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気が付けば情緒不安定 2

結局、ブルーベリーをたらふく食べて、その後は寝ても覚めても状況は変わらず、長い夢をみているのか小さな女の子になった私は開き直って幼子生活をエンジョイしている。


誰かが見ている訳でもなく、知り合いがいるわけでもない。


どうせ今までも恥ずかしい人生を生きてきたのだ。


幼児返りなんて怖くない。


いっそのこと振り切ってやりきってやるわ!

と遊びまわっている。


羞恥心や周りの目を気にする年齢はとうに過ぎた。どう見ても知らない外国人と思われる人達に囲まれてるし、踊ろうが跳ねようが叫ぼうが温かく見守られている。



むしろ楽しい。

めちゃ楽しい。

子供最高。









正直、ここがどこだかさっぱりわからない。

外国なのか、異世界なのか…。

たぶん、地球じゃない。

髪の毛も瞳も今はヘアカラーやカラコンで好きに変えれる時代だけど、なんか違う気がする。


まだ、幼すぎて行動範囲が狭いので確証が持てないけど、なんか違う気がするのよね。


とりあえず、家は城のように大きくて広いのは間違いない。部屋数も凄いし、吹き抜けあるし、部屋の天井も高い。ダンスホール的な部屋もあるし、食堂も複数ある。


私の子供部屋はテラス付きで子供らしくメルヘン可愛いし窓のデザインがとても素敵で大きくて眺めも最高。

寝室も別にあるしバス、トイレ、衣装部屋、簡易キッチンまである。

どこの高級ホテルのスイートルームよ。


お風呂は大きくて一人では入れないけど、エステも脱毛もあれやこれやと経験した大人には怖いものはない。


恥ずかしい!キャーとか、お風呂入れます!なんて恥じらう乙女はここにはいない。









本当に日々何も変わらず、たまに誰に伝わるでもないのに乱心してしまう日々を過ごし漸く夢は覚めない。と、現実を粛々と受け入れることにした。


改めてまして、ごきげんよう。

私、アナスタシア。年齢不詳。若干精神不安定。


心の中で、存在しない姉上に事件です!と、某宿泊施設の従業員みたいにこの日々を報告してみたくなったりするこの頃。


私は元気です。


えぇ、元気。力が漲ってます。

子供のパワーを精神の不安定さを解消するため外でブランコしながら大きい声出してみたり、走り回りながら叫んでみるなど、子供らしい動作を織り交ぜつつ、ストレス解消をはかり精神の安定と落としどころをさぐっている日々。



や、実際こんなことが本当にあったらどうよ?

世の中の人達は直ぐに受け入れられるの?


トレンド?知ってるよ。異世界移転だか、転生だかでしょ?

職場の若い子達とコミュニケーション兼ねて話したり、オススメとか有れば読んだよー。とか話盛り上げる為に押さえてるよ。


あれさー。白い所に神様とか出てきて能力貰うやつでしょ?もう、いい年だから瞬発力も知識もないから実際、そんな現象に遭遇したらたいした能力貰えず、ストーリーの序盤で星となる自分が見えるよ。


実際、誰かから何かを貰った記憶ないんですけど。

大丈夫そ?


いや、大丈夫じゃないね。

せめてもの救いは親はどうやら裕福であるってことだけ…。


でも、あれでしょ?

乙女ゲーム?のパターンでしょ?

これも、触りだけ読んだよ。でもね、実際ゲームとかしたことないのよ。

たぶん、ライバルキャラでしょ?


あるあるだよね。

うん!あるある?

…本当に?


夜中に、豪華でメルヘンなベッドでぬいぐるみ達に囲まれ、掛布の端を握り絞めながら、考えても仕方がない事を考えてしまう。


最初は長い夢だと思っていたので、子供生活を懐かしんで全力で楽しんでみたり、ふざけて美しい大人達に甘えてみたりしてみたが、変わらない現実があり、夢ではない事に恐怖を覚えた。



そうして、実際には切り替えに時間が掛かるタイプだったらしく体感で1ヶ月半位かけて、強がっていた自分を認め、失ったものを諦め、心の中でふざけていた自分を受け入れ、本当に漸く今を楽しむことが出来るようになった。




いい大人が道で鼻歌歌って派手にスキップやツーステップしようものなら、ヤバい人がいる!って思って避けられるだろう。

下手したら通報されるかも。

お巡りさん!酔っぱらいが暴れてます!ってね。


でもね、小さい子供ならスキップしてても可愛いねー、元気だねー。で終わり。

最高じゃん。

今ならタンバリン持って全力で踊れる気分よ。


しかも、どうやらお金持ちのお家らしくナニーとか侍女とか執事とか家政をサポートする人達が沢山いるのよ。


両親もハリウッドでもなかなか見かけないレベルの美男美女。


お父様は中性的な美しさで見たことないくらいキラキラしい。お父様だーい好き!とか言って思う存分ハグして貰ってる。


お母様も超絶美しい。そして優しく美しい。

だーい好きって言いながら抱き締めてもらって素敵な香りもして幸せ。



あの時の宝くじは思い出すと胸の奥がキューっとなるけど、今の生活を考えれば笑顔でなかったことに出来る。


今日もツーステップが出来るなんて才能がございますね!踊りましょう!とか言われちゃって両手繋いでクルクル回ったりしながら芝生の上で踊りあかしている。

音楽なんてなくても超楽しい。


何だか満喫しております。

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