえはじぶんのなかでじぶんと会話してつくられたものなんだ」


「じぶんと会話するのか?どうやって?」


「えりはかーちゃんにおこられるのいやだなっておもってたよな?それもじぶんとの会話のひとつなんだぞ」


「…むずかしい」


「むずかしくかんがえてもかわらねえからきにすんな。こればっかりはえりがじぶんでこたえをださなきゃいけねえからなあ」


「かーちゃんではわかんないしおとーさんもこのこたえはもってないのよ?えりがかんがえたこたえとかーちゃんおとーさんのこたえはいっしょじゃないかもしれないからね」


「こたえがちがうのか?」


「がっこうでおしえてもらうことじゃねえからなあ、おしえるやつのこたえはまちがってるとおもえ。こたえはかならずみつかるけど、だれかにみつけてもらうものじゃねえんだ」


「まあまあ、えり、だいじょうぶよ、こたえがみつからなくてもいきていけるわよ」


私の脳がもう訳のわからない状態になってしまった。なんの話だったっけ…お風呂?ご飯?それとも私?


「…お風呂ご飯私…」


「ん?えり?」


「おふろもたべるのか!?わたしもたべるのか!?」私がその場でへたり込む。


「おーおーわけわからねえじょうたいでぱんくしたなあ、かーちゃんみずまくらだしてくれ」とーちゃんは慣れた動作で私を抱っこする。かーちゃんが持ってきてくれた水枕で頭を冷やす。馬鹿はしょっちゅうこういう事を起こすんだ。


「あら、どこでおぼえたのかしらねえ?おませさん♪」おませさんてなんだ…今新しい言葉はやめてほしい…


まあでも馬鹿なので30分位したら元通りになるんだ。馬鹿だから考えるだけ無駄なんだし。


落ち着いてきたのでとーちゃんに頭を洗ってもらう。洗ってもらったお礼にとーちゃんの背中を洗う。かーちゃんもとーちゃんも私が背中洗うの気持ち良くて好きなんだって、いっぱい洗うぞ!


さっき考えてた事は後々で考えればいいかなと思って今は考えない。

もうちょっととーちゃんとかーちゃんの話が続きそう、いや次で変わるかもしれない。予定は未定、先の事なんて誰にも分らないものだ。

確実にえりは幸せになるんだけど、幸せなままなのかどこかでなにかがあるのか、はわからない。

最低でも異世界のお話はしないとね、タイトルにそう乗っかってるんだから。

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