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20歳のおやくそく

少しづつエリが漢字を覚えていく感覚。

私は悩みに悩んでいる。そりゃもうすっごい悩んでいる。

身体はエリちゃんになって超健康。なんか頭も結構クリアになっている。身体の構造がそもそもエリちゃんなんだから当然だろうね。


だから。


煙草やめられるかと思ったらそんなことは全く無い。


ニコチン中毒ってこんな酷いものなの?今の身体にニコチンいらないんじゃないの?タール?も不要なんじゃないの?


でも吸っちゃう。悔し…くはないんだけどね、もう今更止める気がなかった。エリちゃん…今の私はもう完全にJKだよ。制服着たらそれはもうバカみたいに誘拐とかナンパとかされまくるよ。見た目が煙草と合ってないよー…でも吸っちゃう悔しいびくんび…そういう発想よくないね。もうしょうがないんだよ。おのれ憎きお姉ちゃ…お姉ちゃんに当たってもしょうがないしそもそも憎くないし。だって私はお姉ちゃん大好きだもん。煙草はお姉ちゃんよりお母さんが吸ってたのが大きいんだよなあ。お姉ちゃんは子を成したいってスパッと止めたのが偉いもんだと思った。まあその息子である力也が私の煙草に興味津々なのがねえ…強く言えない叔母ちゃんだよ私は。


(なぎさちゃーん)


「あれーエリちゃん、もう夢の中に来ちゃったんだね」


病院から出た時刻は21時。月曜は健康診断のため大学病院に行かなきゃならなくなった。身長伸びるならともかく縮んでるので長沢部長に「とにかく詳しく検査してもらおうね」と診察受けた医師にめちゃめちゃ圧かけてお手紙書かせてた…普段そんな顔しないから私も怖かった…美緒ちゃんはもうずっと私から離れないとかのレベルじゃなくてくっつきすぎ、君愛情全開の猫さんかい?ってくらい、もしくは私から離れるな!って指令を受けた犬さん…病院って25℃設定がほとんどだから暑かったんだよ…美緒ちゃんのべったり具合はいつもの事だけど、エリちゃんの見た目になってからちょっと怖いくらい。でだ、なんとか美緒ちゃんを引っ剥がして部長にお礼言って、吉田くんはまあ終始慌ててたな、今度コーヒーでもご馳走しようか。

エリちゃんの魔法で出してもらった服しかないし、明日…もうすぐ日付変わるな、美緒ちゃんと服を買いに行くことが決定しているので今日はゆっくり寝かせてくれって頼んで…あー明日が嫌になってきたなあ…と思って煙草に火をつけて一服してる時にエリちゃんから声がかかってきた。


(なぎさちゃん、これなんだ?)


「アメスピ、えーとね、煙草っていうものだよ」


(たまにかーちゃんが隠れてたばこ?を持ってた)


「そっかーかーちゃんは隠れて吸う派か、あたしも隠れるべきなのかな?隠れようがないな…」


(吸う?)


「エリちゃん15歳なんだよね、15歳の見た目で煙草…うーん」


(なぎさちゃん、たばこは吸うものなのか?)


「えーとね、煙草は20歳になってから!って決まっててね」


(なぎさちゃんは20歳になってないのか?)


「余裕で超えてます…」


(吸っていいなら吸ってもいいんじゃないか?)


「そうなんだけどさあー、見た目が…あー、気にしない事にしよう!気にしたら負けの精神を持とう!持ってた!」


(なぎさちゃんは大人だな)


「今の流れに大人の要素あった?いいけどね。…うーん、せめて加熱式に替えようかなあ…?」


(かねつしき?)


「煙草って火を使うんだよ、今言った加熱式は火を使わないタイプでね、匂いがあんまりしないんだよ」


(私この匂い好きだよ?)


「新しい感覚だからかもねー」


(新しい感覚!もっと感覚したい!)


「そういう時は新しい感覚を覚えたいって言うといいねー。そうだ、あーでも、エリちゃんが明日起きてたら買い物行けるんだけどねー」


(私は寝ちゃいそうだ…どうせならずっとこのままいたいなあ…でも起きないととーちゃんとかーちゃんが心配しちゃう)


「よーし、じゃあ手頃な新しいを探しに行こうか!」


(新しい!?探検か!?)


「探検、いいねー、場所はコンビニだー」


(よくわかんないけど早く行こう!)


「あ、そうそうエリちゃん、今服は出せる?」


(服を出す魔法は服を移動させる魔法だった…私が着ている服を移動させる魔法…)


「ほー、服を移動させる魔法だったのか。その魔法しっかり覚えてさ、エリちゃんが移動できる魔法までになったらエリちゃんうちに来られるんじゃないかな?夢の中ではなくて、ちゃんとしたお友達として」


(それはいいな!よし、私は勉強を頑張る!なぎさちゃんはまずこんびにだ!)


「よっしゃ着替えてコンビニ行こっかーえーと眼鏡、はいらないんだった…せっかくだから加熱式煙草も買うか、この見た目だと絶対買えないよなあ…あそこなら買えるかな?あの店長じゃないと絶対だめだよなー…」


(なぎさちゃん早くー)




で。コンビニに着いた。今のところ私に化粧は必要ない!すっぴんでいられるって素晴らしい事だ!エリちゃんに超感謝!でも出来れば元の容姿に戻りたいんだけどそれはもう叶わないみたいだから、顔写真残ってるのが履歴書だけかな。公的写真は今のところ持ってない。いい加減運転免許くらい持ちたいなと思ってはいたんだけどね。今の見た目だと補導されちゃう…原チャリの免許だけでも…1日で取れるんだよね確か。明日本屋で参考書買おうかなあ、美緒ちゃんがなんて言うかなあ…まずは目の前のコンビニだ、エリちゃんきっとソワソワしてるはず。それこそ正座待機かもしれない。

良い子はなぎさの真似しちゃダメだゾ。お酒も煙草も20歳になってから!

なぎさちゃんとの約束です!なぎさが飲めるのか?あー、どうしよう?

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