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オルサポルタから始まった  作者: 泰藤
新しい人生は突然に
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王都アトレータ


翌朝、遂にアトレータの中央駅に到着する。


朝早くに、お父様とお母様に昨日は1日、会えなくて寂しかったね。ごめんねとおでこにキスを貰いちょっと気恥ずかしい朝を迎え、2人はアトレータでの準備があるとの事でまた、行ってしまった。


これ、本当の子供だったらこんなにいい子に出来ないからね。泣いてるよ。と思いつつも忙しそうな両親を見送り、朝食を食べる。



一昨日の出発と似たような時間にアトレータの中央駅に到着したジェイブルーエクスプレスは沢山の人達が豪華な列車を見る為に集まっているのを見つめるのであった。


列車自体を走らすのが初めてなので、最初は線路を引いたあとは貨物からの試験運用が始まり、安全性が確認できたので、馬車で4週間かそれ以上かかる距離を関所や宿泊施設に滞在せず一気に走り抜けることが出来るのであれば、まずは貴族や富豪などが利用し、少しずつ裾野を広げていけばよいのではないかと偉い人達が決めたらしい。


ノンストップは今回特別にここまで早く走れるんだよ!と今回乗車した人達へのデモンストレーションの意味もあったらしい。


途中下車したい人達向けに今後は4日程度の時間で移動する列車を中心に運行していくらしい。


そのような事をアトレータで待っていた人達にも説明をしているお父様はこの後もアトレータ中央駅でも夫婦でパーティーに出席するのでとっても忙しい。


お子様のアナスタシアは大人のパーティには参加が出来ないので、一足先にアトレータのタウンハウスへ移動する事になった。



「アナスタシア、ごめんね」



「いいえ、お父様もお母様もお仕事頑張ってね。連れてきてくれてありがとう」



そんな会話をし両親にハグをして馬車に乗り込む。

馬車から見える風景はオルサポルタとは違って面白い。アトレータの中心部に向かって進んでいくと遠くに、堂々としたお城の姿が目に飛び込んできた。

尖がり屋根の絵本に出てきそうな白いお城は優美で華やかな雰囲気を醸し出している。


オルサポルタのお城は四角い強そうな重厚でお堅いイメージのお城なので、全くといっていいほど違う。



「おぉー。凄い綺麗なお城。夢の国みたい」



お城も軽やかで華麗であるように、アトレータの街も華やかな雰囲気を醸し出している。

街を歩く人達の顔も皆明るく、とても良い都市であることが分かる。



街を眺めているとお城の手前の貴族街と思われるような高級な住宅街へと馬車は入っていく。


馬車は凄く大きくて豪華で、とても強そうな鉄の門が遠くに見えるところまで来ると馬を(あやつ)っていた馭者(ぎょしゃ)が合図を出す。

気が付いた門番達がゆっくりと門を開き、馬車は門越えて中へと入っていった。


スピードは(ゆる)めるがノンストップである。

ノンストップなところがとてもセレブで貴族らしいなとアナスタシアはひとり心の中で働く人々へ称賛(しょうさん)を送るのだった。


そのままエントランスであるクラッシックな高級ホテルのような入口の前に留まり到着する。



「お待ちしておりました」



とタウンハウスの人達に歓迎をされ、用意されていたアナスタシアの部屋へと向かう。

両親やアナスタシアの荷物などが運び入れられ、皆が忙しそうにしている中、私は景色の素晴らしい庭を眺めながら部屋でのんびりとお茶をするのである。


アトレータのタウンハウスである、アナスタシアの部屋は白をベースとした壁紙一面に淡いピンクや淡い紫の色の花々が描かれておりとてもゴージャスである。


ふと思って近づいて確認すると全て手書き。壁紙じゃないのね、とあまりの裕福さに(おのの)く。

壁紙ない時代なのかな?と一瞬、色々な事が頭を駆け巡るが私は子供!まだ、4歳!と言い聞かせる。


危ない、危ない。

まだまだ、子供を満喫する所存である。




明日はマッケンジー夫人と一緒に街に出て、アスポロスやアトレータについて教えて貰う予定になっている。


午後からは皆が落ち着いたら、外でランチを食べたいとリスエスト中である。

楽しみで自然と笑顔になってしまう。うふふ。


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