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オルサポルタから始まった  作者: 泰藤
新しい人生は突然に

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雪まつりと氷の街

ミスターポム達とのポム橇体験を終えたある日。


近々、軍の訓練を兼ねた雪まつりが開催されると聞きつけた。

雪が降り始めた頃から都市部郊外の広い土地に氷の街が作られる。

魔法で作られた氷の建物は幻想的で観光客の宿泊地としても人気になっているエリアとなる。


お城を出た先にある大きな街の砦を越え、氷の街がある場所までの大通りは魔法で除雪され馬車も走ることが出来るようになっているので、子供達も氷の建物が完成したら連れて行って貰えると聞いて皆大喜びで跳ねていた。


当日、子供達はおこずかいを渡されて、馬車で街まで連れて行ってもらった。


街には魔法で作られた氷の彫刻が大通りにいくつもある。

広場には雪で固められた丘のように大きな滑り台を草滑りで使うような小さなスライダーを使って遊べるようになっていて大人も子供も楽しめるようになっている。


前にコンラッドに買ってもらって食べた、カイリーという魔物の尻尾を模した形のパンのような生地を油で揚げて売っている屋台も沢山出ていた。



「滑り台は一人2回、お菓子を買ったら馬車で氷の街まで行くので迷子にならないように!」


「2回! お菓子!」


「お菓子! 氷の街!!」



皆、氷の街に行きたいので真面目に雪の滑り台で2回遊んで、おこずかいで近くの屋台で好きなお菓子やカイリーテイルを購入して馬車の中で食べる。

皆ちゃんと2回で辞めて屋台でお菓子を買う素直さにちょっと笑ってしまいそうになる。


前回は食べやすいように一口サイズにカットしてあったけど、今回は揚げたてをそのまま新聞紙に包んで屋台のおじさんが渡してくる。


楕円形のコロッケより二回り以上大きい平べったい揚げパンに今回はりんごの煮込んだものがゴロゴロたっぷりのトッピングを選んだ。


新聞紙からリンゴのコンポートが零れないように外はサクサク、中はモチモチのパンを一生懸命食べる。

隣のピピロッテを見ると、ベリーのジャムで口の周りが真っ赤になっていた。


お菓子を必死になって食べている間に気が付けばもうすぐ氷の街だ。

ピピロッテと顔のソースの指摘をし合い、二人でエヘヘと笑いながらハンカチで口の周りの汚れを拭いて馬車を降りる準備を始める。


馬車を降りた先には白い雪の上に淡く水色に輝く大きな氷のお城やお店が並んでいてなんだかとても幻想的。


尖塔(せんとう)の先から根元まで、すべてが淡く透き通る氷でできている。淡い日差しを浴びて、城壁の一つ一つがキラキラと光を放っていた。その美しさは、おとぎ話の挿絵のようでとてもロマンチック。

城の細部に目を凝らすと窓枠、扉、装飾のレリーフまで、すべてが精緻な雪と氷の彫刻だ。

期間限定で作られた、氷のお城ホテルのエントランスへと向かいホテルの内部を見学する。



「わあ……!」



思わず漏れた声は、澄んだ冷たい空気に吸い込まれ、ちょっとだけ響いた気がした。

左右に太い氷の柱と、天井には透明なガラスのシャンデリアが飾られていて淡い光が美しい。


正面には、受付のフロントカウンターがある。これもまた、巨大な一枚の氷を彫り出したもので、淡く透き通った水色に輝いていた。カウンターの背後には、氷の壁に雪で整えられた白い繊細なレリーフが彫り込まれており、夜空に輝く星と海が浮かび上がっていた。



「綺麗だけれど、とっても寒いのね!」


「毛皮に沢山包まって眠るってお姉さまが教えてくれました!」


「ピッピのお姉さまは泊まったことがあるの?」


「お姉さまも見学に来た時に教えて貰ったそうです」


「寝てる間に顔が凍ってしまいそう!」


「目が開かないかもしれません」


「わぁ~!」


素敵だけど宿泊となると何だか不便で大変そう。

観光に来た人達が雪の国といえばこれ!!と大喜びで泊まるアクティビティとして人気を博すイベントである。


子供達と氷のホテルや氷でできたお店を見学して仲良く馬車で帰宅をする。




心地よい温度に調整された室内で暖かい飲み物を手にほっこりしながら、雪の降らない国のイベントはどんなものかと夢想する。


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