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見た目はJKだけど…

なぎさの口が悪いのはしょうがないこと。

未成年の飲酒喫煙は法律により禁止されています!

というか金かかるから吸わないほうがいいよ!

私が飲酒喫煙について強く言う権利は無いんだけど!

でもダメなのです!めんどくさいから!

「よっすーてんちょー」


ノリノリでエリちゃんにコンビニの良さを語りながら歩いてきた。

…声出して。エリちゃんと会話するときは出来る限り頭の中で!を心がけないといけない。傍から見たらちょっとODしてストロングキメた私服のJKでしかないよ。まだ酔ってませんけど。そもそも飲んでませんけど。


「いらっしゃいませ、と言いたいところだけど。お嬢さん、時間的にアウトだよ」


おーうどうした店長、元店員の私を忘れたか?というか先月、いやこれはいいか、いやいや私の容姿変わってるから当然の反応だ!


「よっす西井てんちょ、あたしだ、なぎさ。見た目とか随分変わったけど」


「なぎさ…?俺の知り合いに用かな?」


「本人だよ、きーたーじーまーなーぎーさー」


「北島さんの知り合い?ん?本人?」


もしやまた私を騙ったバカがなんか言ってるって思われてるのか?だったら。


「西井、ちょい耳貸せ」


「えっと、俺そういう趣味ないんだけど…」


「いいから貸せ!」


「なんだよもー…」


「おい西井、てめえ誰のおかげでそのポジション立ててんだぁ?わかんねえならその増毛毟ってやろうか?これはあたししか知らねえよなあ?」


もうこれは恫喝だよねえ。でもこれは西井店長と私しか知らないとっておきの秘密なんだ。あと知ってるとすれば増毛を施術した人と会社だけなはず、そういう人たちは守秘義務により絶対に話すことができないんだ。


「…北島さんにしか言ってないのに、その秘密はどこから?」


「だからあたし本人だって。あれか?西井の前であたしがエリアマネージャー泣かせた話もしたほうがいいか?未だに西井が童貞なことも?免許大型二輪持ってる割に怖くて原付二種しか乗れない事も言わなきゃダメか?」


「ほ、本人かな、そこまで知ってるの北島さんしかいない…」


(なぎさちゃんが何を言ってるのかよくわかんない)


『ごめんねエリちゃん。あたしの見た目がいきなりエリちゃんに変わっちゃうとやっぱり別人としか思われないんだよ。だからあたしである証拠をこいつしか知らないお話で納得させてるんだ、美緒ちゃんとか長沢部長はすんなり受け入れてくれたんだけど、普通は目の前のおっさんと同じ反応するんだよ』


(なぎさちゃんの前の姿ってどんなの?)


『後で携帯探してみるからちょっと待っててねー』


(うん!なぎさちゃんの姿が楽しみだ!)


「どうしたの?急に黙り込んじゃって」


「あーなんでもない。あのさ店長、あたしのこの見た目って、アメスピ合うと思う?」


「無理して煙草吸うもんじゃないよ?」


「見た目の話だよ」


「壊滅的に合わないね!急にどうしたの?身長縮んじゃってるしすっごい可愛い、改造手術でも受けたの?魔法少女の類?」


「話すの面倒だから割愛。煙草さー…この見た目じゃやっぱり合わないよねー…加熱式に変えようかなって思うんだけど」


「いい機会だから止めればいいのに」


「それは嫌だから煙草を買いに来たんだけどー、これ相談できるの店長だけなんだけどー、ほかの店で買おうとして補導されなきゃいけないのー?」


「いい機会だから補導されちゃえばいいじゃん…北島さんなんで逮捕されないの?」


「知らないよ。んであたしに似合う煙草なんかない?」


「うーん…北島さん加熱式吸ったことは?なければ俺が見繕うけど」


「ないから任せる!あたしほかに買うものを探すわ」


「了解、お嬢さんすっかりマセガキになっちゃったねー」


「うるさいなー」


まあ私をあまり恐れない人は結構貴重なので軽口叩ける相手も必然的にいないからなかなか助かるのは認めちゃう。


(なぎさちゃん、お茶ってなんだ?あそこのあれ)


『エリちゃん漢字読めるんだ!凄いねー!なぎさお姉ちゃんびっくりだ!』


(えへへー、でもなんで漢字?が読めるんだ?私勉強してないぞ?)


『カエデ先生に聞いてみたらどうかな?ところでエリちゃん、アイスは好きかね?』


(アイスあるの!?)


『あるよ!これこれ!』


アイスのコーナーを目の前にしてエリちゃんが圧倒的びっくりの構えを…見えないから雰囲気がそんな感じって思っただけなんだけど。


『パッケージだけじゃ何がなんだかわかんないよねー、ここはなぎさお姉ちゃんのイチオシとそんなでもないものを買ってみよう!』


(アイス…全部アイスなのか!?全部たべたい!)


