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オルサポルタから始まった  作者: 泰藤
新しい人生は突然に
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キラキラの光跡


ランチまでの暇つぶしに、タウンハウスの別棟などに住む、ここで働く人々の子供達を庭に集め、アナスタシアはお気に入りのキラキラ光る魔法ステックを振り回し、『キラキラマジカルスティック』活動をここでも行う事にした。


若干、ジャイアニズム感が否めないがここの主の娘なので許して欲しい。


キラキラと光り、エフェクトが輝く棒を振り回すとキラキラの光跡(こうせき)に沿って子供達の頭も動く。


「ふぅわぁ~。綺麗!」


「可愛いです~」


「僕も!僕もそれ欲しいです!」


「キラキラなのー」


と、ここでも大人気である。


「えっへん!でしょー!」


ちょっと、調子に乗ったアナスタシアは、合わせて『ふんわりワンピース』のデモンストレーションを行うべく、走り込みスライディングを行う寸前に大人に見つかり止められてしまったので、残念ながら『ふんわりワンピース』の素晴らしさを披露する事が出来なかった。



ただ、ここでも『キラキラマジカルスティック』販売促進活動は上手くいきそうである。

子供達に早速、魔法の残渣(ざんさ)の粒を集めさせるべく話をすれば、残念ながらここの敷地内では見たことがないという。確かに、アトレータのタウンハウスで魔法をぶっ放す時は非常事態の時位である。


どうしたもんかと考えていたが難しいことは考えない。なんせ四歳だもの。

丁度、子供もそんなに多くもないし。こんなこともあろうかと『いっぱい入る不思議ポシェット』には多めにキラキラマジカルスティックが入っている。

念のため小瓶に数粒の魔法の残渣(ざんさ)を見本に入れて、見つけたら皆で貯めておくよう約束し、マジカルスティックを配る。



「皆、これを使って遊ぶ時にこれは何って聞かれたら?」



「「「「キラキラマジカルスティックー!」」」」



「皆、これはどこで買えるの?って聞かれたら?」



「「「「オルサポルタのソナーシャー!!」」」」



「キラキラしたらー?」



「「「「回す!・躍る!・走る!」」」」



「せーの!!」



「「「「イエーイ!」」」」



それぞれが、思い思いに回し、踊り、キラキラの光跡(こうせき)を残し、走り去っていった。



アナスタシアは、一人ポツンと残る。

……おい、さすがに泣いちゃうぞ。

欲しい物をゲットしたら皆、現金なものである。しょうがない、皆キラキラに夢中になってる。

ここは大人の心で……。くすん。くすん。


オルサポルタから一緒に来た侍女達に慰められながら、


「さぁ、さぁ、馬車に乗ってアトレータを探検致しましょう!美味しい食べ物がございますよ!」


なんて言われれば、アナスタシア自身も現金なもので、目新しい物と食い意地に負けてご機嫌で馬車に乗ってしまう。



ハッ!さっきの子供達と変わらない自分に吃驚(びっくり)した。

仕方がない。美味しいご飯が待っている。


あっさりと子供達に置いて行かれた事を記憶の端に置き去りランチへと心は移りつつ、お父様に会ったら、『キラキラマジカルスティック』の人気ぶりを話さなくては。



もしかしたら、ソナーシャのアトレータ支店が出来るかもしれない。

うっしっしっしっ。

とぶりっ子ポーズの定番、両手をグーにして口元を隠しながらにやにやと笑うアナスタシア。



コンラッドにも自慢をしておこう。アトレータ支店の後押しをお父様にしてくれるかもしれない。

ドナにももっとたくさん作って貰わないとね!!



ドナがオルサポルタでくしゃみをしてブルリと震える。

「なんか、夏なのに寒気が……。風邪? え、なんか良くない…。そんな気がする」



同じ頃、コンラッドも寒気に襲われているのであった。





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