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夢の話なんだけどみんな普通に話してくれるな?

本日二話目!

「おーいエリ、ちょっといいか?お?寝ちゃったか、早起きしたからしょうがねえよなあ」


私が夢でなぎさちゃんとお話してる間にとーちゃんたちの話は終わったみたい。とーちゃんに気づくことなく私はとーちゃんに抱えられて診察室のベッドで横になる。


「おや、エリュアちゃんは自力で異世界に行ったんだね。魂が身体から離れているよ、想定と随分違うなあ、エリュアちゃん一人では今のところ無理どころの話じゃないんだけどね、異世界という概念を持っていないし魂をちょっと寄せただけなのに。エリュアちゃんはやっぱりとんでもない才能の塊だったんだ」


「カエデ先生、今のエリは生きていないという事…ですか?」


「アイナ君右手の火炎は仕舞ってね、エリュアちゃん確実に生きてるからね。エリュアちゃんの事になるとアイナ君はとことん知能が低下するねえ。親の愛が重すぎるって言ったばかりなんだけどね」


「かーちゃん、落ち着けって。エリは寝てるだけなんだぞ?そんなに気性荒かったか?もうとにかく座れ、全く…寝てたら禁術使っていいなんて俺言ったことねえんだけどなあ…」


「…エリは帰ってくるのよね?」


「完全に魂が向こうに行ったのならここで魂を呼び寄せる必要があるんだけどね、エリュアちゃんはちゃんと帰ってくる道を残しているんだよ。誰からも教わっていないと思うんだけどね。私もかなり驚愕しているよ…エリュアちゃんの才能を見誤りすぎた私もまだ未熟だと思い知らされたね。魂から様子は伺えるかな?ちょっとエリュアちゃんの頭を診てみるね…」


「かーちゃん、よく見ろ、カエデ先生だ、俺たちの敵じゃねえ、カエデ=ファニタイズ先生だぞ。カエデ先生から今まで俺ら家族が受けた恩はどれだけある?思い出せ。少なくとも俺の恩人だしアイナの恩人だしエリの恩人だ。それ以上は求めなくていい」


「…ガブリエくん、私の魔力がおかしいわ、誰かに何かを引っ張られてる感覚…弱いけど引っかかる…」


「あー、カエデ先生、すんませんけど急患っすわ、アイナが呪い受けたみたいです」


「…ん?ああごめんね、アイナ君の呪いは片手間に引っぺがせる程度だから、普段ならこんなもの自分で跳ね返しちゃうんだけど、アイナ君の心が随分疲弊しちゃってるんだね。娘への愛が凶暴だねえ。まあ実にアイナ君らしいんだけどね、気になることがあるからその呪いは少し放っておくよ。一応アイナ君が全力で暴れたらガブリエ君は止めてくれる気があるかを聞いておきたいね」


「そりゃアイナの全力なら俺が止めるしかないでしょう…」


「うん、ガブリエ君の意志を確認しておきたかったんだ。止めてくれるならありがたいよ。夫婦揃って暴れるとなるとさすがに骨が折れるなと思っただけだからね」


「あー…カエデ先生なら余裕で止めてくれますもんね」


「余裕じゃないよ、ガブリエ君は呪術師をなんだと思ってるのかな?」


「俺たち夫婦を止める最終安全装置…っすかね?」


「最終安全装置をほいほい使わないでほしいなあ」


「カエデ先生がいなかったらこの世界何回くらい滅んでますかね?」


「数えるの面倒だしそんな覚えはないんだけどね。1回きつめに叱ったことがあるけどそれ君たちが6歳の時だよ?その話蒸し返す必要ある?叱った回数だとエリュアちゃんが産まれてから私は何度急遽休診する事になったと思う?」


「すんません…」


「エリュアちゃんが6歳迎えるまで君たちは謝るって余裕すらなかったからね。君たちもちゃんと成長しているんだけどね、愛が強すぎるのがどうにもね。特に今禁術でダイギュ王国を封印する準備整えたアイナ君」


「おいアイナ、…ダメだ、理性切れてるな」


「エリュアちゃんの様子は掴んだからアイナ君の方だね、これ」


「お、頭の中に場所入れてくれるの助かります。んじゃアイナとエリをよろしくお願いしますわ、さっと潰してくるんで」


「呪いは弱いけど観察力が非常におかしいから残さずにね。エリュアちゃんに直接危害を加えかねない勢力だから。今から2分以内に全て潰さないと逃げられると思うよ、できるかい?」


「うっす、では」


「さて、アイナ君、少し眠ってもらうよ。ちょっとしたおまじないを添えておくね」





…あれ?診察室だ。かーちゃんとベッドで寝てる。なぎさちゃんといっぱいお喋りしたって報告したいんだけど寝てるかーちゃんを起こすのは良くない、とーちゃんはどこだ?


