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オルサポルタから始まった  作者: 泰藤
新しい人生は突然に
24/40

豪華客車でアフターヌーンティ

 

朝である。

あっという間に朝である。大人達は豪華列車でパーティーを楽しんだようで、それぞれの朝をレストランや部屋で楽しんでいることだろう。


残念ながら、まだ小さい幼児である為、好き勝手出来ないのが少し残念ではある。


今日は特別にぐーたらをする日と決めて、寝間着で朝ごはんである。

この世界で初めてである。たぶん、とっても可愛い不良な行為である。

パジャマのまま朝ごはん食べてやるぜ!絶対2度寝するもんね!と心に強く決め、事前に宣言を行いパジャマでごはんである。


あまりお腹は空いていないと言っておいたので、いつものエッグスタンドに半熟卵をバターシミシミパンと一緒に食べて、あまーいミルクティーを飲んだら、歯を磨いてベッドに入った。


最初は、歯も磨かないで寝て不良だぜ!とか考えていたが、エイダンが心配するのでやめておいた。


かなかなお子様思考である。


ぬいぐるみ達に囲まれスヤァと寝て、次に気が付けばお昼はとっくに過ぎていた。



ワンピースに着替え、廊下をこっそり探検し、食堂車をこっそり覗いたあとは部屋に戻ると素敵な素敵なアフターヌーンティが用意されていた。


紅茶も準備してもらい、エイダンには一人で大丈夫よ!と大人ぶって見せ(心は充分大人である)



「アナスタシア様、何かあれば、いつでもお呼びくださいね」



と心配するエイダンを仕事に戻し、一人優雅にアフターヌーンティである。




お子様サイズの小さめのアフターヌーンティ用のスタンドには持ち手の部分に付けられた大きなリボンもお皿もミントブルーに統一されていてとても可愛い。


ティーポットもカップもミントブルーでデザインもお揃いである。


2段のうち、上段にはケーキやお菓子、下段には一口サイズのサンドイッチとミントブルーのココットに入ったフルーツサラダが可愛く飾ってあった。


薄くスライスされたパンに、丁寧に詰められた具材は、きゅうりとクリームチーズ、スモークブラダーン(スモークサーモン)とディルと玉ねぎ、そして卵とマヨネーズの3種類のサンドイッチが並んでいる。


アナスタシアは小さな指でスモークブラダーンのサンドイッチを手に取り、一口かじると、目を丸くして微笑んだ。



「んー!とっても、おいしい!」



ブラダーン(サーモン)の塩気と薄くスライスされた玉ねぎとディルの爽やかな香りがよい。

二つ目のサンドイッチは、きゅうりとクリームチーズ。



「きゅうり、しゃきしゃき!さっぱりしてて美味しい」



新鮮なきゅうりの食感と、まろやかなクリームチーズの組み合わせに、満足そうな笑みを浮かべる。

三つ目の卵とマヨネーズのサンドイッチは、彼女の大好きな味。



「たまご、ふわふわ!マヨネーズ!あっさり系のマヨネーズも好きかも」



口いっぱいに頬張り、幸せそうな表情を浮かべる。

マヨネーズが既にあるので、マヨ無双の夢は断たれたな……と現実的な事を心の中で呟く。

まぁ、これだけ食文化が豊なのだから、さもありなん。



ミントブルーの小さいココットに入ったフルーツで口をさっぱりさせると次はお待ちかねの上段である。

上段にはイチゴのショートケーキとティーセットと同じ色のマカロンが並んでいる。

ミントブルーの色のマカロンを手に取り、一口かじると、目を輝かせた。



「おいしい!とっても濃厚なブルーベリーの味がする!」



ショートケーキは粉砂糖が掛けられた苺とが乗っている。

小さなフォークで苺を切り分け、口に運ぶと、目を細めて微笑んだ。



「いちご、あまくて、きゅんとする! うまぁぁ!」



甘酸っぱい苺と、生クリームとしっとりしたスポンジ生地の組み合わせに、すっかりご機嫌だ。

満足げに目を細め、ミントブルーのティーカップに口をつけ、優雅な仕草で紅茶を味わう。



「紅茶も、香り高くて味もすっきりしていて、おいしい!」


カップをソーサに戻し両手を頭の後ろで交差させ椅子の背にもたれる。



「余は満足じゃ!なーんちゃって!」


一人で今日も美味しいご飯をエンジョイ中である。



のんびりゆっくりと楽しんでいたら、夕食時にはお腹が空いていないというもったいない事をしてしまい

簡単に摘まめるものを置いてもらう事になり、心の中で涙を流すアナスタシアである。



もったいないことをした。悔やまれる。


は!忘れていた!


「異世界の車窓から、明日はアトレータ駅に到着します」


と誰も聞いていないのに、朝も忘れてたし、危なく終わりも忘れるところだった!

と、ふざけているのか真面目にやっているのか、遂に明日はアトレータに到着である。


ふふっふふふふふーふーふーふー。

(一生懸命メロディを口ずさんでるんだから)

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