『うん、食べたいよねえ。でもエリちゃん、楽しみは後にも取っておくと楽しみが増えるんじゃないかな?次はあれを食べたいとかさ、エリちゃんにとっては新しいかもしれないものが沢山あるかもしれないよ?』


(楽しみかー…楽しみは後に取っておくといいのかー…)


『目の前の楽しみはとっても大事だけど、選択肢は多い方がいいんじゃないかなーって思うんだよ。身体はひとつしかないしさ、目の前だけじゃなく目の前以外の楽しみもあるんだよーってなぎさお姉ちゃんは思うんだー』


(あ、じゃあビール飲みたい!)


『ビール?エリちゃんはビール飲んだことあるの?』


(とーちゃんと一緒に飲むよ!)


エリちゃんの住んでるところの法律では禁止されてないらしい。まあ法律違反して飲んでる可能性もあるんだけど。まあそれは流石にわかんないし飲みたいんならいいんじゃないかな?少なくとも私が成人女性の身体…じゃないんだった…15歳の身体だ、でも…今は特に考えないでおこう。昔は昔、今は今なのだ。


『ちょっと財布と相談させてねー、煙草いくらだろ…それを考えると…明日の服とかも考えたら…頭が痛くなりそうだからビールは2本!とりあえずそれでいいかな?』


(うん!とーちゃんと飲むビールは美味しいんだ!)


『エリちゃん大人だねー、あたしあんまり濃いビール飲まないからなー、まあ飲むなら苦いほうがいいよね』


(苦いけど美味しいよ?)


『なんだろうエリちゃんのこの余裕ぶり…』


私はいつも飲んでる薄い発泡酒じゃなくて苦いビールをチョイス。この身体がどれだけ受けつけるか把握しておきたいのもあるんだけど、手始めに350ml缶だな。昔はビールだったけど自分の財布で買うようになってからは高いのでねえ、発泡酒を買うようになったんだ。飲んでみたら飲みやすくてすっかりハマっちゃった。エリちゃんも発泡酒の魅力に気づいてくれ…るといいなあ…エリちゃんはまだまだ子供だからねえ…とっても素直ないい子なんだよエリちゃんは…大事に私が育てるんだ。義務感とかはあるけど、なによりエリちゃんと仲良くなりたいし、エリちゃんを立派な大人に育てたい!


「…お嬢さん、会計しないと帰れないんじゃない?頭でも悪くなった?」


「頭悪いのはいつもの事だよーだ。煙草決まった?」


「癖強いメンソールがお好みだったっけと思ってね。強いメンソールと癖も強いメンソールどっちがいいかなと思ったんだけど」


「後者で」


「オッケー、レジへどうぞお嬢さん」


「やめろよ気持ち悪いなー」


デバイスの値段見て焦ったんだけど店長がお古だけどって言ってくれたのがありがたい。使い方を教わり帰宅の途に着く私達。


(なぎさちゃん、煙草を吸ってくれないか?)


「ごめんエリちゃん、路上喫煙禁止なんだよー」


(ろじょうきつえんきんし?)


「そう、道路で煙草吸っちゃいけませんって決まってるんだ。だから喫煙所で吸うか帰ってから吸うかじゃないといけないなんだよー」


(そっかー、煙草はあんまり吸えないのか)


「マナー悪いバカが多くて、っていうのもあるし、そもそも煙草って他の人には迷惑な臭いだからねー」


ん?声に出してたな!?ヤバいぞ私!美緒ちゃんに頭の心配されちゃう!


(私は好きなんだけどなー…)


『全てがエリちゃんだけで回ってる訳じゃないからねー。煙草は合法的に買える毒だし、この煙草で充分人は死ぬんだよ。歩き煙草はあたしが嫌だからねー」


(なるほどー、これはもしかして勉強なのか!?)


『勉強になるのかなあ、こういうのは好きじゃないかな?』


(なぎさちゃんの勉強は楽しいから好き!学校の勉強は嫌いだけど!)


「そっかー学校の勉強嫌いかー…なんで嫌いかは言えるかな?言いたくなければいいんだけど」


(学校の勉強は難しいんだ…)


『うんうん、難しいんだね。難しいって思っちゃうからかもしれないよ?それについてお話をしよっかー」


家に帰るまで5分くらい。エリちゃんに色々話を聞いてみよう。

飲酒については脳が成熟してないと統合失調症に罹患する可能性高いからよろしくないんですって。14歳で成人だったむかーしむかしのとある国は統合失調症患者だらけだったかもしれない。

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