あれ?()()()()()()()()()()()()


「エリュアちゃん、よく眠ったね」カエデ先生なら知ってるかもしれない。だってとーちゃんとかーちゃんとカエデ先生とサプライズデートするって言ったんだから。なぎさちゃんはいいなーあたしも行きたいなーって言ってくれたけど。あ、今気になること聞こう、とーちゃん多分トイレだ。


「カエデ先生、なぎさちゃんとお知り合い?」なぎさちゃんがカエデ先生知ってるからカエデ先生もなぎさちゃんを知ってると思ったから。


「北島なぎささんかい?私よりエリュアちゃんの方がよく知ってると思うよ。私はちょっと世間話したくらいだからね」


「そうなんですか?なぎさちゃんはカエデ先生に色々聞いてみたらいっぱい答えてくれる人だと思うよって言ってたから」


「おや、なぎささんと仲良しさんになったのかな?」


「いっぱいお喋りしたんだ!なぎさちゃんはお姉ちゃんがいるんだって!美緒ねーちゃんもお姉ちゃんだって言ってるんだけどなぎさちゃんは美緒ちゃんはお姉ちゃんじゃないんだよって」


「うんうん、エリュアちゃんの夢は楽しいかい?」


「うん!」楽しかった事がそのまま顔に出たみたいでカエデ先生もにっこりしてる。


「エリュアちゃんが楽しいならよかった。偶然だけどいい出会いができたね」


「カエデ先生、私は夢の中で魔法を使えたんだ。なぎさちゃんがいっぱい褒めてくれるし起きたら魔法使ってごらんって。大人がいるときに使おうねって約束もしたんだ」


「そうだね、魔法の種類にもよるけど、アイナ君が魔法を使っているよね。エリュアちゃんの前で使っている魔法ってもしかしたらエリュアちゃんも使えるかもしれない。試してごらん」


「えーっと、服を出す魔法でいいですか?」


「創造系かな?いいよ、今は私だけだし多少の無茶はカバーできるよ」


「じゃあ…ぽいっと」服が出てきた!あれ?さっきなぎさちゃんに出した緑の妖精コーデ?


「うん、発想がいいと思う。エリュアちゃん、とりあえずその今出した緑の妖精コーデを着ようか」


「え?」着る?なんで?と思ったんだけどカエデ先生が鏡を出してくれてわかった、私の服が脱げて出てきたのか。お風呂入るときに便利な魔法だな?


「エリュアちゃん、お風呂入るときに便利だなって表情だけど、この魔法はガブリエ君とアイナ君の前では今のところ見せないほうがいいかもしれないね」


「お風呂入るときに便利なのに?」


「便利だけどね、その服はいつもと違う脱ぎ方をしているんじゃないかな?普段ならちゃんと畳んだりとかしない?普段から脱ぎ散らかしてるならいいんじゃないかなあとは思うんだけど、両親にそういう考えがあると思えないんだよね」


「床に服を置いちゃダメだぞってとーちゃんに言われたことある」


「それは叱られたのかな?」


「ううん、とーちゃんは怒らないし叱らない。ん?怒ると叱るって違うの?」


「それはガブリエ君かアイナ君に聞くべきことだね」


「えっと、服を造る魔法じゃなくて服を移動させる魔法かー…」


「今のところは服を移動させる魔法だねえ、エリュアちゃんはホントに凄いねえ」


「魔法使えるから?」


「魔法を使うには学校の勉強を理解しないとなかなか出来る事じゃないんだ。エリュアちゃんは学校の先生と宿題が嫌いだって聞いたんだけど、この様子なら学校は行かなくてもいいかもしれないね」


「学校に行かないと法律が許してくれないって学校の先生が言ってた」


「ふむ、その先生の名前はわかるかな?」


「ダバン先生とヌシヌ先生…」


「なるほどねえ、この子ら随分ご立派な事を言うもんだねえ」


「カエデ先生は知ってるの?」


「私の教え子だからね。まあ明日には居なくなるんだけど」


「そうなの?」


「そうなの。今日中に消えるよ。エリュアちゃんはこれを聞いて、学校に行きたいと思えるかな?思えなくても大丈夫だよ、私もガブリエ君と同じく今のエリュアちゃんに怒る叱るという事はしないとエリュアちゃんに誓おう」


「とーちゃんトイレから戻ってこないな?じゃあね、初めての内緒話するね?」


「いいよ、内緒ね、お話してる間に妖精さんに戻ろうね」


「学校なんてなくなればいい」


「なるほど、内緒話だね」


「よくないこと言っちゃったかな…?」


「エリュアちゃんはガブリエ君とアイナ君に言えない秘密、というものを覚えたんだ。私は良いことだと思うよ、親に隠し事は子供の特権だからね、逆に子供に隠し事は親の特権でもあるんだ」


「とーちゃんとかーちゃんの知らない事を知ってる、私の知らないとーちゃんとかーちゃんの事を知ってるカエデ先生が一番凄い?」


「いい考えだね、エリュアちゃんは寝てる間にとっても成長したね。多分寝てた時間って30分ないと思うんだけどね」


「うーん、夢だから時間の流れが違う…?」


「エリュアちゃん凄く冴えてるね、なぎささんといっぱいお喋りしたからかな?私と違う目線でお話できる相手がいるというのは結構重要なんだ。学校っていうのがそういうお話も含めて学べるところなんだよ、本来ならばそうあるべきなんだ、たまたまエリュアちゃんの巡り合わせが良くなかったのかな、でもなぎささんと出会えたという強みがあるからね」


「やっぱり学校は行くべきですか…?」


「エリュアちゃんが行きたいならばそうするといい。行きたくないなら私と勉強がいいんじゃないかな、エリュアちゃんを悲しい目にあわせる者などハザンバ家にとって、いやこの星の害だからね」


「とーちゃんより凄いこと言ってるよカエデ先生」


「ガブリエ君にしては控えめでびっくりだよ、おっとそろそろ内緒話はおしまいだね。アイナ君が目を覚ます頃合いだ」


カエデ先生が言い終わったと同時にかーちゃんの目がひらいた、ゆっくりだけど。かーちゃん疲れて寝てたのかな?


「かーちゃん、私をきゅってしてスリスリなでなでしてほしいんだ」


「…あら?エリが可愛いこと言ってるわ、よーし腕によりをかけてやっちゃうわよー」


あーかーちゃんにきゅってされるのは幸せだな…


「おとーさんにもしてもらわないとね?」


「カエデ先生もしてほしいな」


「私がかい?ガブリエ君とアイナ君の許可が出ればいいね」


「あら、私はいいですわよ?おとーさんも大丈夫だと思うけど、ねえおとーさん?」


…かーちゃんが空気に向かってしゃべってる…かーちゃんが寝ぼけてるのは初めて見たな…貴重だな…貴重だからしま…今日は貴重がいっぱい過ぎてしまう余裕がないぞ?


「アイナ君、多分エリュアちゃんにしまわれちゃうよ」


「え、何を?エリ?」


「かーちゃんが寝ぼけてるの貴重だから、とーちゃんが貴重なのはしまっとけって」


「なるほどねえ、ねえエリ、おとーさんの貴重がかーちゃん把握できてないんだけど、かーちゃんを貴重って思ってくれたのね?」


「かーちゃん昨日からいっぱい知らない顔出てくるから」


「それはかーちゃんが全部悪いのよ、ごめんねエリ、エリの幸せを第一に考えないといけないのにねえ、かーちゃん失格だわ」


「でもとーちゃんがかーちゃんは失敗すると強くなるからかーちゃんをしっかり見とけよって言ってた。かーちゃんが失敗するんだからモノを知らない私は失敗ばっかりだけど、失敗は成功の母ってなぎさちゃんも美緒ねーちゃんも言ってた!」


「私のエリが立派すぎる…もう死んでもいいわ…」


「かーちゃん死ぬな!死ぬまで生きるんだ!」


「お前たち哲学の道に行くのか?お笑いの道なのか?一仕事してきたぞ」


「おかえりおとーさん、バッチリ?」


「おう、抜かりはねえ」


夫婦の会話には私が入れない。なんか私はこれについて知ってはいけない気がするんだ。だから私は沈黙する。なぎさちゃんが沈黙は金なりって言ってた。雄弁は銀なりとも言ってたんだけど正直よくわかんない。


「夫婦の会話そこまでね、エリュアちゃんが空気読んでるから」


「おっとエリ、ごめんなー急に仕事入っちまって」


「急に稼いできたから今夜はお魚にしましょう!」


…これが隠し事をするという事なのか、なぎさちゃんのほうが頭いいじゃん、私は全然わかんなかったよ。なぎさちゃんは私が思ってる以上に大人なんだけど、一緒にいるだけで楽しいって初めてかもしれない。急に初めてとかいっぱいで疲れちゃったな…カエデ先生にきゅってしてもらうのは今度にしよう…


「ごめんとーちゃん、ちょっと寝る…」


私の意識は急に落ちていく。でも幸せだ。いっぱい幸せになろうねってなぎさちゃんと約束したんだ。私はなぎさちゃんと結婚するのか?寝たらまたなぎさちゃんとお喋りできるのかな?楽しみだ…

エリにとっては鮮明だしリアルすぎるけど創造の範疇外だから夢なんだなーで脳にリミッターをかけているんです。だから会話も人物もはっきり覚えてるけど、あくまでもリアルな『夢の中の想像上のお話』。多分数話で受け入れる器が出来上がるんじゃないかなあ。

エリの突拍子もない会話を受け入れる大人ばっかりだしなぎさはホントにバカなの?と書いてて疑問に思うんですよ…バカフィルターをかけた天才っていう設定じゃないんだけど…なぎさの設定で最初に「こいつすげえバカ」って書いてるし…運も実力なんですよ、って豪語するバカ。

カエデ先生か脳を覗いたことでエリの思う事とカエデ先生の予測が常にズレてそのたびに白目になっておそろしい娘…!って言いそうだけど言わないでほしい。

このテンションで文章書くの良くないと思います。

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